修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.01.06
更級粉は澱粉質の為、水打ちは難しいと言われています。
そこで、繋ぎに小麦粉を使用したり、湯捏ねで澱粉を糊化させ繋げるのです。
それでも繊細な更級粉を打つのは難しい感があります。
更級粉100gで柚切りにしました。黄色く斑のように見えるのが柚です。
生地が纏まっているように見えますでしょう?
捏ねましても粘りは無く、栗まんじゅうを欠いたときのように脆いのです。
出来るだけ木鉢の中で薄くします。
そして、伸し板の上で伸してはいけないのです。
茹でるときに伸し板を持ってと言う訳に行きませんから、俎板の上で伸すことにしました。
打ち粉を多めに打ちまして、軽く軽く麺棒の重さで伸していきます。生地の上で麺棒を休めますと生地が付いて穴が開きます。決して生地の上で麺棒を休めてはいけません。
生地を廻せませんから打ち手が右左と移動するのです。
形は悪いですが、大夫伸びてきました。もう少し薄くしたいのですが、赤丸部に穴が開き始めました。危険ラインに入って来まして、伸しを終わりにすることにします。
要は、水を含ませた砂を伸しているようなものですから。。。
切り終えた所です。可成り乱れた切りのように見えますが、故意に乱れさせたのです。
最初に書きましたように更級粉は繊細です。繋がっているように見えても脆いのです。
3~4本切りましては、刺身の切り方と同じ様に包丁でずらせたのです。
ずらすことにより俎板に張り付くのを防ぎ、お互いが張り付くのも防ぎます。
もう少し大胆にずらした方が良いようです。
茹でるときに鍋に落とす方法ですね!手で掴めば砂上の楼閣で崩れてしまいます。
一考でクリアファイルを1枚に剥がして俎板と麺の間に差し込んでいきます。
あの薄いクリアファイル(赤点線)でも差し込みますときに上手く行きません。
重なってしまいました。画像右側に蛍光灯が反射していますから、クリアファイルが差し込まれたのが分かります。
赤丸部にダマが出来ましたが、繋がり更級蕎麦となりました。
皿に盛りますとこんな感じです。上品な感がしますね。
柚を練り込みましたから、季節の香りもします。
一寸蕎麦に成らず、水打ちでこの長さなら合格ですよネ。
更級粉は水分を含んでいますと、在る程度形を作ることが出来ます。
形を作りましたら、如何に崩さずに熱湯に入れるかになります。熱湯に入れさえすれば澱粉は固まるのです。
課題が残りましたのは、もそっと薄く伸すことですね。
そして、もっと細く切ることです。
日本橋店中古売場 田口由明
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