室内撮影ではストロボを使って失敗の少ない写真を撮ろう
室内での撮影は、家族の団らんや誕生パーティ、クリスマスパーティ、お客様を迎えての歓談などなど、会話がはずんだり、カラオケで雰囲気が盛り上がったり、さらにご馳走が並んでいたりと楽しく、記念になるチャンスがふんだんにあります。そんな時に「パチリ」と撮った写真は心に残るものです。しかし室内では、照明が蛍光灯であったり、狭かったりなどの制約があって、失敗につながる原因も数多くあります。また室内撮影ではコンパクトカメラが多く使われていますが、いろいろな制約をカバーするにはやはり一眼レフカメラの機能をフルに活用したいものです。
光量の少ない内蔵ストロボに注意
室内撮影で何はともあれ、ストロボを発光させることがポイントです。結婚式場やミラーボールなどがあって、ムード照明を大切にしたいといった場合は別にして、ストロボを発光させれば、ほとんど失敗のない写真が得られると思って間違いはありません。光量不足で暗い写真になるより、楽しい笑顔がシッカリ写っていると撮られた方の感激もひとしおでしょう。現在のカメラはほとんどがストロボ内蔵で、撮影距離と連動していますから、ストロボ撮影での失敗はかなり低いはずです。大いにストロボは活用したいものです。
ただし内蔵ストロボの光量は、ほとんどがガイドナンバー10前後ですから、可能な限り近付いて撮影すること、特に広い部屋では光が届きにくく、被写体と背景の光量の差が大きくなって見ずらい写真になることがしばしばあります。この解決策として、一眼レフならスローシンクロ手法がありますが、コンパクトカメラではフィルムの感度の高いもの(ISO 400など) を使用すると露出不足で写真全体が暗くなることもある程度解消されるでしょう。
蛍光灯下の色変化にも強いストロボ撮影
また蛍光灯下の撮影もストロボを使用すれば、背景が緑色っぽくなってしまっても、被写体、特に人物の肌色がしっかり出ますので無難といえるでしょう。本格的に背景までもうまく撮りたいのであれば、フィルターを使用するのが基本です。とはいえ、プロのカメラマンからも思ったような発色が得られなかった話をよく耳にしますが、これは蛍光灯の種類も豊富になってフィルター選びが難しくなっているためです。どのような種類の蛍光灯か見分けがつきにくいことから何種類かのフィルターで撮影することをお勧めします。
ところで一眼レフの内蔵ストロボを使用していた時には、壁ぎわの人物の影もさほど気にならなかったのに外付けストロボでマニュアル撮影したらガチガチの影が出てしまい「このストロボは欠陥だ」と、ボヤいている人がおられました。これはカメラサイドで影が薄くなるように計算されているためで、外付けストロボが悪いわけではありません。発光部にガーゼをまいたり、バウンズ発光させたりのテクニックが必要です。一眼レフによって差はありますが、専用ストロボを使用しますと、敢えて面倒なテクニックを駆使しなくてもきれいに撮影できます。室内での楽しい家族の、友人の笑顔を上手に撮ってアルバムの一頁を飾って下さい。
写真提供:板倉有士郎
写真説明 上:外の夜景と奥の人まで光が届くようにスローシンクロを使っています。
写真説明 下: このように前面に頭が入らないように注意して下さい。
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