フォトハイキングでの被写体選び
テーマや目的を持って撮影しよう
最近、フォトハイキングを趣味とする方が増えています。一人でも二人でも気軽に出掛けられ、また、何よりもルールがありません(といっても花を踏んだり、立入禁止などの常識的なルールはもちろんあります)ので、自由性に富んでいることが好評の要因のようです。
ところで、フォトハイキングに何回か出掛けてみたけれど「自分のイメージ通りに撮れなくて……」、また「最近、何を撮っていいのか分からなくなった」と、相談を受けました。こうした悩みを持っている方が意外に多いようです。
自由に撮れることが逆に何を撮っていいのか分からなくしている面がうかがえます。この自由を束縛するのではありませんが、何を撮るのか、目的やテーマを決めることで、漠然としたフォトハイキングにおもしろみ出てきた話をよく耳にします。好きなものをテーマに撮影していると、何回かの失敗もありますが、イメージ通りの写真ができてくるものです。
その例として、Aさんは林や森の中の「木漏れ日」だけをテーマに撮り出しました。動機は花に当たった木漏れ日がスポットライトのようで「きれいだった」からだそうです。もちろん、その時はパチリと撮影していますが、日の当っている部分が露出オーバーで何を撮っているのか分からないような写真で、お世辞にも上手とはいえませんでした。半年後には斜めに差し込む木漏れ日を上手にとらえたり、樹木の質感を出したりで、ビックリするほど迫力のある写真になっていました。
Aさんいわく「最初は露光量に変化をつけ、次いで絞りに変化をつけ、撮る位置に変化をつけていたらイメージ通りに写るようになった。写真なんて簡単なものさ」。
上手な写真の構図を徹底的に真似る
後で聞いた話では、フランスに旅行にいってルーブル博物館で有名な絵画を模写している画家の卵を見かけたのを思い出し、上手な人の写真の構図を徹底的に真似をしているうちに、自分なりのイメージができあがってきたと語っていました。
テーマを絞って撮影している人はたくさんいます。ある人は滝だけとか、珍しい例では蜘蛛だけを撮り続けている人もいます。このようにテーマを絞って撮っていると、その表情の一番優れた部分を写せるようになり、結果的にイメージ通りの写真が得られ、構図もしっかりしてきてます。無目的に撮影するのもまた楽しいものですが、フォトハイキングもテーマを絞って撮るのも、実力向上のひとつの手段と言えるかもしれません。
イメージ通りに撮れなくて「自分には才能がない」とガッカリしたり、諦めたりしないで、自分の好きなものをテーマに持って撮ろうではありませんか。きっとうまくなります。
なお、撮影の範囲を拡げられる三脚を活用すれば、もう一段腕をアップさせることができるでしょう。面倒からずに是非、持参してください。
(写真=長屋門、冬と夏の比較です。同じ場所を撮り続けている人もいます。)
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