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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2012.02.24【Vol.052】

RAWの話 その1

カメラの記録画質設定の項目に見られる、JPEGやRAWの文字。カメラを買った新品の状態の設定ではJPEGに設定されているので、初めて撮影されるデジタル写真をJPEGで記録される方が多いと思います。どんなパソコン上でも特別なことがない限り手軽に表示され、インターネット上の画像などもこの形式で保存されたものを見ていることがほとんどです。一方RAWは各カメラメーカーごとに規格が異なりメーカー独自の専用ソフトか汎用ソフトを使用しなければ基本的に画像として閲覧できません。

RAWは「生」のデータですので、そこから一時的に閲覧できる状態へ現像するのに対し、JPEGは撮影するときの情報(WB、彩度、色合いなど)を基準にカメラ内の画像処理エンジンで現像されJPEGとして生成されたものになります。ですのでJPEGはいってみればすでに完成された状態、よく言われるのがリバーサルフィルムのようなものといわれ、RAWはそこから、いろいろな味付けを加えることができたりモノクロ、カラーの変換、明るさの調節などができたりなど、自由度の高さからネガフィルムのようなものともたとえられます。

では、RAWで撮影しておけば、露出のコントロールを適当に行う、もしくは暗すぎたり、明るすぎたりする失敗した露出でも後で修正すればいいだけでしょうか。

聞くとどうやら、単純にそれら失敗したときのリカバリー幅が増えるという理由のみでRAWで撮影されている方も多いようです。決してそれらの理由で使用していることは間違いではありませんし、おおよその補正はPC上で簡単に行えてしまいます。ただ、たとえRAWでも、センサーが捉える光の幅を超えれば、黒つぶれや白とびはなります。極端に白くなりすぎた画像を暗く補正していけばするほどノイズが出てきて、調子が悪い(画像が荒れる)写真になってしまいます。ですので、たとえRAWで撮影していても、基本である露出が極力正確な画像を得るように撮影しておいたほうが好ましいでしょう。当然ですが、シャープネスやレンズの収差補正、ノイズ処理などで、合っていなかったピントや、ブレが補正されるわけではありません。

RAWで撮影しておけば何でもできるという考えよりは、ある程度の調整幅にゆとりができるという考えのほうが安全かもしれません。