修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.01.20
小生もお目に掛かったことがない~ね。用品だけで無くカメラも販売していたのを知りました。珍しいから直しましょうよと、入院となりました。
1959年産声をあげ、当時流行のLV機構を搭載してあります。
そして、販売上の政策か?自己主張の強い民具です。
其の1)レンズ周りの社名環に7枚のレンズを使っているヨ。と表記してあります。
其の2)上カバーに構成レンズが描かれています。(どうだと、ばかりですね!)
其の3)レンズのF値もf1.9と0.1明るくして、明るいのだゾ~。と主張しています。
裏側から後群レンズ・座金と外したのですが、シャッター部がすんなり外れないのです。
擬皮を剥がし、前板を外せば解決します。擬皮が経年変化により硬化しています。
ライカ似のオリジナル擬皮は崩したくありません。
どうする~べ~。と距離計を外しました。ダイキャストに覆われて隠れているシンクロリード線の状態が見えません。仕方なく、リード線を送る。前の画像から引っ張り出す。引き抜く。結果、作業が出来るマージンを取ることが出来ました。
LV機構部が回りません。バラバラにして洗浄。注油をして組み立てます。
コパル(現電装コパル)製のシャッターにはチリチリ虫やナマケモノが住み着いていました。
分解・洗浄・注油をして退治しました。
距離計のビームスプリッターに腐食が見られます。
作業を見られていたお客様の同カメラは、腐食して目測カメラ状態ですと話されました。
覗きますとこんな状態です。之では用をなせません。
新しいビームスプリッターと交換しました。
合致像も見えるようになりました。
距離計が見えなければシャレになりませんよネ。
製造から51年。蘇りましたファインダーを喜んでいるように思えるのですが。。。
ENVOYの気持ちは如何なのでしょうか?
日本橋店中古売場 田口由明
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