さらにコダック社がレンズの使用枚数を減らす高屈折率のガラスを開発するなど、レンズの進化は多くの時間と才能を費やして、ゆっくりと進んでいきました。そして成型が容易なプラスチックによるレンズの開発、さらには非球形レンズの完成へと進みます。
アッペのおかげで簡単になったとはいえ、新しいレンズの設計には1930年以前は数人が1年がかりで膨大な計算をしなければなりませんでした。この間、天文学的な計算が続けられていたわけですが、コンピュータの発達によってレンズの開発の現場は飛躍的に改良されます。特に非球面レンズはコンピュータの開発なしでは応用が難しかったといわれており、コンピュータとレンズは切っても切れない間柄となりました。
このように、レンズは数学、科学、化学、生産技術など、あらゆる学問と技術が、その可能性を追い求め続けて、今日に至っているのです。 |