春の色を貴方のモノにするつもりで「桜」を撮ろう
最盛期の直前に撮ることが上手に撮るポイント
今年は桜前線が例年よりも早く北上しています。桜は「日本人の心」と、評されているほど、慣れ親しい花です。
この桜、冬が暖か過ぎると遅く咲くことはご存じですか。ある程度の寒さがないと、暖かくなっても開花が遅れます。意外と思う方も多いでしょう。冬の厳しい寒さがあってこそ咲く桜は、春を告げる代表的な花ですね。
桜を上手に撮るコツは、花の撮影では共通していることですが、「このように撮りたい」と、目的がある時は別にして『最盛期の直前に撮る』ことです。桜ならば8分咲き程度を指します。この頃が花ビラの色ももっとも濃く、写真になっても見栄えがします。
第2のコツとしては『形の良さにこだわる』こと。全体的、部分的にかかわらず、形の良い位置までカメラを移動させます。
第3は『切り撮る』ことです。特に桜の場合は開放的ですから、撮るとなると意識がどうしても全体に向かってしまいます。写真にすると平凡で、見た目とはかけ離れるケースがしばしばあります。人間の目はズームレンズの役目を果たしています。つまり、景色を切り取って見ているのです。この人間の機能に合わせて、ある部分を切り取って撮影してみると、思い通りの写真が得られるようになります。写真集を参考に見ても『切り撮った』写真が多いことに気付くはずです。無論、全体的な写真を否定しているものではありませんので、念のため。
以上の3点を注意するだけで、腕がかなり上がった写真が撮れるハズです。今一歩アップさせたい場合には、光の具合を配慮します。
太陽を背にした順光写真だけではつまりません。光を斜めから、逆光から捕らえたアングルを考えましょう。花を斜めから照らしている光は、思いのほか演出効果を高めてくれます。花の間から漏れる光もまたしかりです。
この光をコントロールしてアングルを決めていくには露光量がポイントになります。コンパクトカメラでは露光量を調節でき難いことから一眼レフの使用をお勧めします。
逆光では露光量をオーバーに取ります。つまり、プラス側に設定します。カメラを花に向けて仮にシャッタースピードが 1/250秒、絞りがf8であったなら、 1/125秒にするか、f5.6にするか、いずれかを選びます。光の入り具合によっては両方とも行うこともあります。逆光ではカメラが示した適正露出よりもオーバーに撮ることがポイントです。
また、小道具としてフィルターの使用も効果的です。
特に空が青い時には偏光(PL)フィルターが有効的です。このフィルターは光の反射を抑える役目を持っていますので、邪魔な光を抑えて、花本来の色を出してくれます。撮影の条件によって、コントラストが強くなり過ぎる場合もありますが、春特有の霞がかかった状況では偏光フィルターを使用しち方が効果的な色やコントラストが出せるでしょう。
桜の花を上手に撮って、今年の春を貴方のモノにして下さい。
写真提供:板倉有士郎氏
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