撮影教室


ポートレート その2

アゴを引いて撮るのが基本

 ポートレート撮影では特別な技術はいりませんが、やはりそれなりの準備が必要で、カメラ、レンズも選んでた方がきれい撮れます。まずカメラは絞り、シャッター速度を自由に設定できるカメラが有利です。特に絞りが重要なポイントになります。また、レンズも中望遠が適していますので、できれば一眼レフカメラでの撮影をおすすめします。
 ポートレートに適したレンズは70〜135mm の中望遠といわれています。その理由は描写が自然であることが第1に挙げられます。立体感、遠近感が強調されませんので、肉眼に近いイメージで撮影できます。第2点としては被写界深度を浅く取れますから、不要なバックを処理でき、人物を浮き上がらせるような撮り方ができます。さらに第3点としては、被写体と距離を置いて撮影できますので、モデルのリラックスした素顔をとらえることも可能で、バラエティに富んだ表情が得られます。
 レンズは明るいに越したことはありませんが 135mm前後ならばF4程度でもバックをかなりボカすことができますので、さほど神経質になる必要はありません。絞りについては、バックの扱いをどうするかで決まってきます。
 例えば、子供のポートレートなどでは、三輪車がバックに薄っすら写り込んでいると、子供の雰囲気や情景を物語って、人物を引き立たせる材料になりますので、ポートレートはすべて開放に近くで、という訳にはいきません。時々によって変化させますが、一般的には絞り込むよりも、背景をボカした方がきれいに見えます。
ピントはカメラの近い方の目に合わせ、露出は顔に合わせるのが基本です。

ポーズの基本は、立ち、座りともアゴを引いて撮ります。アゴが上がっている写真は鼻が邪魔に見えます。鼻の低い人は余計に低く見えますので、撮られた人もおもしろくないでしょう。また、アゴを引くことで、顔も締まって見えます。このことから、周囲の状況にも寄りますが、カメラアングルも低い位置よりも目線よりも若干、上の方がきれいに撮れます。

太めの人を細く見せるには……
 顔やスタイルが細めの人は真正面でも抵抗のない写真が得られるものの、太めの人は真正面からの撮影は避けた方が無難です。特に和服の場合は斜めからの角度での撮影に心掛けたいものです。さらに、太めの人は衣服を選ぶことが可能であれば、黒っぽい色を着ると体の線が目立たなくなります。衣装を換えられない場合は、衣装と同系色のバックを選ぶと背景に溶け込んで、太さがやわらぎます。



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