【フイルムカメラ】「コンタックス 137MA Quartz」で魅力のコンタックスツアイスレンズを使う
はじめに
今回セレクトしたカメラは、1982年に発売された一眼レフフイルムカメラ「コンタックス 137MA Quartz(クォーツ)」です。「コンタックス 137MA Quartz」は筆者が高校生時代に愛用していたカメラの1台です。
この頃の一眼レフカメラのほとんどは、フイルムは手動巻き上げかオプションのワンダーやモータードライブを装着する機種がほとんどでしたが、中堅の機種でありながら3コマ/秒のモータードライブ内蔵のカメラは、その当時高校生の筆者にはとても魅力的に見えたカメラでした。そんな思い出のカメラと「鷲の目」と呼ばれるレンズ「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」でスナップ撮影を楽しんでみました。
コンタックス 137MA Quartzの魅力と特徴
「コンタックス 137MA Quartz」は、現在中古市場では比較的お求めやすいプライスで購入できるコンタックスのフイルム一眼レフです。コンタックスのフラッグシップのRTSシリーズになると、程度の良いものも少なく、程度の良いものは少しお値段が高くなってきます。
コンタックスのツアイスレンズを使用できる一眼レフフイルムカメラとしては魅力的なカメラではないでしょうか。特にカメラを動かすバッテリーは単3電池なので、どこでも入手できる電池を使用できるのは大きなメリットです。
カメラのスペック的には当時の中級機クラスで特に大きな特徴的なスペックはありませんが、この当時でワインダー内蔵型のフイルム一眼レフは、この「コンタックス 137MA Quartz」のセールスポイントの一つでした。当時のカタログもスポーツ撮影を強調した作例を使用しています。
実際に高校生だった当時の筆者は、このワインダーに憧れて購入し、同級生の運動部の部活や高校野球などを撮影していました。
コンタックス 137MA Quartzの基本スペック
「コンタックス 137MA Quartz」の基本的なスペックです。
型式 |
電子制御式AE/マニュアル専用機 |
使用フイルム |
35mmフイルム |
画面サイズ |
24mmx36mm |
シャッター方式 |
左右走行式布幕フォーカルプレーン電子シャッター( Quartz制御) |
シャッター速度 |
オート時 :11秒~1/1000秒 マニュアル時:1秒~1/1000秒、X(1/60秒)、B |
シンクロ接点 |
X接点(1/60秒) |
セルフタイマー |
Quartz制御による電子式(作動時間10秒) |
シャッターレリーズ |
電磁レリーズ方式(専用レリーズソケット) |
測光方式 |
SPD受光素子によるTTL中央部重点開放測光、絞り優先方式 |
ファインダー方式 |
ペンタプリズム使用のアイレベル型 (視野率95%) |
フォーカシングスクリーン |
水平スプリット/マイクロプリズム型 |
フィルム巻き上げ |
マイクロモーターによる自動巻き上げ |
撮影コマ速度 |
撮影モードセレクター切替で連続・1コマ撮影が可能 連続撮影時のコマ速度は最高3コマ/秒 |
フイルム感度 |
ISO12~3200 |
大きさ |
幅 143mm X 高さ 92.5mm X 奥行き 51mm |
質量 |
610g(ボディのみ) |
電池 |
単3電池4本 |
発売当時の価格 |
98,000円 |
発売年 |
1982年10月 |
コンタックス 137MA Quartzで白黒フイルムスナップ撮影
今回は「コンタックス 137MA Quartz」に鷹の目レンズ「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」を装着し、白黒フイルム「FUJIFILM ネオパン ACROS100 II」を使って都内を散策しながら撮影をしてみました。
フイルムカメラを使うと撮影できる枚数が制限されるので、筆者は普段のデジタルカメラで撮影する場合と考え方を変えてスナップ撮影をします。撮影する一日のルートイメージを頭に思い浮かべ、ポイントポイントで撮影する枚数を考えておきます。そうする事によって効率的かつ経済的に撮影ができます。まあそれでも突発的に気に入った被写体を見つけてしまうと、予定変更してガッツリ撮影をしてしまう事もありますが(笑)
今回の記事に使用する為に現像後のフイルムを、スライドコピアを使用してデジタルカメラで複写したものを使用しています。
「コンタックス 137MA Quartz」はモータードライブで秒3コマの連写が可能ですが、フイルムがとても高くなった昨今ではさすがに連写はできませんので、シングルモードで1枚1枚大事に撮影します(笑)
「コンタックス 137MA Quartz」に装着した「Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8」は、デジカメにマウントアダプターを使用して大きく見える状態とは異なり、本来のパンケーキの薄さがシンプルなデザインの「コンタックス 137MA Quartz」のボディにとてもマッチします。
今回の撮影テーマは「昭和を感じるノスタルジー」を探して撮影です。白黒フイルムを使うことで、よりノスタルジー感がアップします。老舗のお店やアーケード街、お寺や飲み屋街などがある浅草をメインに撮影し、その後ちょっとだけ表参道を散策してフイルム1本撮影です。
まとめ
普段デジタルカメラで撮影している同じ風景なのに、白黒フイルムで撮影するだけでいつもとは違った風景を写し撮ることができます。
カラーフイルムとはまた違った楽しみ方ができるのはとても楽しいのですが、現像に時間がかかるのが難点です。カラーフイルムと違って即日現像ができるところはほとんどありません。お店に白黒フイルムを預けて現像所で処理してまたお店で受け取り。今回も現像が仕上がるまで、2週間弱かかりました。もう少し早く仕上がるとありがたいですが、需要を考えると現状では難しいのでしょう。機会があれば押し入れにしまい込んである現像タンク一式を引っ張り出して、自分で昔の様に現像を楽しむ事もしてみたいと思っています。
「コンタックス 137MA Quartz」は、人気のコンタックスツアイスレンズが使えるお手頃な価格で入手可能なフイルム一眼レフカメラ。使いやすくシンプルで飽きのこないスタイルです。デジタルカメラでマウントアダプターを使って「コンタックスツアイスレンズ」を楽しんでいる方にも、おすすめできるフイルム一眼レフカメラです。
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■写真家:坂井田富三
写真小売業会で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。 撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ、ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・日本風景写真家協会 会員
・NPO法人 フォトカルチャー倶楽部 参事
・一般社団法人 日本フォトコンテスト協会 理事
・一般社団法人 日本写真講師協会 理事
・ソニーαアカデミー講師
・クラブツーリズム写真撮影の旅・ツアー講師