#『冬の雰囲気を纏わせるフィルムの種類』|フィルムカメラの魅力 国分真央
はじめに
皆様こんにちは!国分です。
秋の季節が足早に去って、本格的に冬に向かっているこの頃ですね。
今回は、これから始まる冬に向けておすすめのフィルムの種類と作例をお見せします。
勿論、いつもの常用フィルムでも良いと思いますが、私が冬に撮ってきた中で、さらに冬らしく作品を演出できる種類をまとめたので、是非チェックしてみてください。
LomoChrome Color ’92 35mm ISO400
こちらのフィルムは昨年Lomographyから出た35mmカラーネガになります。
少し青みがかっている色が特徴で少し彩度が抑えられていることもあり、冬のひんやりした空気感や退廃的な雰囲気に仕上がるフィルムだと思います!
色合いは特徴的ですがC-41/CN-16で現像可能です。
ISOは400なものの、200くらいで測り撮るとさらにフィルムの存在感が浮き出るので、おすすめは200くらいで撮ってみることです。
個人的には開放で撮るより、少しF値を絞って撮ると硬質な感じがあって良かったです。
OLYMPUS PEN EESの詳しい記事はこちらにあります!
Kodak PROFESSIONAL PORTRA 400
言わずもがなのフィルムですが2本目はPORTRAです。
ISO160もあるのですが、冬は日照時間が短いので400を推させていただきました!
私としては、ざっくり言うと「なんかおしゃれな感じ」を演出したい時に選ぶことが多いです。笑
彩度は一定に保たれつつも少し温かみのあるような雰囲気が好きで、冬はよく使っています。
作例のようにすっきりとした冬の空や、部屋に差し込んできた光などを撮ると雰囲気が増します。
またポートレートとも相性が良いので様々なシーンで楽しめるフィルムです。
Kodak Ektar 100
3本目は引き続きKodak製のEktar 100になります。
ISOが100なので雪の降る日(雪が明るいため)がとてもおすすめで、滑らかな描写と透明感のある仕上がりにります。
金額的には少し高めにはなるのですが、雪が降った日の冬旅行など特別な日に是非使ってみてほしいです!
Ektarの詳細を書いた記事を再度載せておきますが、使用する際はなるべく一眼レフのカメラが好ましいです。
理由としては、コンパクトフィルムカメラでも勿論使えるものの、よりこのフィルムの質感や透明感を感じたいのであれば、自分で決めた被写体にピントを合わせることが大切だと感じます。
あとはやはり高いフィルムになるので大切に撮りたい気持ちもあります。
最後の作例は少し露出不足になってしまった失敗例です。笑
一眼レフ+更に明るいレンズであれば露出不足などもカバーできるので、お手持ちのカメラで撮れそうでしたら試してみてください!(私のこのレンズはF2がMAXの明るさでした)
Kodak Ektar 100の詳しい記事はこちらにあります!
ILFORD XP2 super 400
モノクロフィルムだとカラーフィルムより少し敷居が高いイメージがあると思いますが、こちらのフィルムはC-41現像対応と、カラーフィルムと同様の現像に対応しているので、おおよそのラボさんで現像のお取り扱いが可能になります。
私はよくこのフィルムを使うのですが、現像しやすいカジュアルさもあって、丁度良い階調とシャドウの暗さがお気に入りです。
モノクロのフィルムは他にも色々あるのですが、まだ使ったことがない方はこの1本から是非トライしてみてください!
低いコントラストなので木の影や細やかな影の再現性も見どころです。
おすすめのシーンとしては作例のような、建物に差す直線的な光や、雪の日、喫茶店などで撮ると味わいが増すと感じました。
最近一眼レフでこのフィルムを使っていないので、私も改めてこの冬使いたいフィルムです。
Color Negative Film 800T (番外編)
最後はColor Negative Film 800Tです。
こちらもタングステンフィルムですがC-41現像に対応しています。
と言いつつも状態があまり良くなかったのか、所々感光している部分もあります。(赤くなっている部分)
タングステンフィルム特有の光源が赤くなる部分だけで良かったのですが、フィルムの状態によってはこんなアクシデントも!
ただ、同じようにもう撮れないのがフィルムの良さでもあるので、これはこれで唯一無二の写真になったかと思います。
夜のストリートスナップなどで活躍してくれると思いますが、こういったアクシデントもあるので、寛容な心でタングステンフィルムを使ってみたい方は是非。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は冬に向けておすすめのフィルムや作例を書かせていただきました。
私の考えとしては季節に合わせて服装を変えるように、フィルムも季節に合わせてコーディネートするような気持ちで選ぶことを楽しんでいます。
まだ使っていないフィルムなどありましたら、この機会に是非試してみてください!
それでは!
■写真家:国分真央
1990年 東京都生まれ。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に東京都から山梨県に移住する。書籍の表紙や広告写真、CDジャケットなど幅広いジャンルで活躍中。独特な色合いと自然が溶け込むような写真が特徴で、独自の世界観を作り上げる。近年はフィルム写真での撮影にも力を入れ、執筆活動も行っている。