修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.08.06
以前のブログ記事「型紙作りに失敗(リコーオートハーフSE2編)」あり。
https://www.kitamura.jp/photo/repairer/2010/re552.html
何とかならないか?と、考える日々が続く。とある日。閃きがあり灯がともる
コピーする発想は良かったが、濃淡に差が無かったことが失敗に繋がった。
ではと、濃淡を付ければの灯が灯ったのです。身近にあるのは光学研磨剤。微粒子であるのも幸いである。筆に付け、加水分解したモルトを痛めないように(十分傷んでいる)塗布する。何とか濃淡が付いた。
裏蓋を分離する。
幾分、斑ではあるがコピーをしてみました。
最初は白黒。結果は?灯が消えそうである。ならばとカラーコピーしてみた。
益々、灯が消えそうである。
コピー機の設定で濃淡を変えてみた。お~ぅ。何とか読み取れそうである。
再び灯の明るさが増した気がしてきた。
コピー型紙からモルトに転写し、切り出して一体型を作ることが出来た。
だが、満足できない。他に方法は無いのだろうか?
もう一つ灯が灯った。洒落た言葉でボディーパウダー。少し戻ればシッカロールだった。
早く結果を出したくて、お店の女性に持ち合わせが無いか聞いたが、持ち合わせていなかった。其れを聞いていた年配の男性が、天花粉か?と話しかけてきた。
天花粉???である。調べてみると「和光堂」が国産初の製品化をしたとあった。
「『小児必用養育草』(1703年:香月牛山著)にも記述のある天瓜粉(天花粉)ですが、これは、ウリ科のキカラスウリ(天瓜)の根からとった白いでんぷんのことをいいます。そのでんぷんは水分をよく吸い取るので、その吸湿性を利用してあせもの治療に用いられてきました。その粉末が雪(天花)のようにサラサラしていることから、天花粉と呼ばれています。」和光堂HPより転載。
自宅にあった大人用のニナリッチのパウダーで試したのです。
裏蓋は「どうらん」を塗りつけたようになり、良い芳香がする。
可成り濃淡が出てきた。
コピーも明瞭?輪郭が出て良い型紙が撮れました。
裏面にコピーを貼り、輪郭に沿って目打ちをしていきます。
そうしますと、モルトの剥離紙に目打ちの行列が出来、切り出せば一体型の出来上がりです。
でもネ!コピーはあくまでコピーであって、実寸を克明にコピーしてくれる訳では無かったのです。設計図の複写にコピー機が使用されず、青写真と呼ばれる物しか認められません。コピー機のコピーに若干の誤差がありました。
そして、モルトに型紙を貼る際、誤差の修正をしなければなりませんでした。
最後に、四隅にRを付けます。
モルトを貼り替えた裏蓋です。
之で、厄介なコンパクトカメラの一体型モルトの切り出しの目途が立った次第です。
昼休み交換された裏蓋をご覧になって「俺らは切り貼りのパッチワークで我慢するけど。。」
と、お客様が話されました。
民具再生師(故お茶の水の先生が名づけました)と呼んでくれていまして、パッチワークの仕事をしたら故お茶の水の先生や中島誠之助氏に「いけませんネ」と言われてしまいます
日本橋店 田口由明
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