煌びやかな街並みを幻想的に!雨の日の夜景撮影テクニック

あらぽん
煌びやかな街並みを幻想的に!雨の日の夜景撮影テクニック

はじめに

初めまして。シティスケープフォトグラファーのあらぽんと申します。
私は雨の日の夜景を撮影するのが好きで雨降る夜は毎回カメラを持って光輝く都心を撮影しています。
今回は雨降る夜が好きな理由や雨天時の撮影方法などをみなさんに紹介して、雨の日の撮影が好きになってもらえたら嬉しいです。

街を煌びやかに撮影する方法

■撮影機材 LUMIX S1 + SIGMA 85mm F1.4 DG DN
■撮影環境 85mm・F1.4 ・ISO1000・1/250s

阿佐ヶ谷で撮影した作品。
看板や街灯の光が雨で濡れた地面に反射されるので雨が降っていなければ撮れない作品です。
街を煌びやかにするには、空を入れないようにしてみてください。黒い空を入れてしまうと空白が生まれバランスが悪くなるので空を入れずに雨で濡れた地面や街灯など、光っている部分だけを撮影することでバランスが良くなります。それに加えてバランスが良いと思う位置に車や人を入れるとスケール感も感じられてより良い作品になります。

シャッタースピードで雨粒の表現を変える

■撮影機材 LUMIX S1 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境 24mm・F2.8・ISO1600・1/25s

台風が直撃した深夜の銀座の作品。
このぐらいの豪雨になると景色が一変します。カメラの設定を変えることによって実際目で見える景色や絶対に目では見えない写真を収めることができます。それは「シャッタースピード」です。この写真では1/25sとかなり遅いシャッタースピードで撮影していますが、シャッタースピードを遅くすることによって雨の動きを捉えることができます。光がある所であれば雨がより強調されるので車のライトや街灯がある所を選んで撮影してみるとより臨場感が増します。

■撮影機材 LUMIX S1 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境 30mm・F2.8・ISO1600・1/1000s

次はシャッタースピードを1/1000sで撮影した秋葉原の作品。
銀座の写真とは違い、雨粒を完全に止めて撮影しています。これは目では絶対に見えないのでカメラでしか撮れない写真になります。雨粒を完全に止めて撮るにはシャッタースピードを1/500〜1/1000まで早くする必要があります。なので光が強い場所を選びF値が低い単焦点レンズなどを使うとISO感度も上げずに済むのでノイズのない綺麗な写真が撮れます。

リフレクションの撮影方法

■撮影機材 LUMIX S1 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境 40mm・F5.6・ISO1600・0.4s

晴海臨海公園 水辺のテラスでの作品。
雨が止んでしまってもリフレクションの撮影ができます。メインにしたい被写体が入るぐらいの大きめの水溜りを見つけて、できるだけ無風の時に撮影してみましょう。 風が吹いて水溜りが波打っているのもかっこいいですが、完全に水面鏡になっているのも不思議な写真が撮れて楽しいです。

■撮影機材 LUMIX S1 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境 24mm・F5.6・ISO1600・1/13s

大宮で撮影した作品。
狭くて暗い路地裏のリフレクションの撮影では光っている部分がはっきりと映し出されています。
この場所も道全体が水溜りに覆われるぐらいの大きな水溜りだったので思いっきりカメラを水溜りに近づけて広角で撮影しました。水たまりにもうひとつの世界があるような印象的な写真が撮れます。

ストロボを使用し雨粒を幻想的に

■撮影機材 LUMIX S1 + SIGMA 85mm F1.4 DG DN
■撮影環境 85mm・F1.4・ISO6400・1/100s

ストロボを使って晴海臨海公園で撮影した作品。
モデルの約1m後ろにストロボを設置します。その際ストロボ用の三脚を使い、モデルの背中の中心までストロボを持ち上げます。カメラも大体ストロボと同じ高さでストロボがモデルの真後ろに来るように設置します。
設置が終わったらストロボとカメラを連動させて適正な露出を設定して撮影します。
普通はシャッタースピードが遅くてもストロボの一瞬の光(フラッシュ)で雨粒を写すことができますが、今回はモデルがジャンプしているのでシャッタースピードを1/100sに設定してブレない様にしました。
後ろから光を当てているだけで正面は全く光が当たってないので正面方向もモデルを照らしておく必要があります。
普通に撮るポートレートとはまた違って印象的で迫力のある作品になるので、このような表現に興味がある方はストロボを一台もっておくと撮影の幅が広がると思います。

雨の日ならではの流し撮り

■撮影機材 LUMIX S1 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境 24mm・F2.8・ISO100・1/10s
■Photoshop使用

新宿 歌舞伎町で撮影した作品。
雨の日は新宿や渋谷など、夜でも明るい所で流し撮りをすると、地面も光っているので流し撮りをしても雨が降っている感じが伝わり、艶感がでるので流し撮りをするなら雨の日もおすすめです。
流し撮りを撮る時、物体の速度によってシャッタースピードを変えていて、連写モードにして撮りやすい様に横構図で撮って後にLightroomで縦構図にトリミングしています。
車の速度が早かったり遅かったりする場合もあるので、シャッタースピード1/10sで車にバッチリピントを合わせて撮るのが非常に難しいです。あまりにも難しければシャッタースピードを徐々に早くして撮影してみてください。

雨の日のボケ写真

雨の日のボケ写真は濡れている地面もイルミネーションの様に輝いてくれて、より被写体を際立たせ豪華に見せてくれます。

■撮影機材 LUMIX S1 + Voigtlander 40mm F1.4 MC
■撮影環境 40mm・F1.4・ISO640・1/500s

上の作品は持参したストロングゼロを光が当たっている所に置いて撮影しました。
ストロングゼロにだけ光が当たっていて背景は暗いですが、雨が降っていることによって街灯の光が地面にも反射して沢山の玉ボケを捉えることができます。ここでも光が反射するぐらいツヤツヤしている地面や水溜りが多い場所を選ぶと綺麗な玉ボケ写真が撮れます。

■撮影機材 LUMIX S1 + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN
■撮影環境 14mm・F2.8・ISO1000・1/60s

煌びやかな地面や水溜りが見当たらなければ、マンホールを探してみましょう。
雨の日のマンホールは煌びやかでボケ写真が撮りやすいです。F値は開放にして最短撮影距離でピントを合わせて撮るとよりボケ味が増します。マンホールの模様によっては小さな玉ボケが出来ることもあるので良い模様のマンホールを探してみてください。

■撮影機材 LUMIX S1 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境 45mm・F2.8・ISO640・1/80s

展望台来たのにいきなり雨が降り出して綺麗に夜景が撮れない!となった場合は思い切ってボケ撮影に切り替えてみてはどうでしょう。
本来撮ろうと思っていた夜景ではなく、水滴にピントを合わせることによって綺麗な玉ボケになり、ロマンチックで映画のワンシーンのような写真に仕上がります。
せっかく入場料払ったのに何も撮れないで帰るのはもったいないので雨を活かして色々工夫してみるのも楽しいと思います。

おわりに

雨の日を好きになっていただけましたか?
雨が降っていない時に撮影した夜景を今度は雨が降っている時に行ってみてください。同じ場所なのに、より輝いて見えて美しく感じると思います。実際私は雨が好きになりすぎてほぼ雨の日にしか撮影に行かないようになってしまいました。
雨ストリート、リフレクション、ストロボ撮影、流し撮り、ボケ写真と、撮影の幅が広がると思うので、是非雨の日に撮影に行ってみてください!弱い雨でも十分景色が変わるのでカメラ濡らすのが怖いという方、単純に雨が嫌いな方は弱い雨の日から撮影してみてください。
だんだん強い雨が恋しくなって、いつの間にか台風の日にまでカメラ片手に撮影に出かけているかもしれません。(カメラが濡れないように防水対策をしての撮影をおすすめします)

最後まで読んでいただきありがとうございました!
少しでも雨の日撮影してみたい!と思ったらこの記事を参考にしていただけると嬉しいです。

 

 

■写真家:あらぽん
1997年埼玉県生まれ。都会のスナップや自然風景を中心に撮影している。フォトコンテスト入賞や企業案件、アンバサダーなど写真活動の幅を広げている。

 

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