CONTAX T2|撮りたい瞬間を逃さず、一台で何でも撮れるカメラだった
「CONTAX T2」とは?(基本情報)
「CONTAX T2」は、1990年に発売され、世界的に大ヒットし、今も人気の高い高級コンパクトカメラです。このカメラは、カール・ツァイスのレンズを備えています。チタン製の外装で、お洒落かつどんなシチュエーションでも撮影できる魅力的なカメラです。早速このコンパクトカメラの詳細を見ていきましょう。
型式 | 35mmレンズシャッター式ストロボ内蔵 自動焦点AEカメラ |
画面サイズ | 24×36mm |
レンズ | カールツァイスT*ゾナー38mmF2.8 |
絞り | F2.8~16 |
撮影範囲 | 0.7m~∞ |
シャッター | 絞り優先プログラムAE電子シャッター 電子レリーズ方式 |
シャッタースピード | プログラムAE時:1秒~1/500秒 |
フィルム感度 | 自動セット |
ピント合わせ | フォーカスダイヤルによるオートフォーカス、マニュアルフォーカス切り替え式 |
ストロボ | フラッシュマチック方式(赤目軽減プリ発光機能付) |
撮影距離 | 0.7m~3m (ISO 100) |
フィルム装填 | オートローディング式(自動空送り機構付) |
フィルム巻き上げ | 自動巻き上げ |
電池 | 3Vリチウム電池(CR123AまたはDL123A) |
重量 | 295g (電池別) |
電池を入れる段階で「電池ぶた」がしっかりはまっていないと、電圧不足となり撮影可能枚数まで撮る前に、巻き取られてしまうことがありました。電池ぶたがはまっているか撮影前に再度確認することをおすすめします。
使い方
ダイヤルをAFに回すとスイッチがONになります。撮影範囲は、0.7m~∞の距離で撮影可能です。
レンズの絞りリングを回して絞りをセットします。このときファインダー内には、絞りに応じたシャッタースピードが表示されます。
AEロック
シャッターボタンを半押しすると、その時の露出が固定される機能(AEロック)が入っています。特に画面の中心以外の被写体に露出を合わせたいときは、合わせたい被写体にカメラを向けて、シャッターボタンを半押しした後、構図を変えてシャッターを切るとAEロックした被写体に露出が合います。
マニュアルでピントを合わせ
今から、ファインダーの中を覗いてみましょう。マニュアルでピントを合わせを紹介します。
ファインダー内表示画面下に右向きの赤い三角が出てきた時は「後ろピン」になっています。フォーカスフレーム内の被写体よりも遠方にピントが合っている事を表しています。
ファインダー内表示画面下に緑の丸が出てきた時は「合焦」になっています。フォーカス内の被写体にピントが合っている事を表しています。
ファインダー内表示画面下に左向きの赤い三角が出てきた時は「前ピン」になっています。フォーカス内の被写体よりも手前にピントがきている事を表しています。
このように、マニュアルでピントを合わせることで、「中抜け」を防止することができます。
作例の紹介
今回は、それぞれの作例も交えてCONTAX T2の魅力についてお伝えします。
自然
北海道ニセコの朝。木の伸びる影と白樺に隠された緑の木を撮りたく、シャッターを切りました。逆光でも、白飛びせず撮ることができます。
山梨県の花の都公園で撮影した1枚です。手前のオレンジのコスモスにカメラを近づけ前ボケを活かし、奥のコスモスや山に視線誘導を試みました。
雪も降るほど寒かった冬の海での1枚です。光芒が出ているのに気づき、慌ててシャッターを切りました。一瞬の逃したくない瞬間も、思い出に残すことができます。
秘境の地を訪れた際に撮影した1枚です。木々のリフレクションが魅力的でした。また、明暗のバランスもこのカメラだから捉えることができたと思います。
建物
北海道の朝。赤の雪かきや屋根、扉のガラスに映る景色に一目惚れし撮影しました。気温は氷点下で、手もかじかんでいましたが、オートフォーカス機能で手軽に撮影することができました
上を向くと、氷柱に気づき撮影した1枚。3メートルほど距離がありましたが、氷柱にピントを合わせることができました。
山梨旅行で宿泊先の玄関。光と影が印象的でシャッターを切りました。温かみのある柔らかい描写で、とてもお気に入りです。
宿泊先で早朝に撮影した1枚。窓から差し込む光に心が躍りました。中心の窓部分にピントを合わせ、撮影しました。
人物
光とかげ
街を歩いている時に、見つけた場所。大きな木の影が印象的でした。光と影も適正露出で撮影できるので、目で見たままの世界を映してくれます。寄りと引きどちらも撮ることができます。
フラッシュについて
北海道で雪の降る夜に、フラッシュを焚き撮影しました。フラッシュを焚くことで、幻想的な世界を創ることができました。モデルさんの投げるタイミングと合わせて、シャッターボタンを押しました。
動いてるものは置きピン/手元も撮れる
桜の季節に、友達夫婦を撮影した時の写真。先に構図を決め、次に桜のトンネルの奥にピントを合わせ、歩いてもらいました。動きがあっても、狙った位置で撮影することができます。手を重ねた写真は、婚約指輪と小物を入れて手元を撮影しました。ピントを中心の指に合わせ、撮影しました。
シルエット/ピンボケ
夕日を背景に、煙草を持つ女性。引きのものは夕景に露出を合わせ、モデルさんはシルエットで表情の隠された1枚。寄りの写真は、手にピントを持ってきたつもりでしたが、「中抜け」しています。雰囲気のある写真にはなりましたが、狙ってピントを合わせたいものがある際は、マニュアルフォーカスで合わせることをおすすめします。
「中抜け」・・・被写体ではなく、背景にピントが合っている状態。
日常・スナップ
お気に入りのお店で撮影した1枚。斜光で、白壁に映る椅子の影が印象的でした。映っているものは多いですが、構図を整理しスッキリとした写真を撮ることができました。
旅先に新幹線で向かう途中に撮影した1枚。窓奥の景色にピントを合わせ、電信柱や電線と被らないタイミングを狙いシャッターを切りました。鉄塔の前ボケが、新幹線が動いていることを現しています。
北海道の朝、ガラス越しに本を読む友人を撮った1枚。影を作り、自分が反射しないようにしました。38mmなので、ちょうどいい画角でガラス越しのスナップ写真を撮ることができます。
秋に足元を撮影した1枚。色とりどりのカエデに感動し、シャッターを切りました。シャドウ部分のカエデも黒潰れすることなく、色鮮やかに映すことができました。
まとめ
・手軽に撮影することができるので、旅行にも最適
・どんなシチュエーションも撮影できる
・フラッシュ撮影ができるので、暗い場所でも使える
・撮りたい瞬間を逃さない
・光と影を捉えることができる
・AFとMFを使い分け、狙ったものにピントを合わせる
上記のことから、この1台で色んなシチュエーションを撮れるカメラです。是非、使ってみて体感してみてください。