修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.01.18
習い事に出掛けようと2階に上がります。あれ~。携帯の呼び出し音がなっています。
鞄から取り出すと切れてしまいました。履歴を見ると同僚からです。
掛け直しますと「お休みの所、申し訳ない。ペンタックスK2の修理依頼なのです。」
K2。。。ダメダメ。大変だから断りなさい。(グアム赴任時代以来で記憶が薄い)
「遺品だそうですが?」断れないのか。「う~ん。」
「ブログを見て頼ってきましたが。。。」
99%ダメだと思うが、預かるよう指示をしたのです。(遺品には弱い。父を思い出す)
確かに巻き上げが出来ない。巻き上げは完了しているらしい?
その後の動作がダメなようだ。
状態を確認すべく底カバーを外しました。何と破断したバネが落ちていた。
何処のバネでしょうかネ?遊び人のバネでしょうか?
先が思いやられる。
ではと、上カバーを外せば数多のリード線が走っている。
之だから電子化されたカメラは嫌になります。地下の電話線みたい状態です。
これから、どう外していきましょうかね。
左右の擬皮を剥がし、前板を分離します。
3本のネジを外し、メイン基板をソケットから分離します。
兎も角、ミラーボックスを外さなくてはなりません。
プリズムボックスを分離するので電流計のリード線を外します。
プリズムボックスを分離出来ました。ありゃら。電流計の下部に歯車が見えます。
失念していました。ファインダー内シャッター速度指針に連動していたのです。
ワイヤーで無くて安堵します。後で考えることにして先に進む事にしました。
リード線を最小本数外し、紐付きのままミラーボックスを外したのです。
破断バネのお家は何処かな~。と機構を観察します。バネを掛けるとすると、掛けられる部品には括れがあるはず。愛犬クイーポは、気持ち腰の括れが無くなった気がします。
2ヶ所の括れが見つかりました。チョイト加工して破断したバネを取り付けます。
検証の結果、ミラーを蹴上げるバネでした。
機械的原因でしたので電気的に問題が無ければ動作するはずです。(淡い期待)
ファインダー内シャッター速度指針歯車を本体側と咬合させます。
少しずれた~ね。その為に調整ネジがありました。
では作動させてみましょうね。あ~れ。全ての秒時がBなのです。
未だ失念した組み合わせがあるようです。何処なのでしょうかね?
分解時シャッター速度管制部を外しました。そこら辺に原因があるようです。
問題を解決して通電しますと電気的に動作しました。
何かディレクトリーを辿りながら、微かな記憶のファイルを探し出した気分になりました。
日本橋店中古売場 田口由明
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