修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.11.16
シャターは分解清掃が終わったが、巻き上げが重い。使用しているグリスの経年変化によるのが原因だ!捲き戻しフォーク・捲き戻しフォークカラーを外す。
両者を外すことで裏蓋開蝶器を外すことが出来る。
ビットの長いドライバーを差し込み裏蓋開蝶器のネジを外す。
外したことで底板が分離できる。
押さえ板を外します。
R釦はスプロケット軸下歯車の上に乗っています。両者の間にコイルバネと歯車保護用のワシャーあり。中間歯車を外します。
巻き上げノブを取付緩み防止のセットネジで固定し、スプール軸下歯車を半時計方向に回すと外れます。
スプール軸受けを外します。
ソフトタッチプライヤーで挟み、抜き取ります。コイルバネの突起はスプール軸受側にあります切りかけに咬合します。組み立て時コイルバネの踏みつけに注意が必要ですね!
スプールの中にフリクションバネがあり、変形させないよう押し出します。
汚れたグリスを洗浄するために溶剤に浸けたところです。
浸けたばかりですから溶剤は綺麗なままです。
暫くすると溶剤により溶け出したグリスでマックロクロスケ(ススワタリ)トトロの世界です。どこぞに愛嬌のある瞳が見つめているかも知れません。それとも、驚いて逃げた煤のクロさでしょうか?
グリスが手に付くと気持ちの悪い感触がします。オマケに、この匂いです。
どんなにおいかって?よく言われる金気臭(金属臭)さとグリス臭さとでも言うのですかね。何方も鉄棒をされたことがありますよね。手の平が臭いませんでした。。。そんな匂いがします。匂いを体験したい方は、該当機種に鼻を近づけてみてください。
スプロケット化粧カバーを外すと楽屋が丸見えになります。
レリーズ軸には、シャターを動作させるレリーズレバーが左横へと伸びています。
レリーズレバーのネジ止め穴は楕円をしており、取り付け位置をずらすことでシャター切れ位置の調整が出来ます。
巻き上げ機構部の部品は溶剤のお風呂で綺麗になりまして、新たなグリスのオベベを着せて貰いました。良い感触だね~。良き民具は後生に引き継ぎたい物です。
日本橋店 田口由明
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