修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.06.28
下カバーを外すと速写性を向上させるトリガー機構が現れる。
ライカと違い金属のチェーン仕様の堅牢な作りである。この時代は良い仕事をしていました。この頃の理念は何処にの感があります。
ファインダーは変倍の機構になっている。
回り行灯の4面にレンズが取り付けてあり、回転させることで変倍していく。
その際、2枚のレンズを光が通過しますから、カビは大敵です。
測距用の窓を覗けば汚れとカビで雨戸からの木漏れ日の様にみえる。
焦点を変えて撮影すれば、直角プリズムはカビだらけ、猫灰だらけである。
直角プリズム組み品を外してみました。プリズムの3面が、カビでビッシリ覆われている。
之では反射光が半減され暗くなり、合致像の判別も難しい。
3面のカビを除去。特に金具とプリズム斜辺部との間に隅間が乏しく清掃に苦労する。
直角プリズムを分離すれば簡単であるが、調整が大変なのです。
組み付ければ透明感が蘇り、薄皮一枚剥がした感がする。
合致像も鮮やかになり、気持ちよく合致させることが出来る。
完成後、連絡を致しますと4の5と言わず受け取りに見えまして、破顔でした。
日本橋店 田口由明
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