誰でもできるマクロ撮影で楽しさ倍増
少し前まで、マクロ撮影といいますと、専用ベローズ、接写リングを使うなどそれなりのテクニックが要求されました。しかし、最近はマクロ専用レンズやレンズ先端にセッティングできるクローズアップレンズなどの発売で、本格的なクローズアップ写真でも撮影が大幅に簡略化され、花や葉、昆虫、静物などに多く使用されていますが、いくつかの撮影ポイントがあります。そこで機材を紹介しながらマクロ撮影について述べてみます。
(写真上:切手の原寸です。)
(写真下:250mm レンズにマクロ探検隊CM-2000 2.5X使用)
*マクロレンズ=50mm、100mm 、200mm の3種類が一般的ですが、メーカーによって60、90mmもあります。時々「50mmと100mm マクロレンズで撮影したが、写っている大きさが同じなのはおかしい」と、言う方がおられますが、最高倍率がどちらも等倍(実物大=1:1)ならば、写る大きさは同じなのです。ただ、撮影最短距離が違っていたはずです。50mmは被写体のすぐそばでピントを合わせ、100mm では離れて合わせられます。構図を考えるには100mm の方が離れてできますから便利と言えます。しかし、通常のレンズと同じように望遠系になるほど被写界深度が浅くなりますので、どちらのレンズが使い易いかはその時によって異なります。また、正確にピントを合わせなければなりませんから、レンズがAFであってもマニュアルで撮影する方が便利です。
例えば、花の撮影で花芯の幹の部分にピントを来させたいと考えてもAFではなかなか思い通りにはいきません。なお、マクロレンズを通常のレンズとしても使用できます。ポートレートなどでバックのボケが良いと好んで使う人もいます。
*クローズアップレンズ=左上の写真はレイノックス“マクロ探検隊”で撮影したものです。種類によりますが、望遠 300mmレンズを使用すると2倍以上の倍率で撮影できます。便利なのはズームレンズにセットできることです。通常、クローズアップレンズはレンズ先端のフィルター径に合わせて(探検隊はフリーサイズ)セッティングするだけですから撮影が容易で大変便利です。
*接写リング=カメラボディとレンズとの間にリングをセットしますが、使用カメラのマウントに合わせた選びます。
マクロ撮影のポイントとしては、ピントをどこに合わせるかにあります。ボケをどう活かすかにもかかってきますが、特に花はピントの位置によってイメージが大きく変わります。また、光をどのように取り入れるかも写真を大きく変化させます。木の葉に乗った朝露を想定してみて下さい。光線と反射いかんで写真が随分と異なることが想像できるでしょう。順光、逆光の使い方で深みのある写真が得られます。また、マクロ写真は僅かに移動するだけで大きく変化します。
注意点としては(1)しっかり固定。3脚やスタンドの使用を勧めます。(2)ブレに注意。カメラブレだけでなく、木の葉などは僅かな風でもブレます。(3)被写界深度が浅い。凹凸のある被写体は全てにピントを合わすことが難しい……が挙げられます。
マクロの世界を掌中にして楽しい写真ジャンルを開拓して下さい。
写真提供 吉田産業(株)
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