紅葉撮影が上手くなる3つのポイント|九州「古刹・大興善寺」の穴場スポット紹介!
はじめに
■使用機材:E-M1MarkII/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:シャッタースピード1/40秒/絞りF4/ISO200/WB晴天
暑い夏がやっと終わり、今年は近所の彼岸花も開花が遅く、なかなか秋めいた噂がでない今日この頃ですが山奥は少しずつですが秋らしい色彩になってきています。今年の秋はカメラ片手に紅葉狩りに出かけるのはいかがでしょうか!今回は紅葉の撮影テクニックをご紹介いたします。
今回訪れたのは九州・佐賀の県境にある、古刹・大興善寺。春はつつじ、秋は紅葉が美しく、ある場所から撮影すると紅葉トンネルが出来る隠れた穴場撮影スポットなんです。この日はあいにくの雨でしたが多分、濡れた落葉がしっとりとしたいい感じに表現できるかも?と前向きな気持ちで撮影に出かけました。駐車場に車を停めたら脇にある、紅葉も撮影しながら、長い山門を登るとそこに待っているのは非常に美しい紅葉のお寺でした。
本記事では古刹・大興善寺内の撮影箇所①~④を、作例と共にご紹介します。
紅葉撮影の予備知識3つ
まず、出かける前に確認できる紅葉撮影を行う上で覚えておくと良い予備知識をご紹介いたします。
(1)撮影場所の事前調査
撮影場所は事前にインターネットのグーグルマップ(卓上ロケ)で調べられます。その場所はどんなところで、どのような紅葉が見れるのかを調べておくと良いでしょう。
(2)天候
当日の天候はピンポイントで天候がわかるアプリが便利です。スマートフォンで瞬時にその場所の天候もわかるので今いる場所から撮影場所を変更するときにも便利。(アプリ:WEATHER MATEなど)
(3)撮影イメージ
どんな感じに写したいのかイメージすることができれば、それに必要な撮影用の補助機材(PLフィルター、LEDライト、鏡、レフ板・三脚など)を用意できます。ですので事前に撮影当日のイメージトレーニングすることをお勧めします。
※撮影地によっては三脚やレフ版の使用は禁止されているところなどございますので事前に調べておくと良いと思います。
紅葉撮影の3つのポイント
紅葉撮影を行う上で大切な3つのポイントをお教えいたします。
(1)観察
紅葉撮影で大切なのは観察です。秋はキノコの時期でもありますので、ひょっとしたら木の根元などに絵になる小さなキノコなどがあったりしますよ。紅葉以外にも好きな植物の名前を憶えておき、色々な場所で撮影することを心掛けておくと、紅葉と一緒に撮影することもできるようになります。
(2)アクセント(光・添景など)
光は被写体を劇的に変える素晴らしいアクセントになります。また、添景として人物や人工物などを入れてみるのもお薦めです。
▼光のアクセントの作例
■撮影環境:シャッタースピード1/80秒/絞りF7.1/ISO200/露出補正-0.7/WB晴天
光が無ければ暗く、のっぺりとした紅葉ですが朝の斜光線でとてもいいアクセントになりました。
■撮影環境:シャッタースピード1/400秒/絞りF7.1/ISO200/露出補正-1/WB晴天
部分的に光が当たる紅葉を見つけたら明暗差でこのような表現にもできます。
(3)環境
周りの環境を良く見ておくことも大切です。どんな場所や標高にあるのかがわかるとお目当ての被写体が探しやすくなりますし、撮影するときにも周りの環境を知ることで作風が組み立てやすくもなります。
▼穴場撮影ポイント①
■撮影環境:シャッタースピード1/20秒/絞りF4/ISO200/WB晴天
この場所は春には階段の脇に咲くツツジが奇麗ですが秋はそのツツジのラウンドを利用して紅葉を引き立たせてみました。
▼穴場撮影ポイント②
■撮影環境:シャッタースピード1/15秒/絞りF5.6/ISO400/WB晴天
(4)撮影機材
★一眼レフカメラ
紅葉撮影は動きものではないので落ち着いて構図や光加減などを見極めて撮影します。ファインダーを覗いて撮影する時は撮影時に仕上がりの画を見ることが出来ないので撮影したらその都度、モニターで仕上がりの画を確認しましょう。
明るい場所ならば液晶フードを付けるとより確認しやすくなります。
★ミラーレスカメラ
ミラーレスカメラでも撮影の都度、仕上がりを確認しますがミラーレスカメラの場合、ファインダーから目を離さずに確認できる機種がありますので非常に便利ですよ。
★レンズ、フィルター
キットでついている標準ズームレンズでも大丈夫です。他にも望遠ズームや、広角ズーム、マクロレンズなどがあれば尚更良いのですが今所有しているレンズをマスターしてから次のレンズへと挑戦してみることをお勧めします。
紅葉の撮影では私はPLフィルターを常につけています。PLフィルターは回転する仕組みになっていて、くるくると回すと反射を入れたり無くしたりできる機材です。主な目的としてはガラスなどの人物の映り込みなどの反射を防ぐ用途で使用するものなんですが同時にコントラストを高め、反射あり、無しの両方の作品がフィルター交換をせずに短時間に撮影できるというメリットもあるのでお勧めです。
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▼PLフィルターを逆効果で使用した作例(反射あり)
■撮影環境:シャッタースピード1/125秒/絞りF3.2/ISO400/WB晴天
▼穴場撮影ポイント③
■撮影環境:シャッタースピード1/3秒/絞りF6.3/ISO400/露出補正-1.7/WB晴天
PLフィルター効果で使用した作例(反射1/3無し)で鳥居の反射を入れつつ、水中の紅葉を模様のように表現しました
★三脚
手振れ防止が強い最近のカメラでは日中の撮影では三脚が必要無くなってきました。場所を取る三脚はしらずしらずのうちに他の方の迷惑になったりするものです。
私の場合、三脚をできるだけ使用しない撮影を心がけております。また、三脚レス撮影だと下の作例のようにカメラアングルが短時間で自由にできるメリットもあります。
紅葉テクニックあれこれ
ここからは細かな紅葉撮影テクニックをお教えいたします。
■使用機材:E-M1MarkII/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:シャッタースピード1/40秒/絞りF6.3/ISO200/WB晴天
撮影テクニックを知れば同じような被写体でも以下のような作品がトライできます。
カメラを真上に向けて自分自身を回転させるように撮影したり、ズーミングをしたりするとこのようなユニークな表現になりました。また、このような撮影をする場合は天候が悪い時ほど陰影が無く、逆に効果的な場合もあります。
*撮影するにはスローシャッターでないと効果が出ませんので以下のデーターを参考にしてください。
■撮影環境:F11 1/8秒 ISO200 WB:晴天
ホワイトバランス・色を変えてみる効果
■撮影環境:シャッタースピード1/25秒/絞りF4.5/ISO400/WB晴天
インスタ映えするようなこのような作品は紅葉を集めてこのような形にしてその場でホワイトバランスを変えてみたり後処理で色を変えることで表現出来ました。アイデア一つで何気ない落葉も絵になりますよ。
多重露光で幻想的な効果
■撮影環境:シャッタースピード1/30秒/絞りF5.6/ISO200/露出補正+1/WB晴天
この作品は多重露光で紅葉を幻想的に表現しました。(1枚目と2枚目をピント位置を変えたり、影絵になるように位置調整して撮影しました)
また、このようにカメラを真上に向けたり、背景に太陽や白い空などを撮影する場合、時として逆光になってしまいがちで被写体に色が出ず、暗く(黒く)なりますのでその場合、露出補正±を+(明るく)にすることが多いです。
▼露出補正の作例
アクセント効果
■使用機材:E-M1MarkII/ M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
■撮影環境:シャッタースピード1/40秒/絞りF20/ISO200/露出補正+2/WB晴天
紅葉の小さな隙間に太陽を入れることでクロスフィルターが無くても光条表現できます。良いアクセントにもなるし、眩しさを表現できます。
紅葉の撮影は山奥が多いですから日陰になりやすく、特に午後3時ごろからは日が当たらない場所が多いです。ですのでできるだけ午前中の撮影の方が好条件になることが多いです。
※一眼レフの光学ファインダーを使って撮影している場合は、太陽を直接見てしまうと、目を傷めてしまう可能性がありますので、ライブビューなどを使って撮影するようにしましょう。
まとめ
▼穴場撮影ポイント④
■撮影環境:シャッタースピード1/4秒/絞りF5.6/ISO200露出補正-0.3/WB晴天
■撮影環境:シャッタースピード1/13秒/絞りF7.1/ISO400/露出補正-1.7/WB晴天
いかがでしたでしょうか、参考になれば幸いです。紅葉撮影はお花写真と同様で限られた季節&時間勝負なのでたとえ天候が悪くても現場に来たら一期一会だと思いましょう。
日本の紅葉の時期は年に一度ですからどんどん撮影に挑んでくださいね。