修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.10.27
ペンの愛蔵家は沢山しらっしゃると思います。旧修理部から日本橋店に異動しまして多くのお客様より愛されて参りました。感謝致す次第です。
此度の記事の民具をお客様から頼まれまし時は、隠居を決めており残務整理にどれ程の時間を要するかの見極めが出来ずお断りを致した次第です。
お客様が店を後にする姿に落胆の影を残されたのが気がかりでした。
残務整理の時間を確保するために隠居を1ヶ月先延ばしにしたことで精神的余裕が生じ、順調に消化することが出来たのです。けれども、お断りしたことが引っ掛かっていたのです。
その様な時にお連れの方が見え、お預かり出来る旨を伝えて欲しいと伝言を託しました。
日時を置かず喜んで来店され、メモ用紙と共にペン初期型を2台お持ちになりました。
初期型の外観的特徴として取り付けてあるシャターにある製造元の刻印にXがあるか無いかがあるようです。両者の修理履歴は分かりませんが、機番100128にX無しを載せ替えての要望です
初期型の大きな特徴として吊り金具の仕様があります。
素材は真鍮性で強度に難有り、ストラップを取り付ける三角環の素材に負け摩耗をしてしまいます。酷い物になりますと切れてしまうことになります。それ故、吊り金具の摩耗度が購入する目安になります。
磨耗の無い1台の初期型の吊り金具は、違った素材で作られていました。
加工もしっかりしており手作りなのでしょうか?それとも、試作部品か?
巻き上げ機構部には製造時間差の違いは見られません。
吊り金具に摩耗の問題が起きまして、改良型の両吊り金具型に変更されました。
ダイキャストも改良に伴い新たに型起こしがされたのです。
初期型と改良型の違いの巻き上げ機構部は、大きく仕様変更されたのです。
列記しますと
1)巻き上げノブカバーが糊付けからネジ止めになりました。
2)スプロケット軸が長くなりました。
3)スプール軸も仕様変更されました。
4)スプールが仕様変更されたことで枚数計を上から押さえるバネ盤が、下から持ち上げられる方法に変わりました。
その他にも細かい違いはあると思いますが、初期型の特徴は巻き上げ機構部にあると思います。
2007年7月から日本橋店店舗ブログを担当してから600件目の節目を迎えました。
隠居を考えたとき節目を迎えられるか不安があり、迎えることが叶わないのかな~ぁ、ともおもいました。
そして、節目を飾る記事として何が良いのか?蕎麦の話なのか?菜園の話なのか?
悩んだ末に、入社して最初に研修に赴きましたオリンパスさんの製品で飾ろうと考えたのです。短い間でしたが「修理人たぐちの徒然日記」を含めまして閲覧頂き有り難う御座いました。
日本橋店 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。