シャッタースピードの差でイメージが一転する乗物写真
ジャンプしているバイクがピタリと止まっている写真、逆にレース場などで後ろの景色が流れたようになって何が写っているのか分かり難いのに車だけがハッキリ見える写真、随分と写真のイメージが違っています。このように同じ乗物を撮っても異なった感じを与える要因は、ほとんどがシャッタースピードの違いによって生じます。
このシャッタースピードを速くしたり、遅くしたりできるカメラは、一部の例外を除いてコンパクトカメラでは無理があります。やはり被写体によって機能をいろいろと変化させたり、コントロールできる一眼レフカメラが断然有利です。
●ハイ(高速)スピードシャッターによる撮影
激しく動く被写体をピタリと止めた写真は、肉眼では得られない一瞬の場面を演出してくれます。写真ならではの独特の表現です。ハイスピードとは被写体の条件によっても違ってきますが、目安として 1/500秒以上のシャッター速度をいいます。高級一眼レフにもなりますと 1/12000秒の機能を備えたカメラもあります。
撮影モードは[シャッタースピード優先AE]が便利です。シャッタースピードを決めますと、自動的に絞り値を決めて適正な露光が得られるようになっていますから、撮影に専念できます。
動きを止める撮影条件は
1.動きが速いものほど高速シャッターにします。
2.同じスピードで動く被写体であっても、撮影距離が短ければ短いほど高速シャッターにしなければなりません。
3.同じスピードでも動く方向とカメラの位置によってシャッタースピードが異なります。斜めから、あるいはカメラに向かってくる被写体よりも、真横に走り、カメラと直角になるような場合は、シャッタースピードを速くしなければなりません。
このようなハイスピードシャッターを使用する場合は、レンズを通してフィルムに光の当たる時間が短くなりますから、感度(ISO)の高い400以上のフィルムを使用する方が的確な写真が得られます。
●スロー(低速)シャッターによる撮影
後ろの景色を流して乗物をだけを止めるには、ちょっとしたテクニックが必要になってきます。カメラを動く被写体の速度に合わせて追いかけます。「流し撮り」と言われるテクニックです。やはり写真だけの独特の世界です。
シャッター速度は被写体が非常に速い、あるいは近かったり、直角ならば 1/250秒で後ろの景色が流れます。時速60Kmぐらいで 30mも離れると 1/250秒では景色がハッキリ写り込んでしまうでしょう。そうした場合は、1/60秒以下で追いかけますと、だいたい景色が流れます。シャッター速度を遅くすればするほど流れます。しかし、目的とする乗物の絵柄も流れたり、ブレたりして一段と難しくなって失敗率も高まります。撮影はカメラを構えてワキをしっかり締め、足を固定させて腰を回転させながら被写体を追いかけます。
流し撮りは最初は失敗も多くありますが、決まった場合は一段腕がアップした気持ちになります。ハイスピード、スローシャッターを自在にこなして腕を磨いて下さい。
上:シャッター速度1/500で撮影
下:流し撮り1/60秒
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