修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.01.21
この頃は良い仕事をしていましたね!でも、カビが前面に蔓延り、星雲状態です。救いはコティーングがアクロマティックでは無かったことです。アクロマティックだとソフトコートですから拭くことが出来ないのです。拭けば傷だらけになり、最悪、研磨剤でアクロマティックコートを剥がしてしまう事になります。 現役時代から好みの製造元ではありませんでしたが、糊口を凌ぐために先に進むことにします。
何処から手を付けましょうか?ゴム環を外してみました。ヘリコイド環の滑り止めにゴム環の役割があります。ゴム環を剥がすことで思いがけない突破口が開ける場合があります。
今回は、何も仕掛けが有りませんでした。天眼鏡で注意深く糸口を探します。と、距離環と社名環との接続部が一体部品で無い徴候を見つけたのです。分からない場合は良く観察することが大事なのです。社名環を反時計方向に捻って外すことが出来ました。
社名環を外したことにより隙間が生じ前環を止めているネジ頭が見えます。
距離環を最短部迄繰り出しますと、前環を止めている3本ネジを外せます。
距離環を無限位置に戻し、前群レンズを外します。
簡易的には前群レンズを外したことで、前・後群レンズの内面の清掃が出来ますね!
他の面にカビの発生が無ければ帰りましょう!!
1から4のネジを外しますと、ヘリコイド部と内筒に分離が出来ます。
ヘリコイド部に組み込む際は、絞りカム環を開放絞り値から最小絞り値方向に動かし、最小絞り値が変化しないところにします。
ヘリコイド部の絞り値環を最小絞り位置にして絞りカム環に取り付けてあるL字板をヘリコイド部の絞り値環に差し込みます。絞り値環を回し、値が変化すれば正しく咬合されている事になります。変化しない場合は、再度試みます。
内筒の突起レバー類を曲げないよう注意して後玉群レンズを外します。
各々の内面に発生しましたカビを除去します。見えませんがコバ部にもカビの発生があるやも知れません。塗装の状態を確認して、清掃をしておきましょう。
寒に突くお餅はカビが生えづらいとの言い伝えがありますが、寒に清掃したレンズも同じ事が言えますでしょうか??「わかりません」の回答であります。
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