#『春到来!花や植物を使ったおすすめの撮り方』|フィルムカメラの魅力 国分真央

国分真央
#『春到来!花や植物を使ったおすすめの撮り方』|フィルムカメラの魅力 国分真央

はじめに

皆様こんにちは!国分です。
最近暖かい日が増えて、春の花がほころび始めましたね。

今回は春に向けてフィルムカメラでの花や植物を使ったおすすめの撮り方や、組み合わせなどをご紹介します。
また撮影に対しての一連の流れやバランス感なども振り返っていますので、お出かけ日和に是非試してみてくださいね。

花を主役に陰影を意識

■機材:Nikon F3
■フィルム:LomoChrome Color ’92 35mm ISO400
■Model: yue

まず花をメインにする撮影も全然アリですので、暖かい時期は好きな花を見つけに出かけることが多いです。
1枚目は雪柳なのですが、背景に陰影がある場所を選び立体感を意識しました。
花に光が当たっているものを選ぶと透け感も出て、特に綺麗だと感じます。

また”陰影”という意味では花単体だけではなく、ポートレート撮影の場合は顔や手などにかかった花や、花の影などを入れるとより印象的になります。光の向きに気をつけながら是非ポートレートなどにも取り入れてみてください。
ピントは、モデルさん自体に合わせるのも良いですが、植物や花ピントでも素敵だと思います!

手と花を組み合わせてみる

菜の花を前ボケに取り入れつつ撮影
早咲きの桃の花と手を撮影
■機材:Nikon F3
■フィルム:LomoChrome Color ’92 35mm ISO400 / Lomography Color ’92 Sun-kissed 35mm ISO400

ポートレート撮影をした際、私はモデルさんの顔ばかりではなく、その時の環境や手などのパーツなども合わせて撮ることが多いです。
理由としては写真集やWEBメディアでまとめて複数枚掲載する場合、顔だけだと単調なリズム感になるので、モデルさんの手や植物など周りの環境を取り入れながら撮影します。

作例のように優しく包み込むような両手パターンや、花に触れるか触れないか程度に片手でかざすような構図など、様々な表現ができる手は花と相性が良いと言えます。

花×〇〇で多重露光に挑戦

■Model :くわはら ひなた
■機材:Nikon F3
■フィルム:LomoChrome Color ’92 35mm ISO400

花単体やポートレートとの組み合わせに慣れてきたら、フィルムカメラで多重露光に挑戦するのもおすすめです!
多重露光ができる機材が必要ですが、すでにお持ちの方やこれから購入を考えている方は是非挑戦してみてください。

上の作例はポートレートとの組み合わせ。下は同じ花での撮影をしつつも、1枚目は影の撮影➝2枚目は花本体の撮影で多重露光写真を撮ってみました!

多重露光の撮影には影の部分を意識するバランスやコツが必要ですが、慣れれば唯一無二の作品づくりができると思います。

■機材:Nikon F3
■フィルム:Kodak GOLD200

次の組み合わせは手持ちの洋書と薔薇で多重露光をしてみました。
こういった物との組み合わせも、多重露光で撮ると特別感が増します!

洋書などは蚤の市や古本屋さんで購入しています。
物撮りの撮影で私はよく使うので、まだお持ちでない方は小道具探しも作品づくりのひとつとして楽しんでみてください!

水辺や遠景を合わせた花の風景写真

■機材:Kodak FunSaver
■機材:Nikon F3
■フィルム:Kodak PORTRA 400 / Kodak ULTRAMAX 400

次ですが、花と水辺の相性もとても良いです。
水辺に咲いている桜や水面に流れる花びらなども写してみましょう。直接的な被写体ではなくとも季節感を十分残せると思います。

また遠景で、花と全体的にその街の風景を取り入れると複数並べたときに余白が生まれます。
ポートレートや花単体・多重露光なども撮りながら、こういった季節の遠景も撮っておくと全体的なバランスが良くなります。
こういった遠景を写す場合は、構図などにも気を配りながら撮ると完成度が増しますのでぜひ!

自宅で季節の花と向き合おう

■機材:Nikon F3
■フィルム:LomoChrome Color ’92 35mm ISO400

なかなか春に出かける時間が取れない方は、その季節の花を購入して家で撮影するのも良いと思います!
私は先程の洋書やお気に入りの花器に入れて撮影し、その時々を楽しんでいます。
花に寄って撮影したり、少し物撮りのような感覚で小道具などを取り入れ、自然光で撮ることが多いです。

おわりに

今回はこれからの暖かなシーズンの被写体としてぴったりな花の撮り方や、おすすめの組み合わせなどをご紹介しました。
ポートレート・物撮り・風景など色々なシチュエーションに組み合わせてみてくださいね!
それでは。

 

 

■写真家:国分真央
1990年 東京都生まれ。映像制作会社や写真事務所を経て独立。2020年に東京都から山梨県に移住する。書籍の表紙や広告写真、CDジャケットなど幅広いジャンルで活躍中。独特な色合いと自然が溶け込むような写真が特徴で、独自の世界観を作り上げる。近年はフィルム写真での撮影にも力を入れ、執筆活動も行っている。

 

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