撮影教室


打ち上げ花火もちょっとした要領で傑作が撮れます。

 花火の撮影といいますと、祭りのように派手な打ち上げ花火、小さな子供たちが中心のファミリィー花火に分けられます。中でも打ち上げ花火は各地で盛んに行われるようになりましたが、「特殊な撮影でむずかしい」と意外に敬遠している方が多いようです。ちょっとしたコツさえ飲み込めば、きれいな写真が得られます。
 そこで、打ち上げ花火の撮影に準備するもの、心掛けなどを挙げてみます。

 1.カメラ=バルブ撮影(シャッターボタンを押している間だけシャッターが開いている露出)を行いますので、この機構を持った一眼レフがいいでしょう。バルブ撮影ができないコンパクトカメラでも撮れないことはありませんが、思いどおりにはいかないケースがほとんどと思って下さい。また、暗い所での撮影となりますから、手慣れたカメラのほうが有利です。(バルブ撮影の注意点として、エレクトロ式は電池の消耗が激く急に電池切れを起こすことがあります。念のため取扱説明書で確認して下さい)。

 2.レンズ=撮影意図や撮影場所によって異なりますが、一般的には標準を中心にした35〜105mm 程度のズームレンズでだいたいカバーできます。画面一杯に花火を写し込みたい人は100 〜200mm のズームが必要になってきます。

3.三脚とストッパー付きレリーズ=打ち上げ花火に限りませんが、長時間露出を行う場合、ほとんどこの三脚とレリーズは必要と考えてまず間違いありません。

4.フィルム=カラーネガ、カラーリバーサルいずれでもかまいませんが、できたらリバーサルをお勧めします。背景の黒色に締まりが出ます。ISO感度は100 がいいでしょう。

5.黒い布=レンズカバーでも良いのですが、機動性からすると光を通さない黒い布 のほうが有利です。

6.ライト=ペンライトで充分ですが、ヘッドランプですと両手が使えて便利です。

 また「絶対に傑作を撮るぞ」と意気込んで行かれる方は、前もってロケをするか、早めに入って場所を確保して下さい。「打ち上げ花火は撮影場所で90%決まる」と語る人もいます。
 花火が何発か上がる場所を確認してからデコボコのない所に三脚を立て、カメラをセットして撮影方向を定します。レリーズを付け、絞りをf5.6〜8、シャッタースピードをバルブにセッティングします。ファインダーを覗きながら花火の位置を確認します。この場合のポイントはファインダー中央より若干、花火の中心が上にいくような位置で止めます。但し、花火の具合で希望どおりには止まってくれるとは限りませんので、念のため。

 レンズに光線が入らないように黒い布で覆い、レリーズでシャッターを押しストッパーを掛けてバルブ状態にして花火を待ちます。シュルシュルと上がる光線を確認したら布を取り、消えたらすぐに布を掛けます。これを何回か繰り返しますが、この多重露光も3〜4回が限度でしょう。露出オーバーになるとつまらない絵柄になります。花火が長時間にわたる場合は明るさにもよりますが、長くて8秒ぐらいです。2 〜8秒程度です。
 この要領で、画面一杯に花火を入れる場合は望遠を使用したり、花火の下の景色を入れる時には広角系にしたりします。
 打ち上げ花火の撮影は難しいものではありません。是非、チャレンジして下さい。花火撮影は特殊なもの以外は夜間になりますから、ケガや火傷に注意しながら、傑作と楽しい写真を撮って下さい。
                 写真=コニカクロームで撮影(ISO感度100)