Film初心者でも失敗しないカメラ「Canon A-1」でFilmの世界を楽しもう
はじめに
こんにちは。Kanakoです。
今回は、「Canon A-1」を使った記事です。このカメラの使い方や魅力を作例と共にお伝えしたいと思います。今まで露出で失敗し、真っ白や真っ黒の状態で現像が返ってきて、がっかりした経験はありませんか?「Canon A-1」はそのような失敗を防いでくれるカメラになっているので、最後まで見てもらえたら嬉しいです。では、さっそく見ていきましょう。
「Canon A-1」とは?
1978年(昭和53年)4月に発売されたカメラで、AE-1に始まるAシリーズ一眼レフカメラの最高機種で、完全デジタル制御による高度な電子カメラでした。ボディは、黒色塗装仕上げになっています。
型式 | 35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ |
画面サイズ | 24×36mm |
標準レンズ | FD55mm F1.2SSC、FD50mm F1.4SSC |
マウント | FDマウント |
シャッター | 電子制御式 |
シャッター速度 | 1/1000~30秒、B、X |
ファインダー | ペンタ固定アイレベル式、倍率0.83倍、視野率=上下93.4%、左右95.3% |
ファインダー内情報 | 7セグメントの赤色LEDによるデジタル表示(シャッタースピード、絞り値、専用スピードライト使用時の充電完了信号、マニュアル表示他、各種の警告信号) |
測光連動範囲 | EV-2~18 |
露出補正値 | ±2EV |
フィルム感度使用域 | ISO6~12800 (1/3ステップ) |
使用電源 | 6Vの4G-13型酸化銀電池又は4LR44アルカリマンガン電池1個、バッテリーチェックはボタン押しLED点滅周期式 |
フィルム装填 | 裏蓋開閉スプール差し込み式 |
フィルム巻き戻し | 折り畳み回転クランク式 |
大きさと質量 | 141×92×48mm、620g(ボディ) |
発売時の価格 | 114,000円(FD50mm F1.4SSC付き)、83,000円(ボディ) |
使い方
撮影操作
(1)装填できているかの確認
巻き上げと連動して、巻き戻しクランクが動いていると、フィルムはしっかりと装填できています。
(2)ピントの合わせ方
ファインダーを覗き、視野像が鮮明だとピントは合っています。
(3)露出の確認
シャッターボタンの第1ストロークで、撮影情報がファインダー視野外、下部に表示されます。表示値は明るさに応じて変わりますが、数値が点滅しなければ適正露出です。
(4)使わない時はロックしておく
使用しない時は、メインスイッチをLにしておきます。
基本的なAE撮影
シャッター優先
・動体撮影向き
・F値が変化
1. AEモードセレクターをTvにセット
2. ATダイヤルを回してSSをセット
絞り優先
・静体撮影向き
・SSが変化
1. AEモードセレクターをAvにセット
2. ATダイヤルを回してF値を決める
プログラムAE
・常用・初心者機能
・SSとF値が変化
1. AEモードセレクターをTvにセット
2. ATダイヤルを回してPマークにセット
※Pマークは、SS目盛の高速端にあります。
「Canon A-1」作例
(1)動物
放牧されている羊を撮影しました。常に動きがある為、シャッター優先にしておくとピントを外すことが減るので安心です。右の写真は、木の柵から見ているとこちらに寄ってきたので、その瞬間を柵越しに撮ることができました。
(2)スナップ
15時頃、歩いているときに見つけた水面に映る光。絞って撮ることで、キラキラとした光を捉えることができました。ファインダーを覗くと、何気ない日常も輝いて見えます。
「自転車置き場の作例」
自転車置き場に当たる光具合に惹かれ撮影しました。撮っている自分もこっそり映しています。その時の空気感までも映してくれます。
「逆光で落ち葉を透かした写真」
逆光で撮るときに、設定を間違うと白飛びすることも多々あります。しかし、このカメラだと露出での失敗を防ぐことができます。
(手持ちで花火が撮れる)
近所で上る花火を撮影。手持ちで固定し、F1.4で撮影しました。見上げる人のシルエットや色鮮やかな花火がその瞬間を物語っています。全体的に青色の方の写真は抽象的でぼんやりとした曖昧さを演出しました。
ふと上を見上げると、見つけた三日月。ついつい撮ってしまいます。遠くにあるものにでも、しっかりピントを合わせることができます。
(3)人物
「シルエットの作例」
なんと言っても質感や黒色が特徴的です。モデルさんにピントを合わせて撮影しています。柔らかくしっとりとした描写でとてもお気に入りの写真です。
「青いドレスの作例」
踊ってもらいながらそのシーンを撮影しました。足が上がった瞬間を狙ってシャッターを切りました。モデルさんと呼吸を合わせ、その瞬間を逃さないことが大事なのでシャッター優先モードの有り難みを感じました。
夕日とゴーストのコラボした1枚で、15時頃撮影しています。開放(F1.4)だと明るすぎたので、F5.6に絞って撮影しています。このレンズは、青系のゴーストが特徴で、幻想的な世界に導いてくれます。
サイド光で撮影。肌がとても綺麗に映り、自然な色味を出してくれます。また、コントラストが高く、はっきりとした映りになっています。
(4)風景
(雲海とススキ)
早朝の阿蘇。うっすらとした雲海。ピントは雲海に合わせて撮影しています。右のススキの写真は、F1.4で撮影し真ん中のススキにピントを合わせ前ボケ、後ろボケを創っています。
(雲海)
「雲海の作例」日の出の時間に撮影。F1.4開放で撮影しました。シャドウ部分が黒潰れせず、街の小さな光まで映っていることに感動しました。また、朝焼けをドラマチックに映してくれます。
「街並みの作例」日の出の時間に撮影。左の写真から、雲がなくなり、隠れていた街並みが見えてきました。少し明るくなってきたので、絞って撮影しています。
散歩中、夏から秋に移ろいゆく場面を発見し撮影しました。手前の葉にピントを合わせています。このカメラがあると、散歩がさらに楽しく感じます。
目的地に向かっている途中に見つけた光芒。オレンジの光がとても印象的です。影側から撮影し、影部分と光部分のメリハリをつけています。
(5)番外編
夏の終わりから秋の始まり頃、撮影したコスモス。裏蓋を開けてしまい、感光してしまいましたが青とオレンジのバランスやコスモスのシルエットに惹かれました。
家の近くを散歩していた時に撮影した1枚。ファインダー内のシャッタースピードが点滅していましたが、シャッターを切るとこのようにブレのある写真を撮ることができます。
使用機材
ボディ:Canon A-1
レンズ:FD50mm F1.4SSC
フィルム:Portra160, Portra400
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、Canon A-1を使って撮影しました。このカメラの一番の特徴である撮影モード(シャッター優先、絞り優先、プログラムAE)を使い分けることで、動きのあるものにもピントをしっかりと合わせることができたことに感動しました。フィルムカメラを始めたばかりの方でも、失敗することなくフィルムを楽しめるカメラだなと実感しました。普段はポートレートを撮ることが多いのですが、繊細な映りをするCanon A-1で風景を撮りたいと思い、積極的に風景の写真も撮ることが増えました。また、肌の色味がとても綺麗なので、雪景色でも撮ってみたいなと考えています。是非、気になる方は使ってみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
写真家:kanako
1995年生まれ、長崎県出身。2020年、Canon fotomoti×curbon主催の次世代スター発掘キャンペーンにて、次世代スターに選出。陰影をテーマとしたポートレートを中心に独自の世界観を演出している。