種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2011.09.16【Vol.029】
撮影した写真に絞りの形をした反射のようなものや、色のついた光、または本来あるはずの無い光の帯のようなものが画面に現れたりすることがあります。これはフレアと呼ばれているもので、レンズの収差によるもの、レンズ表面で光が反射したり、レンズを通過した光がレンズ内や絞り羽に反射して画像に写りこんでしまうレンズ内面反射によることで発生します。画面内に写りこんでいる余計な光を広い意味でフレアと呼ぶのですが、その中でも特に形がはっきりとわかる光の写りこみ(絞りの形など)を特にゴーストと呼んでいます。
では一体どういうときにその現象がおきやすく、またどうすれば軽減できるのでしょう。
フレアは被写体に太陽や夜の街灯など強力な光源があるとおきやすいとされています。レンズ表面での反射や、レンズ内を複雑に通過する光が起こす現象ですので、そのような光源がレンズに当ると発生する可能性あるということです。対策としては、フレアの原因となる強力な光が直接レンズに当るのを避けることになり、一般的によく知られている方法としてレンズフードが挙げられます。レンズの種類(焦点距離など)によって最適なものを選ばなければなりませんが、メーカーではレンズごとに専用のフードを用意しているので、それを求めれば良いでしょう。また、カメラ用品メーカーにおいても、汎用のレンズフードが色々と取り揃えられています。
もう一つは、レンズの性能によって起こりやすいレンズと起こりにくいレンズがあるということです。最近のレンズでは殆ど見かけませんが、コーティング(レンズ表面処理)のされていないレンズではフレアが発生する可能性が高くなります。コーティング技術が進歩したので、一昔前のようにフレアの出る写真はかなり減ってきましたが、やはりレンズの性能の差は多少あるようです。逆にこのコーティングのされていない古いレンズを利用する事でフレアの多い写真を楽しむこともできます。
ただ、いずれにせよ、強力な光がダイレクトにレンズに進入してくれば、フレアは完璧に防止できません。ファインダーを見ながら反射を確認することもできるので、少しカメラの角度を変えたりして、なるべく反射が入らないようにすることもできるでしょう。
様々な条件により、大きさ形が変わるフレアですが意図的にいれる場合は除き、その多くは画像のコントラストを低下させたりするので、適切な方法でフレアをなるべく軽減する撮影を心がけてみましょう。