iPhoneが水没したことで故障し、修理が必要になるケースがあります。万が一水没したときは、どのように対処すればよいでしょうか。本記事では、応急処置の方法から修理依頼の流れ、データ救出の可否まで詳しく解説します。
雨天時の利用や水中への落下など、さまざまな理由でiPhoneが水没するケースがあります。iPhoneは耐水性能を備えているとはいえ、内部に浸水すれば故障することもあるでしょう。状況を悪化させないためにも慌てず適切に対処することが大切です。
iPhoneが水没して故障した場合、どのように修理すればよいか、事前に何を準備すればよいか分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。この記事では、iPhoneが水没したときにやっておきたいことを詳しく紹介します。
iPhoneには「液体侵入インジケータ(LCI)」が搭載されており、ここをチェックすれば液体が入り込んだかどうかを確認できます。場所はSIMスロットの内側です。そこが赤くなっていれば、その部分に液体が接触したということです。
水没・故障しているか確実に判断できるわけではありませんが、目安のひとつにはなります。なお、SIMトレイに水が入らないように、確認する際はしっかりと乾かしてから開けましょう。
2016年9月に発売されたiPhone 7以降のデバイスは、一定の耐水性能を備えています。ただし、具体的にどの程度の耐水性能を備えているかは、デバイスによって異なるため注意が必要です。
ここでは、デバイスごとの耐水性能を紹介します。なお、耐水性能は水没しないことを保証するものではありません。
iPhone XS以降に発売されたデバイスは、iPhone SEシリーズを除いてIP68等級の防塵・耐水性能を備えています。ただし、デバイスによって具体的な耐水性能は異なるため注意しましょう。各デバイスの耐水性能は以下のとおりです。
デバイス | 具体的な耐水性能 |
---|---|
iPhone 12シリーズ | 水深6mで30分間 |
iPhone 13シリーズ | |
iPhone 14シリーズ | |
iPhone 15シリーズ | |
iPhone 11 Proシリーズ | 水深4mで30分間 |
iPhone XSシリーズ | 水深2mで30分間 |
iPhone 11シリーズ |
日常利用において十分な耐水性能を備えていますが、使用しているうちに性能が低下することもあります。また、AppleはiPhoneを持ったまま泳いだり水をかけたりすることを推奨していません。
iPhone 7~iPhone XRおよびiPhone SE2・iPhone SE3の防塵・耐水性能は、IP67等級です。IP67等級とは、IEC 60529によって水深1mの環境に30分間静置し、内部に浸水しない性能と定められています。
IP68より性能が低下するものの、日常利用においては十分な耐水性能といえるでしょう。上記のデバイスも日常の使用によって耐水性能が低下する可能性があるため、意図的に水没させるような使い方は想定していません。故障のリスクを減らすにはできるだけ水分が付着しないようにすることが大切です。
iPhoneが水没したときに現れる代表的な症状を5つ紹介します。iPhoneを水中に落とした後にこれらの現象が発生したら、水没が疑われるため取り扱いに注意が必要です。明らかなトラブルが現れた場合、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダに相談することをおすすめします。
iPhoneを水中に落とした結果、電源が入らなくなることがあります。なんとか電源が入っても、Appleのロゴが表示された状態のままデバイスが再起動する現象(リンゴループ)に陥るかもしれません。iPhoneが水にぬれて電源関連のトラブルが発生した場合は、水没による影響が疑われます。
ディスプレイの表示トラブルも、水没後に見られる現象です。見られがちな現象の具体例は以下のとおりです。
上記の異常が見られたら水没している可能性が高いため、速やかに電源を切って修理を依頼することをおすすめします。
サウンドにノイズが入ったり曇ったような聞こえ方になったりするのも、水没時に起こり得る症状です。スピーカーの内部に液体が侵入した結果、動作不良が起こっていると考えられます。
中にはまったく音が聞こえなくなるケースもあります。iPhoneを水中に落とした後にサウンド関連のトラブルが発生したときは、内部に液体が侵入した可能性を疑いましょう。
iPhoneが水没すると、さまざまな動作不良を起こす恐れがあります。例えば、タップしていない場所が反応する「ゴーストタッチ」と呼ばれる現象や、アプリが勝手に起動したり終了したりする異常動作です。このようなトラブルが発生したときは、すぐに電源を切りましょう。
水中にiPhoneを落とした後でも、正常に使えるケースがあります。しかし、基盤部品に液体が触れたことで何らかのトラブルが起こり、iPhone本体が異常発熱することがあるので要注意です。
水没後に普段より熱くなっていると感じるなら、致命的なトラブルに発展することを防ぐためにも電源を切り、使用を控えることをおすすめします。
iPhoneが水没したら、故障や症状の悪化、感電などのトラブルを防ぐためにも適切に対処することが重要です。ここからは、iPhoneを水中に落としたときの対処法を5つのステップに分けて紹介します。焦らず冷静に、順を追って作業しましょう。
水中に落としたiPhoneの電源が入っているときは、電源をオフにします。水没した状態で通電するとトラブルが悪化したり、感電したりする危険があるため注意しましょう。電源を切る手順は次のとおりです。
・Face IDを搭載したiPhone
・ホームボタンのあるiPhone
Appleは水以外の液体がiPhoneに付着した場合、その部分を水道水ですすぐように勧めています。紅茶やジュースのような飲み物をこぼしたときやクリームが付着したときはすぐにすすぎましょう。
iPhoneに触れた液体が水の場合、水道水ですすぐ必要はありません。水槽や浴槽に落とした場合は落ち着いてiPhoneを取り出し、そのまま次の手順に進みます。
iPhoneの電源を切ったら、外装に付着した水滴を拭き取ります。レンズクロスなどの糸くずが出ない柔らかい布を使用しましょう。iPhoneにケースを装着している方は、ケースと本体との間に水滴が残りがちなので、外して丁寧に拭き取ります。
水滴を拭き取ったら、iPhoneを放置して乾燥させましょう。基本的には風通しのよい場所で自然乾燥させますが、早く乾燥させたい場合は扇風機の風を当てても問題ありません。ただし、ドライヤーなどを使って高温の風を当てるのは避けましょう。綿棒や布類、ペーパータオルをコネクタに押し込んで水分を拭き取るのもトラブルの元です。
Appleでは、水没したiPhoneが完全に乾燥するまでには最長で24時間かかる場合があると案内しています。常温環境に24時間以上放置してから次の作業に進みましょう。
iPhoneが乾いたことを確認したら、SIMトレイを抜いてSIMを取り外します。SIMに液体が付着しているとサビが発生する恐れがあるためです。
なお、SIMトレイには液体の侵入を防ぐためのパッキンが付いています。本体がぬれた状態でSIMトレイを開けると液体が侵入するリスクがあることから、乾いてから作業することが大切です。
水没後のiPhoneは、正常に動作しているように見えても大きなダメージを負っているかもしれません。突如動作しなくなるケースもあるため、基本的には電源を入れず、早めに修理に出すことをおすすめします。
とくに、SIMスロットの内側にある液体侵入インジケータが赤くなっているときは、水没の可能性が高いと見て修理・点検を依頼しましょう。
iPhoneが水没して故障した場合、修理するとデータが失われます。しかし、重要なデータが入っていて救出したいと考える方もいるのではないでしょうか。
水没後に電源が入れば、データを救出できる可能性があります。重要なデータを救出したいなら、以下の手順で作業しましょう。ただし、別のトラブルが発生するリスクや症状が悪化するリスクもあるため、作業は自己責任です。
iPhone 7以降のデバイスは一定の耐水性能を有していて、水没しても正常に起動して通常どおり使える可能性があります。データを救出したいときは、本体が確実に乾燥したことを確認した上で電源を投入しましょう。
正常に起動し、操作できる状態であれば、高確率で内部のデータを救出できます。問題なく起動したら、次の手順に進みましょう。
なお、起動するときに液体検出の警告が表示された場合、乾燥が不十分です。故障リスクを下げるためにも、きちんと乾燥させることをおすすめします。
iPhoneが正常に起動したら、内部のデータをiCloudにバックアップしましょう。データをバックアップする手順は以下のとおりです。
無事にバックアップできれば、内部のデータがiCloudに保存されます。その後、iPhoneが起動しなくなっても、iCloudのデータは失われません。
iPhoneの修理や買い替えをした際は、初期設定でiCloudのバックアップからデータをリストアできます。リストアの手順は以下のとおりです。
リストアすれば、以前の環境でiPhoneを使用できます。ただし、アプリや細かいデータが元どおりになるまでには、ある程度の時間がかかる点に注意しましょう。
水没したiPhoneが故障していて電源が入らなければ、内部のデータを救出するのは難しいでしょう。iCloudやPCを使用してデータをバックアップするには、iPhoneの電源を入れる必要があるためです。
また、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダのサービスにもデータ救出はありません。修理する際に全てのデータが消えるため、電源が入らないなら内部のデータを諦める必要があります。
ただし、日頃からバックアップを取っていれば、修理や買い替えを済ませた後に以前のバックアップデータからリストアできます。万が一のトラブルに備えて、定期的にバックアップを取ることが大切です。
iPhoneが水没してお困りの方は、ぜひApple製品修理サービスを取り扱っているカメラのキタムラに修理をご依頼ください。水没したiPhoneの修理は「本体交換」で対応します。カメラのキタムラはAppleから認定を受けた正規の修理店として、安定したクオリティーのサービスを提供できるのが強みです。
カメラのキタムラはApple正規サービスプロバイダに認定されており、Appleのトレーニングを受けたスタッフが修理します。修理のクオリティーはApple StoreやAppleリペアセンターと同等です。
正規の修理店なので、AppleCare+を適用できます。AppleCare+に加入している場合、水没による本体交換は一律1万2,900円(税込・2024年9月時点)、加入していないなら以下の料金です。
デバイス | 修理料金(本体交換) |
---|---|
iPhone 15 Pro Max | 11万4,800円 |
iPhone 15 Pro | 10万5,800円 |
iPhone 15 Plus | 9万6,800円 |
iPhone 15 | 8万7,800円 |
iPhone 14 Pro Max | 11万4,800円 |
iPhone 14 Pro | 10万5,800円 |
iPhone 14 Plus | 9万6,800円 |
iPhone 14 | 8万7,800円 |
iPhone 13 Pro Max | 9万6,800円 |
iPhone 13 Pro | 8万7,800円 |
iPhone 13 | 6万8,800円 |
iPhone 13 mini | 5万9,400円 |
iPhone 12 Pro Max | 9万6,800円 |
iPhone 12 Pro | 8万7,800円 |
iPhone 12 | 6万8,800円 |
iPhone 12 mini | 5万9,400円 |
※2024年9月時点(税込価格)
予備のスマホがない場合、修理に出している間はスマホが使えず不便です。カメラのキタムラのiPhone修理は当日交換が可能なケースも多いものの、場合によっては預かり修理になる場合もあります。
預かり修理になった場合、保証期間内であれば代替機貸し出しサービスを利用できます。修理を依頼するiPhoneが保証期間内かどうかは、Apple公式サイトで確認できます。
Apple製品修理サービスを実施している店舗では、待ち時間を削減するために来店予約システムを導入しています。オンラインで簡単に予約可能なので、できるだけご予約の上ご来店いただくのがおすすめです。
予約なしのご来店でも修理受付は承っていますが、混雑状況によっては長時間待つ場合があります。スムーズに手続きを済ませるためにも、ぜひ来店予約システムをご利用ください。Appleのページから店舗検索と予約が可能です。
iPhoneは一定の耐水性能を備えているものの、水没によって故障することがあります。水没により故障した場合、再びiPhoneを使うには修理が必要です。
iPhoneが故障して困っているなら、カメラのキタムラに修理をご依頼ください。カメラのキタムラはApple正規サービスプロバイダとして修理サービスを提供しており、トレーニングを受けた技術者が修理します。
AppleCare+も適用できるため、加入しているなら安く修理が可能です。iPhoneの修理は、ぜひカメラのキタムラにお任せください。
カメラのキタムラ Apple製品修理カウンターでは、安全対策を実施し、営業しております。
皆さまのご理解・ご協力をお願いいたします。
店舗にてスムーズに修理対応を行うためにiPhone・iPadなどのApple製品について、データのバックアップやAppleIDとパスワードのご確認、ご加入の各携帯電話会社の保証内容、Beats製品の修理に関してなど、来店前にご準備いただく必要のある項目をおまとめしております。必ず注意事項をご確認うえ、お近くの店舗まで来店予約を行っていただきますようお願い致します。
また、「iPhone(iPad・iPod)を探す」に関しても、修理受付時にはオフにしていただく必要があるため、あらかじめ解除方法についてご確認ください。