現在でもガラスは石英と炭酸ナトリウムを主成分として、ルツボで溶かして作られており、エジプトでは炭酸ナトリウムの天然ソーダが塩湖のほとりで地表に剥き出しになっていますから、ガラスの製法が偶然に発見された可能性はかなり高いと思われます。
ギリシアでは紀元前4世紀頃に、ユークリッド、デモクリトス、アリストテレスといったギリシアの賢人たちの多くが、光とレンズに深い興味を示していたことをうかがわせる記述を残しています。
その後レンズの光学的な原理や法則が徐々に明らかにされてゆき、1300年頃には凸レンズが老眼鏡として実用化され、凹レンズが近視に役立つことが発見されました。こうしたレンズの特性が応用され、最初に開発された複合的な光学機械は顕微鏡です。
1500年代から1600年代にかけてオランダのスネルやデカルトらによって光の屈折の法則などが発見され、レンズの効果が科学的に解明されるようになります。1558年にはガリレオが現在の地上用望遠鏡を発明しました。この時代に、後のカメラのレンズに応用される基礎が、急速に築かれていきました。そしていよいよカメラが登場するわけですが、それは次号で説明いたしましょう。