修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.11.01
潜在的に白内障(クモリ)になるDNAを持ち合わせているのか?クモリを免れた個体は少ない。今年度産のお米の品質は、酷暑で透明にならず澱粉が白濁したように見えるために1等米の比率が2~3割のようです。食味には問題がないとの事です。
レンズの生地に澱粉は含有していませんが、白濁(クモリ)すると用をなさなくなります。
白濁するレンズエレメントは決まっているのです。
白濁の原因は製造上の問題か?保存上の問題か?どちらなのでしょうね。
座金を外しますと、ヘリコイド部・鏡筒部に分離されます。
それぞれ4本ネジで止まっています動作距離環A・Bを外します。
ライカマウントのヘリコイドは、線条が剥き出しであり、その上グリスが塗布してありますからゴミ等が入りやすい構造ですね。レンズ交換の際にマウント側を下にして置くのは戴けません。其れでは回転がムラ等になったりしたらグリス交換をしていきましょう。
押さえ環を外します。
そうしますと、マウント部と内・外ヘリコイドとに分離されます
組み込みの際に押さえ環の滑走面にグリスの塗布を致します。(忘れがちになります)
内・外ヘリコイドを分離せずに裏側を観察しますとネジが1本取り付けられています。
制限ネジです。マウント部を観察しますと制限ネジが無限から近距離迄移動する溝があります。内ヘリコイドにあります直進キー溝をマウント側の直進キーに咬合させ外ヘリコイドを回転しますと、内ヘリコイドが前後に運動する構造になっています。
組み込みの際、外ヘリコイドとマウント部の滑走面にもグリスを塗布します。
では、内・外ヘリコイドの分離に向かいます。何も表題の金属定規で無くてもとお思いでしょうが、修理道具としてプラスティク定規ではバッテンなのです。
と、な訳で必然的に金属定規しかありません。金属定規を外ヘリコイドの面に会わせます。
そして内ヘリコイドを回転させ同一面になるようにします。
内外ヘリコイドに罫書き線を引きます。それから分離をして洗浄します。
グリスを塗布し、罫書き線に合わせればほぼ完成ですね。もう少し頑張って組み立てれば気持ちの良い回転感覚が指先に伝わることでしょう。
過去の経験から白濁する課程があるようです。
最初は、麻疹の発疹の様に湿性を持った様に見えます。この時点で清掃をしますと綺麗になります。白濁が乾燥した状態ですといけませんね。
湿性を持った状態は、コティーングが溶解するとも思えませんし、外的要因があるのでしょうか?グリスが揮発してコティーングと反応するのでしょうか?
名探偵ポワロさんにでも原因究明の依頼を致しましょうかね!
日本橋店 田口由明
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