撮影教室





角度で異なる反射除去効果

PL(偏光)フィルターを使用しても「効果がない。どうすれば良いのか」の質問がよく聞かれますが、UVフィルターなどと違って、ファインダー内で反射が消えるのが、目で確かめられますので、容易に効果が確認できるフィルターと考えてください。

 効果が出ない要因(一眼レフカメラが対象)をまとめてみました。

1)PLフィルターは2枚の透明ガラスの間に偏光膜がサンドイッチされており、フィルターの前部のレンズを回転(角度が変わる)させていくと、ファインダー内で暗くなる部分が確認できますが、この暗くなる部分が明確でないことが挙げられます。

2)PLフィルターは反射角度によって効果がありません。特に逆光の場合はまったくないと過言でないほどです。

3)太陽を背にした順光撮影でも、正面の反射には効果がありません。景色を撮影していて、効果が得られないのは、この反射が正面からきているためと考えられます。

PLフィルター未使用PLフィルター使用

  作例の建物の写真を比較して見てください。左側はPLフィルターを使用していませんから、全面的に反射が写り込んでいます。
 右側は使用していますが、黄色の矢印の部分は反射が消えているのに対して、赤い矢印の部分はPLフィルターを使用していないのとまったく同じで、この部分は効果がありません。効果のない部分は反射が正面からきているためです。このように1枚の写真のなかでも、角度によって効果が異なってきます。

100%効果発揮角度を変えたら

  サイドボードに入っている「こけし」を撮った写真は、ファインダー内でもっとも暗くなって、効果のあった状態で撮影したもので、無反射の状態です。そのもっとも効果があったままで、角度を変えた写真はカーテンが写り込んでしまっています。角度によってまったく効果がない写真例です。

 カメラと光の反射角度によって効果が異なりますので、景色の撮影で広角レンズを使用した場合には、効果のある部分とない部分が生じます。反射光のある平面に対して30〜40度がもっとも効果(無論、前の部分のレンズを回転させてもっとも暗くなったことを確認する必要があります)が出ますから、この角度がポイントといえそうです。

  使用して効果がなかった方は、この角度に注意して撮影されてはいかがでしょう。

(図資料提供:ケンコー)


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