修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2010.12.29
蕎麦を主役にするか?辛汁を脇役にさせるかでありますが、脇役の出来が悪いと主役も引き立たないものです。逆も然りで本末転倒になってしまいます。
返しも本返しや生返しがあり、代々継ぎ足して名店の味を引き継いでいるようです。
又、各材の配合の塩梅もあり難しいのです。今年は、事前に本返しを仕込んで寝かせてみました。
味醂200ccを煮きり、甜菜唐130g・ザラメ50g・黒糖20gを溶かします。
鍋に顔を近づけましたら蒸発したアルコールに咽せました。未だだったようです。
糖類が溶けました所でそば膳1000ccを注ぎ灰汁を取ります。
沸騰寸前で火を落とし、ペットボトルに詰め冷暗所で寝かしました。
たかさご会御用達、原商店の混合節を細かく砕きます。砕くことにより表面積が増え混合節からの旨味を残らず抽出するのです。
出汁取り専用に揃えました寸胴鍋に湯を沸かし、混合節を投入。灰汁取りを丁寧に致します。
火を止める寸前に花かつお節を入れます。
漉し布を四つ折りにして漉すのです。
済んだ琥珀の一番出汁が出来ました。
二番出汁も採り他の料理に使います。暫くは、贅沢に美味しい味噌汁が飲めることになります。
この後、一番出汁3に本返し1を合わせます。この時の鰹出汁には棘があるのですね!
プロは、この時点で出来上がる味を見極めると申します。悲しいかな素人蕎麦屋は鰹出汁の棘で見極められないのです。翌日になりますと、本返しと出汁が馴染み円やかになります。味見をしますと、少し甘めかな~ぁ。妻に味見を見て貰いますと、丁度良いとの事でした。女性は甘めが好みのようです。
麻布十番にあります永坂更科布屋太兵衛のお店は、辛汁と甘汁の両方がお盆の上に乗っています。好みで味わい下さいとの配慮です。
次回は、糖類を若干控えた辛めにしたいと思います。
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