デジタル一眼レフカメラで都会の夜景写真を楽しもう!今すぐ使える撮影のコツ
夜の都会のキラキラした夜景。
暗い場所での撮影は昼間よりも難易度が高いと思われがちですが、カメラの設定と撮り方のコツさえ知っていれば、誰でも簡単に美しい夜景の写真を撮影できます。
この記事では、都会の夜景を撮影するときに一眼レフカメラの設定や、持っておいたほうが良いアイテム、撮影をするときの注意点などを解説します。
夜景写真の基本的な撮影知識
夜景に適した撮影モード
AUTOモードは初心者でも手軽に写真を撮れますが、全体をくっきり表現するためのF値や、レンズに入ってくる光の量を決めるシャッタースピードなどを調節できません。
夜景を撮影するときはシャッタースピードを設定できるマニュアルモードか、シャッタースピード優先モード(TV・Sモード)をつかって、写真の明るさや色味などを設定するのがオススメです。
ベストな撮影時間
夜景の撮影には主に、夕方の少し空が明るい時間に空の青色と夕焼けのグラデーションを撮影する方法と、真夜中に真っ暗になった空を背景に明るいビルを撮影する方法という2つのパターンがあります。
太陽が沈んでから20分〜30分くらいに西の空を撮影すると、夕焼けのグラデーションを撮影できます。
夜のビル群を撮影したい場合は、日が沈んで暗くなった21〜22時頃がベストです。多くのオフィスの消灯時間は22時ごろなので、それを過ぎてしまうと窓からこぼれる光がまばらになってきます。
空のグラデーションとオフィス街。どちらを主題に撮影をしたいかによってシャッターを切る時間を選ぶとよいでしょう。
ピントの合わせ方
星空や極端に暗い場所での撮影はピントが合いにくいので、液晶モニターを見ながらマニュアルフォーカスでピントを合わせが必要になる時があります。
もしピントが合っているかどうか不安な場合は、試し撮りをしてから液晶モニターで撮った写真を拡大表示して、きちんとピントが合っていることを確認するのも一つの方法です。
写真の印象をコントロールする露出補正
露出補正とは、写真の明るさを撮影する前にあらかじめ設定しておき、ISOや絞りを設定するときに適正露出になっていない、もしくは意図してオーバーやアンダーで撮影したい時に明るさを調整する機能です。
マニュアルモードで撮影する場合には、ISOやシャッタースピード、F値を設定するときに適正露出になっているかをチェックしながら調整をしましょう。目盛りがマイナスに近づくほど暗く、プラスに近づくほど明るい写真になります。
露出をゼロに合わせると白飛び・黒つぶれが少ない写真に仕上げられるので、夜景の明るさに応じて
ISOなどを調節して適正露出(ゼロの目盛り)でシャッターを切りましょう。
撮影後にレタッチをする場合は、白飛び防止のため少し暗めで撮影するとよいでしょう。
ホワイトバランスで色を操る
露出補正では写真の明るさをコントロールしますが、ホワイトバランスでは”色味”を操ることで写真の印象を調整できます。
ホワイトバランスを太陽光(5000KBなど)に設定すると、肉眼で見るのと同じフラットな色合いになります。ビルの無機質さを表現したい場合は、ホワイトバランスを蛍光灯(4200KBなど)に設定するとクールな写真が撮れます。
一方でホワイトバランスを日陰(8000KBなど)に設定すると、ビルから溢れる明かりに暮らす人たちの生活を切り取った暖かい写真に仕上がります。
ISO感度で明るさを調節する
シャッタースピードを遅くしても十分な明るさにならないときは、ISO感度を上げて明るい写真を撮影しましょう。
ただし、ISO感度は上げすぎるとザラザラした不鮮明な写真になってしまいます。対称的に、三脚を 持っているときはシャッタースピードを長くし、できるだけISOを上げずに撮影すると滑らかな写真になります。
一方で、手持ち撮影のときは手ブレを防ぐためにISO感度を上げます。最近の一眼レフカメラやミラーレスカメラは高性能の機種も多く、ISOを上げてもキレイな写真を撮れるので、プレビュー表示を確認しながらちょうどよいISO値を探してみてください!
都会で美しい夜景写真を撮る3つのコツを伝授
場所と使用する機材
今回の記事を執筆するにあたって、大阪市北区にある市内が一望できる展望スポット、梅田スカイビルの「空中展望台」から大阪・神戸の夜景を撮影しました。
都会の中心地に限らず、展望台や天守閣など夜景を撮影できるスポットは全国各地に存在します。夜景は季節や天気に左右されず、いつでも撮影できるのでオススメです。夜景の撮影に行くときはカメラに加えて三脚とレリーズを持参することをオススメします。
手持ち撮影でシャッタースピードの長い写真を撮った場合、どうしても手ブレした写真になってしまいます。安価なものでも良いので、カメラをしっかりと固定して手ブレのしない写真を撮影するために三脚を持っておきましょう。
三脚にカメラを載せていても、カメラを触ってシャッターを切ると手ブレの原因になります。レリーズを使用することで、撮影のときの振動をカメラに伝えずに撮影できます。(レリーズがない場合はセルフタイマーを設定することで代用可能です。)
コツ① ビルの構図を意識する
乱立するオフィスビルの広がりを表現したいときは横向き構図の写真に、オフィスビルの高さを強調したいときは縦向き構図で写真を撮りましょう。
ビル群だけがいっぱいに映っていると、のっぺりとした写真になってしまいがちですが、一般道路や高速道路、線路など光の曲線を取り入れることで、よりダイナミックな撮影ができます。
また夜景全体を写真におさめるのではなく、あえてオフィスビルの一部分を切り取ることで、無機質なデザインの模様が印象的な写真を撮影することもできます。スマホの壁紙に設定してもオシャレです ね!
コツ② ビルに重厚感を持たせる
ビルの外壁のうちの一面だけを撮影すると、すらっと縦に長く伸びている様子を表現できるのに対して、外壁のうち二面を撮影することでビルのずっしりとした重厚感を表現した写真を撮影できます。
ほかにも高層ビル群とだけを1枚に収めるのではなく、周りの住宅街やマンションを写真の一部に取り入れることで、よりビルの重厚感や高さを強調したインパクトのある写真を撮影できます。
コツ③ 夜空とビルのバランスを変えてみる
縦向きの写真と横向きの写真、いずれにしても主題をきちんと強調するためには地上と空のバランスが重要です。
日が沈むマジックアワーに空のグラデーションを主題にした写真を撮影したい場合は、ビルの夜景よりも空を広く撮影した写真にするとよいでしょう。逆に、ビルの明かりが主題の写真を撮影するときは、空の範囲を狭くします。
撮影するシチュエーションや表現に合わせて、空とビル群のバランスを変えてみてください。
作例写真
トラブル防止!夜景撮影でのマナー
夜景の撮影ではトラブルを避けるため撮影場所で気をつけるべきマナーについてご紹介します。
三脚が使用できるスポットかを確認する
展望台によっては、三脚を使用した撮影やカメラを固定して撮影することが許可されていない場合があります。
三脚の使用が禁止されている施設には、あらかじめ注意喚起のために張り紙が貼られていることが多いですが、もし不安な場合は施設を管理している人や警備員の方に尋ねるようにしましょう。
人混みのときは周りに注意する
人気の撮影スポットで夜景を撮るときには、周囲に注意をして撮影しましょう。
三脚を移動させることやカメラの構図を変えるときにカメラのファインダーばかりを見ていると、どうしても周囲の様子に気づかないことがあります。特に三脚を移動させるときには周りに人がいないかを確認してから移動させるようにしてください。
立入禁止の場所には絶対に入らない
室内・屋外にかかわらず立入禁止の場所に立ち入ることや、柵を乗り越えて写真を撮影することは絶対に避けましょう。
施設が定めたルールに従わない場合、建造物侵入罪などで訴えられる可能性もありますし、なにより安全に撮影をするためにも撮影が許可されているスポットでのみ夜景を撮影するようにしましょう。
まとめ
この記事では、夜景を一眼レフカメラやミラーレスカメラで撮影するときのモードや設定方法、キレイに撮影するコツや注意点などについてご紹介しました。
昼間の撮影よりも難易度が高いと思われがちの夜景撮影ですが、三脚やレリーズといった機材を使ってマニュアルモードで正しい設定をしてシャッターを切れば、誰でも都会の夜を写真に切り取ることができます。
三脚を使用する際のマナーや周りの人に注意をしながら、マニュアルモードで自分好みの写真の明るさや色味に設定し、旅行先でとっておきの1枚を撮影してみてはいかがでしょうか?