修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.02.18
携帯が鳴り、送られてきたのは初顔合わせである。早速、検索してみたが、製品履歴を上手く調べることが出来なかった。1940年代後半か1950年代前半に製造された物と推測する。海外での販売価格は驚きの値札が付いている。レッドブックのレンズなのでしょうね!何と、$1,100から$1,500もしています。
では、美しく輝くクロームメッキに目を細めながら分解することにします。
定石と前群レンズを外します。
油分の湿潤で張り付いた絞り羽根が見えます。表れた絞り羽根室に2ヶ所の切り掛けが見え、回したくなります。でも。回してはいけないのです。これ以上大手門より分解が出来ません。搦め手から攻めることにします。
ヘリコイドと鏡筒を固定していると考えたのですが、ボロ隠しの化粧環でした。
固定環を外せば、ヘリコイド部と鏡筒部に分離しました。
絞り値環には、絞り羽根を作動させる絞り値作動軸(右填め込み画像)と絞り値クリック(左填め込み画像)があります。両者を外した後、絞り値環を反時計方向にて外します。
絞り値クリックの鋼球は、手鞠歌になり得るので注意が必要です。
鏡筒側面にあるセットネジ2本を緩めます。
そうしますと、絞り羽根室が分離できます。絞り羽根室を鏡筒に戻す時は、絞り開放位置を満足させなければなりません。
絞り羽根室の側面に2本の保持ネジ(斜め左の填め込み画像)がありました。
固定するわけではありませんから先端迄ネジ切りがされていません。
油分を洗浄して終了。絞り羽根室が分離出来ますので洗浄後の絞り羽根の組み込みは楽でした。大方の仕様は、鏡筒に絞り羽根の片方を固定するダボ穴が開けてあります。 そうしますと、鏡筒の奥になりますね!組み込み作業が大変になります。
私事で恐縮ですが、愛用の万年筆のペン先を痛めてしまいました。不注意で机の上にコトっと落としたのです。結果、ペン先が開いてしまいました。
自分で修正するのも剣呑ですから、製造元に修正を御願して戻ってきました。
あ~ぁ。支払った技術料で軽い財布が一段と軽くなってしまいました。
もしも、まさかの「さか」となりましたら、掛かりの費用の参考にして下さい。
尚、ペン先交換が必要となった場合は、追加で樋口一葉と野口英世に羽根が生えるようです。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。