修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2012.10.05
裏蓋を開けてスプールを押さえながら、巻き上げノブを時計方向(逆ネジ)に回して外す。
接眼レンズを外す。
(1)~(4)のネジを外すと、上カバーが外せます。
合致(無限調整)に狂いが発生している場合は、先に上下を合わせるのが基本です。
距離測距のミラー取付部は2本のネジで固定され、尚且つ塗料で止めてあります。ラッカーシンナーで緩めておきます。固定ネジを緩め、ミラー取付部を回転させながら調整しますが、僅かに回転させても大きく変化します。
その上、距離測距のミラー取付部と固定する台座とに余裕がありすぎて合わせるのに苦労します。
左右調整は前部にあり、最初のネジは固定用で奥に左右調整ネジの二段構えとなっている。調整終了後、固定ネジを締めると若干ずれが生じますので、予め締付誤差を予測しておくと良いでしょう。
搭載されていますSEIKOSYA-MXは、複数回記事にしていますので一部分解過程を割愛します。
裏蓋を開け、締付環を緩めると、本体からシャター部が分離します。
前・後レンズ群を外します。そして、花形環・押さえ板・秒時カム環を外しますと、上記画像となります。
レリーズレバーを外し、シャターセット環に取り付けられている引っ張りバネの掛かり(赤○部)を逃がし、シャターセット環を分離します。
化粧環を分離してから、シンクロ端子接続部の差し込みを外します。
化粧環は元に戻しておきます。
(1)短・(2)長・(3)長のネジをはずしますと、シャター部が前後に分かれます。
(1)短の意味はネジの長さを表しており、他の2本より短いわけです。ですから、長いネジと間違えますと不具合が生じます。
シャター羽根は6枚構成。(1)から反時計方向に並て行き(6)番目の羽根は(1)番羽根と重なります。
最初に絞り値を開放にしてから、絞り羽根を分離し洗浄します。
シャター羽根・絞り羽根に油分の湿潤がありますと羽根自体の変形・破損を招きます。
レンズを外して、洗浄液を掛け吹き飛ばす方法を聞きますが、一時的な対処法で洗浄液による表面張力で油分が散るだけなのです。完全に清掃できる方法ではありませんね!
時間の経過と共に散りました油分が戻って来て毛細管現象により羽根の貼り付きがおこります。
洗浄後の絞り羽根を押さえ板のダボ穴に合わせようとすると上手くいかず時間ばかり掛かってしまいます。両者に多少のずれが有りましても押さえ板を合わせてみます。
押さえ板を乗せる事で絞り羽根がバラケルのを防ぎますから、良い方法と思います。
そして、絞り羽根ダボを先端が曲がったピンセットで押さえ板ダボ穴に導きます。
全てが収まりましたら押さえ板止めネジを仮止めします。
押さえ板止めネジを仮止めする意味は、動いてしまいました絞り羽根下側のダボを移動しやすくする事です。ずれてしまった絞り羽根ダボを同じように先端が曲がったピンセットで絞り羽根作動盤の穴(赤○部)に移動して、絞り羽根の動作確認をします。
動作に問題が無ければ押さえ板止めネジを本締めして完成です。
シャター駆動部も分解して開閉環滑走溝を清掃します。
清掃後は、二硫化モリブデン粉を塗布します。持ち合わせがない場合は鉛筆3Bで代用し、空拭きします。から拭きしませんと余分な鉛筆粉が動作に悪さをします。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。