キヤノン「EOS R5」&「EOS R6」の先行展示会で「R」新時代の息吹を感じる
【この記事の目次】
はじめに
2020年7月9日にキヤノンからミラーレスカメラのEOS R5とEOS R6及びエクステンダー含む6本のレンズと複数のアクセサリーが発表となりました。EOS R5の開発発表から約5か月、途中ティザーサイトが立ち上がり、待ち遠しく待つ中、満を持してそのベールを脱ぐ日が訪れました。
筆者は発表の5分前からこのティザーサイトのカウントダウンを立ち上げて見ており、3桁が2桁に、2桁が1桁になり、「0」が8つ並んで少しすると、オンライン発表会『Canon EOS Presentation』が始まり、久しぶりに興奮して体が熱くなるの感じました。ライブ配信でしたので、youtubeではチャットで数多くのコメントがタイムラインを流れて行き、その同時視聴数もさることながら今回発表された製品の期待の高さを感じました。
『Canon EOS Presentation』を見逃した方はアーカイブコンテンツをこちらからご覧頂けます。
https://www.youtube.com/watch?v=U1zYzxqX2GE
キヤノン品川ショールームでの先行展示会の抽選が当たりましたので早速行ってきました。今回新たに搭載されたボディ内手振れ補正やダブルスロットなど、注目機能満載の実機に触って感じたことなど交えてEOS R5とEOS R6を紹介して行きたいと思います。
EOS R5とEOS R6の外観とその特長
EOS Rと比較すると寸法はほぼ同じで、気持ち高さが低くなり、横に広がった印象です。質量も手で持った感じではあまり差はなく、高性能になった分、EOS R5は気持ち重くなっています。
・EOS R5の寸法と質量:寸法138.5×97.5×88.0、質量(本体のみ)約650g
・EOS R6の寸法と質量:寸法138.4×97.5×88.4、質量(本体のみ)約598g
・EOS R の寸法と質量:寸法135.8×98.3×84.4、質量(本体のみ)約580g
EOS Rではセンサー部分をシャッター幕が覆っていましたが、EOS R5/EOS R6では開閉を設定で選択できるようになりました。
EOS R5、EOS R6では軍艦部のレイアウトが異なります。EOS R5の右肩には設定を一目で確認できるバックライト付きのドットマトリクス表示パネルがついており、EOS R6の同じ場所には直感的に撮影モードを切り替える事が出来るように、モードダイヤルがついています。
EOS R5/EOS R6のバッテリーはLP-E6NHで、EOS Rで使用していたLP-E6Nから大幅に容量をアップしています(1865mAh→2130mAh)。LP-E6NHとLP-E6Nは互換性があるようですので、EOS Rユーザーの方が買い替えを検討されている場合、少し安心ですね。
EOS Rは平面的なマルチファンクションバーでの操作でしたが、EOS R5とEOS R6ではジョイスティック形状の立体的なマルチコントローラーの採用をしています。またその他3つの電子ダイヤルの採用もあいまって操作性がとても良くなったのを感じました。
R5とR6の共通の特長として、EOS初のボディー内5軸手ブレ補正機構を搭載してます。更に手ブレ補正機構を搭載したシネマレンズを除く全てのEF /RFレンズを装着した場合、カメラとレンズの協調ISにより8.0段※1 の補正効果実現しています。ショールームで実際に試しましたが、被写体がぴたっと止まり、驚くほど揺れがないのを実感しました。今まで三脚を必要とした撮影に、軽装備で出かけて手持ち撮影が出来るようになることで、撮影表現の幅を広げてくれること間違いなしだと思います。
また進化した「デュアルピクセル CMOS AF II」がAF性能を向上させ、RF24-105mm F4 L IS USM装着時に世界最速の0.05秒※2というAFスピードを誇り、高精度な追従性能に加え、測距エリアは最大で縦横100%を実現しています。またディープラーニング技術を用いて被写体認識を向上させることで人物の瞳は更に小さくても、顔は横向きでも認識し、頭部までも認識出来るようにする事で各段にAF精度が向上しています。動物(犬/猫/鳥)の場合でも瞳、顔、全身を認識することで、高精度に捉えることを可能にしています。
※1 CIPA試験基準。RF24‐105mm F4 L IS USM、f=105mm時。
※2 2020年7月8日現在発売されている35mmフルサイズ相当の撮像素子を搭載したレンズ交換式デジタルミラーレスカメラの撮像面位相差AF及びコントラストAFにおいて(キヤノン調べ)
EOS史上最高の解像性能を誇るEOS R5
EOS R5はキヤノン伝統の『5』の数字を掲げるカメラで、今回からはハイエンドミラーレスカメラの位置づけとなっています。約4500万画素のCMOSセンサーと映像エンジンDIGIC Xが合わさる事でEOSシリーズ史上最高画質になります。高速連写は電子シャッター時にAE/AF追従で最高20コマ/秒、メカニカルシャッター/電子先幕による撮影時はAE/AF追従で最高12コマ/秒の高速連写を行うことが可能です。
EOS Rシリーズ待望のデュアルスロットとなり、CFexpressカードとSDカード(UHS-II)のデュアルスロットを搭載しています。
動画撮影機能は世界初※3 の8K30P での撮影を可能とし、RAWでの内部記録ができます。クロップなしの撮影ができるので、広角レンズの特性を存分に活かせます。4Kは4K60Pに加えて、高画質なスローモーション撮影が可能な120Pにも対応しています。
※3 2020年7月8日現在発売済みのキヤノン製レンズ交換式カメラにおいて。キヤノン調べ。
ファインダーは約576万ドットの0.5型でフレームレートは119.88fpsになります。実機で試してみると、とても視認性がよく、カメラを横に振っても、滑らかに被写体がついてくるのを感じました。
電源入れて、撮影準備するまでの起動時のスピードはEOS Rが0.9秒だったのに対して、EOS R5(EOS R6も同様)は約0.4秒になっています。実際試してみると、その速さを体感しました。取材用カメラとしてEOS Rを使うことがあり、それが当たり前の起動スピードと感じており、特に遅いと思った事は一度も無かったのですが、EOS R5の電源ONにした後の、起動スピードの速さにびっくりしました。この速さを知ってしまうと、もう元には戻れない感覚を覚えました。
EOS R5とEOS R6の両方に使える、縦位置バッテリーグリップの「バッテリーグリップBG-R10」 と、EOS R5用の縦位置バッテリーグリップ機能を装備したワイヤレストランスミッターの「ワイヤレスファイルトランスミッター WFT-R10B」の画像です。
外観はとてもよく似ていて、ぱっと見の違いは、ワイヤレスファイルトランスミッター WFT-R10Bの方が縦位置で握った際の小指の下が抜けていないくらいに見えます。
フルサイズミラーレスの新標準 EOS R6
約2010万画素のフルサイズCMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」搭載により、優れた高感度性能と、高速性能を実現しています。こちらのCMOSセンサーはEOS-1DX MarkIII搭載センサーをベースにEOS R6用にカスタマイズしたものになります。
EOS R5と異なりEOS R6は画素数では大きく劣りますが、その分画素ピッチを大きく利用して、EOS-1DX MarkIII同様、高感度性能に優れ、常用ISO感度はISO100~102400まで撮影が可能です。AFは最高-6.5EVの暗さでも被写体を補足してピントをあわせてくれます。
連写性能はEOS R5と同等の電子シャッター時にAE/AF追従で最高20コマ/秒、メカニカルシャッター/電子先幕による撮影時はAE/AF追従で最高12コマ/秒の高速連写を行うことが可能です。
メディアは(UHS-II)×2のデュアルスロットを搭載しており、待望のダブルスロットになる事で、プロ及びハイアマチュアの方でも、満足頂ける仕様になったのではないでしょうか。
ファインダーは約369万ドットの0.5型、フレームレートは119.88fpsになります。実機で試してみると、スペック上はドット数がEOS R5に劣るものの、こちらでも十分被写体をクリアに見ることができました。
起動時間はEOS R5と同様約0.4秒となります。急に訪れたフォトジェニックな瞬間もしっかり捉えることが出来そうですね。
さいごに
EOS Rも十分に先進的なカメラでしたが、もっとハイスペックなフルサイズミラーレスカメラが出るまで、待ちにまったキヤノンファンの方が多くいらっしゃるのを良く聞き、ネット上の書き込みで見て感じていました。今回待望のEOS R5、R6が正式発表され、そのスペックの高さに満足された方も多くいらっしゃるのではないかと思います。今現在もEOS R5を購入するか、EOS R6を購入するか、迷われている方も沢山いらっしゃるかと思いますが、皆様にとってそれらの選択が最良のフォトライフをおくれるように切に願っております。
EOS R5、EOS R6と他カメラとのスペック比較
「EOS R5」と「EOS R6」、「EOS R」、「ソニー α7R IV」、「ソニー α7 III」の価格や主要なスペックの比較表をこちらのページで紹介していますので是非ご覧ください。