どちらが好み? Kodak GOLD200とColorPlus200を撮り比べ|フィルムの世界を楽しもう
はじめに
こんにちは。kanakoです。
今回は「Kodak GOLD200」と「Kodak ColorPlus200」を使った記事です。これらのフィルムは暖色で黄色味が強いのが印象的で、パッと見は色味が似ています。こちらの2つのフィルムの使い分けについて書いていきます。最後まで見てもらえたら嬉しいです。では、さっそく見ていきましょう。
Kodak GOLD200 と ColorPlus200 の基本情報
Kodak GOLD200 | Kodak ColorPlus200 | |
フィルムの種類 | 35mmカラーネガフィルム | 35mmカラーネガフィルム |
ISO | 200 | 200 |
製造国 | 米国製 | 米国製 |
撮影可能枚数 | 24枚, 36枚 | 24枚, 36枚 |
価格 ※価格は執筆時点でのカメラのキタムラ税込価格 | 2,250円(税込み) | 1,780円(税込み) |
特徴 | 暖色 ハイライト黄色 青や緑の彩度 屋外で使用できる 粒子が細かい シャープな写り |
暖色 ハイライト黄色 自然な彩度で癖が少ない 屋外で使用できる なめらかな粒子 淡い写り |
3年前までは、36枚撮りが700円程で購入できていたようです。現在はその当時の2倍以上の値段になっており、1枚1枚丁寧に撮影するようになりました。暖色で写りが似ているところがありますが、細かく特徴を調べてみると色彩や質感が違っています。
使用機材紹介
◇CONTAX T2
1990年に発売され、世界的に大ヒットし今も人気の高い高級コンパクトカメラです。このカメラはカール・ツァイスのレンズを備え、自動でフィルムの装填や巻き上げをしてくれます。チタン製の外装で、お洒落かつどんなシチュエーションも撮影することができ、使い勝手抜群です。また、フラッシュ撮影が可能で、暗い場所でも使うことができます。
◇Canon A-1
1978年に発売されたカメラで、AE-1に始まるAシリーズ一眼レフカメラの最高級機種と言われています。このカメラの一番の特徴が撮影モード(シャッター優先、絞り優先、プログラムAE)があり、失敗することなく撮ることができるカメラです。柔らかくしっとりとした質感が特徴です。ボディは黒色塗装仕上げでレトロ感を感じられます。
使い分け
◇Kodak GOLD200
ハイライトの黄色、肌色や青・緑の彩度、シャープさが特徴です。その為、ポートレートや風景写真をCONTAX T2で撮影しました。CONTAX T2はシャープな写りが特徴で、よりこのフィルムを生かせると考えました。
◇Kodak ColorPlus200
ハイライトの黄色、淡い写り、自然な彩度で癖が少ないことから日常やスナップ写真に、より向いていると考えCanon A-1で撮影しました。Canon A-1は柔らかくしっとりとした質感でフィルムとマッチすると考えました。
作例
では作例をご覧ください。
※カメラのキタムラで現像&データ化しました。
Kodak GOLD200 × CONTAX T2
ハイライトの黄色味が暖かさをもたらす
朝陽や夕陽を撮ることが多いです。
湖を散歩していると、木々の間から水面に反射した西陽が綺麗でした。逆光での撮影でしたが、空も水面やハイライトの色味もしっかり出ています。
大好きな阿蘇で朝活をした時に撮影した1枚。
牛たちの左側から入ってきた光と草原の影が創り上げるワンシーン。強い光でも弱い光でもない程よい光の色加減が魅力的です。
自然な肌色
広大な景色を自由自在に切り取れるので海での撮影をよくしています。冬の海で百合の花を使って撮影しました。
肌色の発色(黄色)が綺麗で、ナチュラルな印象です。
左頬の色味も黒潰れせず色が残っています。
青や緑色の鮮やかな発色
(緑の色彩)
雪が降った日、湖に行くまでの道なりで撮影しました。山や家に囲まれた畑に雪が積もった野菜を見つけ、「なんかいいな」を残しました。
緑色の鮮やかさが、野菜たちを引き立たせてくれているように思いました。
(青のグラデーション)
湖を眺めていると泳いでいた紅白の鯉。
空を映す水面のグラデーションが滑らかで鯉への視線誘導をしているかのようです。
緑・赤・青と原色が集まった1枚ですが、全体の色味が調和しています。
シャープな描写で風景を切り取る
雪が降った朝、フラッシュを焚いて撮影しました。
木の間にはうっすらと石橋が見えます。
この日は、太陽の光もなく寒色の色味となりました。
雪や木、橋の輪郭まではっきりと写っています。
温泉街を車で走っていると見つけた景色。
山と家の高低差が面白いなと思い車を停め、撮影した1枚です。
山の細かい質感も繊細に表現しているシャープさに驚きました。
Kodak ColorPlus200 × Canon A-1
淡く柔らかみのある描写
初詣に行った際、門から見える景色に特別感を感じ、ピントを合わせ撮影しました。暖色で温かみのある描写が、日常を彩っています。
暖色寄りの写真が好きな方には、おすすめのフィルムです。
神社の門で見つけた光と影。
なかなかこの感じの光と影には出会えないので嬉しく感じ撮影しました。
光も影も柔らかく捉えられているのは、このフィルムならではの魅力かと思いました。
癖が少なく使いやすい
白系のワンピースを衣装として使うことがあります。
その洗濯ものを干していた時に撮影した1枚です。
室内の為、絞りは開放で撮影しています。
普段見過ごすような日常を大切にしたくなる写真です。
1900年頃に建てられた校舎。
止まった時間と進んでいく時間を撮影しました。
GOLD200と比較すると控えめな緑色が印象的です。
この時の空気感まで写し出しています。
この校舎で見つけた誰かが忘れたのであろう傘。
見た瞬間、傘を照らしているかのような不思議な感覚でした。
このフィルムは色味に癖がなく、スナップ写真も見たままを残してくれます。
ノスタルジックな色味でレトロ感を
喫茶店で食べるモーニングが好きで、喫茶店巡りをよくしています。
喫茶店の光は暖色な場所が強く、色かぶりをしてしまうことが多々あります。Kodak ColorPlus200だと、色かぶりすることなく撮影できます。
背景のボケ感も出したく、テーブルの端にプレートを置いて撮影しました。
レジ周りの背景までこだわりが詰まっている喫茶店。どこか懐かしさのある1枚です。
レトロ感のある場所にすごく合うフィルムだなと実感しました。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は、『Kodak GOLD200とKodak ColorPlus200の使い分け』についてご紹介しました。
どちらも風景・日常・ポートレートなど撮影できる万能なフィルムです。
個人的にGOLD200で撮る自然な景色、ColorPlus200で撮るレトロ感が好きです。
その好きを分析していくと、『GOLD200のシャープさ、緑や青の発色、ハイライトの黄色味』『ColorPlus200の淡く柔らかい描写、ノスタルジックな色味』がワンシーンを創り上げているのではないかと考えました。
この分析したものを生かし冬の景色や冬の日常、スナップを撮影しました。
現像後、写真を見てみるとGOLD200では原色同士が集まった写真でも色味が調和されていることに感動しました。ColorPlus200では柔らかい描写がさらに日常に温かみを加えているように思いました。
是非、皆さんも使い分けを楽しみながら撮影なさってください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
■写真家:kanako
1995年生まれ、長崎県出身。2020年、Canon fotomoti×curbon主催の次世代スター発掘キャンペーンにて、次世代スターに選出。陰影をテーマとしたポートレートを中心に独自の世界観を演出している。