ネイチャースナップのすすめ|格安中古で学ぶ一眼レフの基礎【ピント編】キヤノン EOS Kiss Digital X / Kiss X2

小林義明
ネイチャースナップのすすめ|格安中古で学ぶ一眼レフの基礎【ピント編】キヤノン EOS Kiss Digital X / Kiss X2

はじめに

最近、昔のコンパクトデジタルカメラ(以下コンデジ)が人気とニュースになっています。一昔前の色味や画質がエモいということですが、コンデジではできることは限られています。最新のカメラは高画質が売りなので、昔の画質でもいいということであれば、せっかくですから一眼レフにも挑戦してみると面白いと思います。

今回は格安の一眼レフを使って写真を楽しんでみようというお話です。

ポツポツと咲き始めたルピナス。初夏の訪れを感じさせてくれる花だ。じつはこのカットを撮影したのは2008年。古いカメラだからといって写りが悪いということはなく、きちんと撮影すればいまでも使える画質を持っている。
■撮影機材:CANON EOS Kiss X2 + EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM
■撮影環境:F11 1/50秒 ISO200 WB太陽光

格安中古で一眼レフを始めてみる

前回の記事では実用的な旧モデルの一眼レフを紹介していますが、ここではさらに格安で楽しめるデジタル一眼を対象とします。具体的には、キヤノンEOS Kiss Digital XやKiss X2といった中古で1万円以下のボディをお勧めしようと思います。この価格帯はセンサーサイズがAPS-Cとなりますが、コンデジより高画質です。

レンズとしては18-55mmと55-250mmといったダブルズームキットだったもので十分です。これらを揃えても、カメラのキタムラネットショップで探すと2万円程度で揃えることができます(2025年4月現在)。まずはこれらのレンズで撮影してみて、自分にとってどんなレンズが必要なのか探っていきましょう。

その他、記録メディアや予備のバッテリーなども必要になると思います。そのあたりはお店と相談してみてください。

Kiss Digital XかKiss X2か

これらの2機種はデジタル一眼レフがやっと一般的になりはじめた頃の入門機で、コンパクトで軽量なうえ十分な機能を持っていて爆発的にヒットしたカメラです。今回はこの2機種をお勧めしていますが、Kiss Digital Xは記録メディアがCFカードで今ではあまり使われていないこともあり、古いカメラのレトロ感を楽しみたい人向けといえるでしょう。

一方でKiss X2は、記録メディアが今の主流となっているSDカードなので最新のカメラにも使え、純粋に一眼レフの基本を学びたい人向けといえます。どちらか迷ったらKiss Digital X2にしておきましょう。

左がCFカード、右がSDカード。どちらも機能的には大きな差はないが、記録メディアの違いは注意が必要だ。CFカードはあまり使われなくなっていて、中古で入手するかやや高価なものを購入することになる。丈夫で大きいので故障の可能性も少なくいいメディアだったが、カメラの小型化を求める流れの中で使われなくなってしまった。

撮影準備

カメラを手に入れたら撮影準備です。バッテリーを充電しカメラに入れたら、メニューの「設定解除」から「カメラ設定初期化」を行います。中古の場合、前のユーザーの設定が残っていることがあります。カメラの初期化を行うことで、カメラを新品状態の設定に戻すことができます。続いて記録メディアを入れたら「カード初期化」をします。日付や時刻も設定しましょう。

最後にファインダーを覗いてみましょう。電源を入れてシャッターボタンに軽く押すと、絞りやシャッター速度などの数値が表示されます。この数字がはっきり読めるように視度調整をします。カメラのピントを肉眼でも確認するために重要な部分なので、きちんとファインダー像が見えるようにしておきましょう。調整してもはっきり文字が読めない場合は、メガネなどで視力を調節する必要があります。

これで撮影準備が整いました。

メニューの中にある黄色のカメラ設定タブから、「設定解除」>「カメラ設定初期化」と進むとカメラの設定を新品の状態に戻すことができる。中古のカメラを手に入れたら、まずは済ませておくと安心だ。カメラの説明書はメーカーのサイトからダウンロードできるので、これも手に入れておこう。
メディアをカメラに入れたら、まずは「カード初期化」をしておこう。これでメディアの中に残っている画像を消去できる。新品でも一度やっておくと安心だ。撮影が終わって、画像データをパソコンに移し終えたらメディアを初期化すれば、何度でも利用できる。
カメラの電源を入れてシャッターボタンに軽く触れると、ファインダー内に数字などの表示が出てくるので、赤線で囲んだ視度調節ダイヤルを回していちばんはっきり見えるように調節する。目のコンディションも変わるものなので、視度調整はこまめにやっておこう。

スマホからのステップアップその1

では、さっそく撮影に入りましょう。

はじめに撮影モードは「P」モードにしてみましょう。「P」モードは絞りもシャッター速度も自動的にカメラが設定してくれます。ISO感度はKiss X2では「オート」に。Kiss Xではオートがないので、ISO400か800にしておきましょう(簡単撮影モードではISO100-400相当で自動設定されます)。これでよほどのことがない限り、真っ白や真っ黒といった露出の失敗はありません。
 
ここからが本題で、一眼レフを使うためのその1としてAF(オートフォーカス)でピント合わせする方法を覚えましょう。スマホだと被写体にカメラを向ければだいたい撮りたいところにピントを合わせてくれますし、そうではなくても被写体の部分をタッチすればいいのですが、一眼レフでは測距点(AFフレーム)を使います。

ファインダーの中で見えている測距点をピントを合わせたい被写体に重ねて、シャッターボタンを半押しします。半押しというのはAFが動くまで軽く押すことです。ピントが合ったらシャッターボタンをより深く押せば撮影できます。ここまでは簡単ですよね。

ピントの合っている場所は、写真の中で主役であることを表している。自分が思っている場所にきちんとピントを合わせて撮影することは何よりも大切だ。思い通りにピントを合わせられるように練習していこう。

でも、格安一眼レフでは測距点が画面全体にあるのではなく、画面の中心付近に数点(機種によっては多いものもある)と限られています。構図によっては被写体と測距点がうまく重ならないこともあります。そんなときには「フォーカスロック」という操作をします。

「フォーカスロック(AFロック)」はAFで一度合わせたピントを固定するものです。被写体と測距点を重ねてシャッターボタンを半押ししてピントを合わせるのはこれまで通りです。ピントが合ったらシャッターボタンを半押ししたまま構図を整え、最後にシャッターボタンを深く押します。これで思い通りの構図で撮影ができます。

画面中央でピントを合わせて(左)から、フォーカスロックして画面を整えて撮影(右)。シャッターボタン半押ししたままカメラの向きを変える練習を自然にできるようになるよう、練習しておかないといざという時に失敗してしまう。一眼レフを扱う上でもっとも大切な操作と言えるので、身につけておいてほしい。
エゾシカを画面下に配置し、画面上の湿原の奥行きを入れることでまとまった構図になった。画面中央でピント合わせすると、被写体も画面の中央に配置されたままの日の丸構図になりやすく、画面全体のバランスが取れていない中途半端な構図になりやすいので、フォーカスロックは必須のテクニックだ。
■撮影機材:CANON EOS Kiss Digital X + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F8 1/500秒 +0.7EV補正 ISO100 WB太陽光

基本的にはファインダーの中央にある測距点と被写体を重ねてピントを合わせ、フォーカスロックしながら構図を整えて撮影する、という一連の動きをスムーズにできるようになるのが理想です。

半押しを続けるというのがポイントで、構図を整える時に指が浮いてしまうことが多いため練習が必要です。一度指が浮いてしまうとまたカメラがピントを合わせ直すことになり、意図しない場所にピントが合ってしまいます。

シャッターボタン半押しの動作は、AFの動作以外にもカメラをスリープから復帰させたり、露出計のスイッチを入れるなどカメラ操作の基本とも言えるものですから、自分のカメラで半押しの感覚を覚えるよう練習しましょう。

霧煙る幻想的な湖の景色。コントラストや線がない霧の部分だとAFでピント合わせができないので、中の島のところでピントを合わせ、フォーカスロックで構図を整えてから撮影した。
■撮影機材:CANON EOS Kiss Digital X + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F11 1/100秒 +0.7EV補正 ISO200 WB太陽光
ここでの主役は手前のチューリップなので、中央左側にあるチューリップでピント合わせをしてから、フォーカスロックで構図を整えている。カメラ任せだと形がはっきりしている後ろの風車にピントが合ってしまうこともある。
■撮影機材:CANON EOS Kiss X2 + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F16 1/100秒 +0.3EV補正 ISO200 WB太陽光

スマホからのステップアップその2

Kiss Digital XとKiss X2はともに測距点が9つあります。カメラの初期設定ではこの9つが自動的に切り替わる「自動選択」になっています。そのため、実際に使っていると中央の測距点でピントを合わせようとしているのに右下の測距点でピントが合ってしまうといったように、思った場所でピントを合わせてくれないことがあるかもしれません。

それでは不便ですから、任意の測距点を1つ選ぶようにします。測距点選択ボタンを押してから十字キーをつかって任意の1点を選びます。基本としては中央1点を使うようにしておくとわかりやすいです。構図を優先する場合は、被写体に一番近い測距点を使うといいでしょう。

将来、より測距点が多いカメラを使うときにはこまめに切り替えて使うことが必要になりますので、いまからきちんと測距点を切り替えて撮影できるように練習していきましょう。

今回紹介の2機種は測距点が画面の中央付近に9つある。この測距点と被写体を重ねてシャッターボタン半押しでピントが合う。これらの測距点を使い分けると同時にフォーカスロックを活用して、画面のどこにでも被写体を配置することが可能だ。ピントが合うと測距点の中心が赤く点灯すると同時に、ファインダー右下の合焦ランプが点灯する。
測距点を自動選択にしていると、手前にあるものにピントを合わせようとする傾向がある。このときも奥の花にピントを合わせたかったのだが、自動選択では手前の花にピントが合ってしまった。手動選択で右上の測距点を選んでピント合わせすることで、思い通りの場所にピントを合わせることができた。
測距点の切り替えには、「測距点選択」ボタンを使う。測距点選択ボタンを押してから、カメラ背面の十字キーかシャッターボタン手前にある電子ダイヤルで任意の測距点を選ぶことができる。
自動選択では9つある測距点をカメラが自動的に切り替えてピント合わせを行う。ピントが合うと測距点が赤く光る。撮影するシーンによっては、同時に複数の測距点が赤く光ることもある。任意選択は9つある測距点のうち自分が選んだ1点でピント合わせを行う。
手前の花を前ボケにして、ツバキの花の色鮮やかさを強調しながら画面の奥行きも表現した。望遠レンズではボケが大きくなりやすいので、ピント合わせもしっかり行わないと中途半端な写真になってしまう。測距点をうまく切り替えて正確にピント合わせをしよう。
■撮影機材:CANON EOS Kiss Digital X + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F5.6 1/160秒 ISO100 WB太陽光
森で出会ったシマリスが木の実を食べていた。近くで動くと逃げてしまうかもしれないので、画面下にある測距点を使ってピント合わせをした。こういうときに素早く測距点を切り替えられるよう、日頃から操作に慣れておきたいものだ。
■撮影機材:CANON EOS Kiss X2 + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F6.3 1/200秒 +0.7EV補正 ISO400 WB太陽光
春らしい色合いの景色を見つけた。手前に黄色い花が咲いていて、自動選択だとこちらにピントが合ってしまいそうだったので、サクラにピントが合うように画面中央の測距点を選んで撮影した。
■撮影機材:CANON EOS Kiss Digital X + EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS
■撮影環境:F10 1/200秒 ISO100 WB太陽光

スマホからのステップアップその3

便利なAFですが、いつでも信用できるかというとそうでもありません。測距点に重なっているものに対してピントを合わせてくれているはずですが、何を撮影しているかカメラはわかっていないので、測距点で認識しているどこかにピントが合っているという状態です。

よくあるのが、被写体が小さくその後ろにピントが合っているといったものです。フォーカスロックに失敗した時も、意図しない場所にピントが合ってしまいます。

どちらもAFでピント合わせしたものだが、中央のところを拡大してみるとピントの合っている位置が違う。左側は意図した位置よりも少し後ろにあっていて、厳密にはピンボケと言える。右側は中央のめしべにしっかり合っていて、これが意図したピントだ。ファインダーでもこの違いはわかるので、しっかり確認してシャッターを切るようにしよう。

そういった失敗を防ぐために、本当に撮りたいものにピントが合っているかどうか、最終的には自分の目でも確認してからシャッターを切るようにしたいものです。また、どうしてもAFではピントが合わない時や、カメラを自分で操作したいとピント合わせをMF(マニュアルフォーカス)にしたときも、きちんとファインダーが見えている必要があります。

ここではじめに行ったファインダーの視度調整が重要になるのです。

スマホやコンデジと違う使い方として、あえてピンボケにしたい場合にMFにしてどの程度のボケ具合にしたいかを調節するためにもファインダーがちゃんと見えるようにしておくことが大切です。

一眼レフを使いこなすには、カメラ任せではなく、ひとつひとつ自分で確認しながら撮影していく癖をつけていきましょう。

赤みの強いサクラが咲いている様子を、背景をぼかして浮き上がらせた。花の撮影ではしべ、とくにめしべにピントを合わせておくと、ピントが合っているように見える。花びらの方が大きくカメラはそちらに合わせてしまうこともあるので、ファインダーをしっかり見て自分が意図したところにピントが合っているか確認しよう。
■撮影機材:CANON EOS Kiss X2 + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F5.6 1/250秒 +1EV補正 ISO320 WB太陽光
湖に張り出した木の枝の先に新緑が芽生えていた。このようにピントを合わせたいものが小さい場合は、背景にピントが合ってしまうことが多いので、丁寧にカメラを操作して、きちんとピントが合っていることをファインダーで確認してから撮影している。
■撮影機材:CANON EOS Kiss X2 + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F6.3 1/160秒 +0.7EV補正 ISO400 WB太陽光
ユキワリソウの花びらに、しべの影が落ちているのが印象的でクローズアップした。マクロ撮影ではAFでピントが合ったあとも自分の体が少し動くだけでピントがズレるので、フォーカスロックしながら最後はファインダー上で意図したところにピントが合っていることを確認してシャッターを切っている。
■撮影機材:CANON EOS Kiss X2 + EF-S60mm F2.8 マクロ USM
■撮影環境:F2.8 1/500秒 -1EV補正 ISO200 WB太陽光
MFでわざとピンボケにして撮影。雰囲気としてはピンホールカメラで撮影したようなイメージを狙ってみた。どの程度ぼかしたらイメージ通りになるかはわからないので、いろいろ試してみるといい。
■撮影機材:CANON EOS Kiss Digital X + EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS
■撮影環境:F3.5 1/1600秒 ISO100 WB太陽光
キヤノン製のカメラではレンズ側にAFとMFの切り替えスイッチがついている。MFで撮影しようとする時にはMFに切り替える。ただし、撮影が終わったらAFに戻すことを忘れないようにしよう。

スマホからのステップアップその4

AFにもモードがあります。基本はシャッターボタンを半押しして、ピントが合うとピント位置が固定される「ONE SHOT」(AF-S、S-AFなどともいう)モードを使います。ピントが合わないとシャッターが切れないので、動いていない被写体を撮影する場合に、確実にピント合わせができるモードとなっています。

ただまったく線がないようなのっぺりした被写体や、極端に暗い時にはAFでピントが合わない場合があります。このときはシャッターを切ることができないので、近くにあるものでピントを合わせたり、MFに切り替えて撮影する必要があります。

カメラ背面にある十字キーの右側が「AFモード選択」ボタンとなる。撮影状態の時にこのボタンを押すと、AFモードを選択できるようになる。

もうひとつは「AI SERVO」(AF-C、C-AFともいう)モードで、測距点にある被写体にピントを合わせ続けます。これは、動いている被写体を撮影する時に使います。このモードではピントが合っていなくてもシャッターが切れるので、正確に被写体を追い続けて撮影することが必要です。フォーカスロックは使えません。

Kiss Digital XとKiss X2には「AI FOCUS」というモードもあり、カメラを購入した時の標準設定となっています。これは「ONE SHOT」と「AI SERVO」を自動的に切り替えてくれるものです。ただ、思い通りに切り替わってくれないこともあるので、あらかじめ被写体が動くものか動かないものかわかっている時は、自分でAFモードを切り替えた方が、確実に撮影できます。

シダレザクラの花が咲く様子を下から見上げ、高さを表現した。ピントはしっかり花が多く咲いている部分に合わせている。AFモードはONE SHOTで、中央の測距点でピントを合わせ、フォーカスロックで構図を整えている。こういった流れがもっとも一般的なピント合わせの操作だ。
■撮影機材:CANON EOS Kiss X2 + EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS
■撮影環境:F9 1/200秒 +1EV補正 ISO200 WB太陽光
日陰の雰囲気を感じられるよう青っぽい発色を意識しながら滝を撮影した。滝のような動かない被写体では落ち着いてピント合わせすれば失敗はない。むしろカメラブレを起こさないなど、違うことにも気を遣う必要がある。
■撮影機材:CANON EOS Kiss Digital X + TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD
■撮影環境:F14 0.8秒 -0.3EV補正 ISO100 WB太陽光
二輪のキクザキイチゲの花を画面に入れ、片方を大きくぼかすことでピントを合わせた花の印象を強く見せている。画面右下の測距点を使ってピントを合わせ、ファインダー上で最終確認のうえシャッターを切っている。クローズアップしているときはフォーカスロックでも大きくカメラを振るとピントがズレるので、なるべく被写体に近い測距点を使うといい。
■撮影機材:CANON EOS Kiss Digital X + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F5.6 1/400秒 ISO100 WB太陽光
マガモの飛翔を撮影。このような動きのある被写体では距離が常に変化するので、AI SERVOに切り替えて撮影しないとピンボケになってしまう。これから撮影する被写体が動くものなのか判断して適切に切り替えるようにしよう。
■撮影機材:CANON EOS Kiss Digital X + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F8 1/1600秒 ISO800 WB太陽光
波の押し寄せる様子を切り取った。波も手前に向かって動いてくるので、AI SERVOで撮影する必要がある。波の形は予測できないので、イメージ通りの形で撮れるよう、しつこく何度もシャッターを切っておこう。
■撮影機材:CANON EOS Kiss Digital X + EF-S55-250mm F4-5.6 IS
■撮影環境:F8 1/1600秒 ISO400 WB太陽光
エゾシカが道路脇で草を食べていた。近づいたら逃げてしまう可能性もあったので、AFモードはAI FOCUSにして動き出しても対応できるようにしておいた。このように被写体の動き方を考えてAFモードを切り替えることが必要だ。
■撮影機材:CANON EOS Kiss X2 + EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS
■撮影環境:F6.3 1/400秒 ISO200 WB太陽光

まとめ

シャッターを押せば簡単に写真が撮れるスマホやコンデジと比べると、一眼レフはいろいろ面倒な操作を覚えないとうまく使うことができません。それは言い換えれば、使いこなすことで思い通りの写真が撮れるようになるということです。

ピントの合っているところは、写真のなかで主役を表す重要なものでもあります。一眼レフはボケを活かせるカメラである反面、ピンボケも起きやすいのです。しっかりと主役にピントを合わせて何を撮ったのかきちんと伝わるようにしましょう。

ひとつひとつの操作の意味を考えながら丁寧に行うことで、自分がどんな写真を撮ろうとしているのかもはっきりしてきます。カメラの操作は写真を意図通りに撮るための儀式とも言えるのです。カメラのボタンなどを見なくても操作できるくらい練習をして、自分の体のようにカメラを扱えるようになりましょう。

 

 

■自然写真家:小林義明
1969年東京生まれ。自然の優しさを捉えた作品を得意とする。現在は北海道に住み、ゆっくりとしずかに自然を見つめながら「いのちの景色」をテーマに撮影。カメラメーカーの写真教室講師などのほか、自主的な勉強会なども開催し自分の視点で撮影できるアマチュアカメラマンの育成も行っている。

 

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