キヤノン EOS Kiss M レビュー|初心者の方におすすめの理由とは・・?
EOS Kiss Mとは
EOS Kiss Mはキヤノンから2018年3月から発売されているミラーレスカメラです。
名前についている“Kiss”ですが、キヤノン一眼レフの入門機として人気のシリーズです。そのため一度は耳にしたことがある。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんなKissシリーズの名を冠したEOS Kiss Mですが、キャッチコピーは“Kiss is my Life”、使ってみると「何気ない日常も“Kiss“が入ることで鮮やかに彩ってほしい」そんな願いが込められているように感じるカメラです。
発売されてから約1年半経ちましたが、いまだ人気は衰えておらず、むしろ「簡単に使えて、スマートフォンよりもキレイな写真を撮りたい!」とお考えの方におすすめしている機種の一つです。
今回は、なぜEOS Kiss Mがおすすめなのかをレビューしましたのでぜひご覧ください。
小さく、軽いから持ち運びやすい!
「スマホよりも綺麗に写真を撮りたくてカメラを買ったけど、重くて持っていかない」
綺麗な写真を撮ってSNSに投稿するためにカメラを買ったものの、重くて持っていかないなんてもったいないですよね。
とはいえ、旅行や運動会などの行事ごとは荷物が増えてしまいがちで、少しでも重量は押さえたいとお考えの方も多いのではないでしょうか?
EOS Kiss Mならキレイに撮れるのはもちろんですが、軽いことも魅力の一つです。本体の重量は約390gで、初めて手に取った時は「おっ!軽い!」と思いました。
レンズももちろん軽量・コンパクト
カメラはボディだけでは撮影ができずレンズが必要ですが、いくらボディが軽量でも、レンズが大きいと結局重くなってしまいます。
EOS Kiss Mには15-45mm F3.5-6.3 IS STMが同梱されているレンズキットが用意されています。
こちらのレンズは風景や建物など少し広いものを撮りたいときや、少し離れている被写体、人物の背景をぼかして撮ることができる便利なズームレンズです。手ブレ補正機能もあるのでブレにくく、初心者の方でも安心して撮影できます。
レンズの重量は約130gと衝撃的な軽さです。
カメラボディと合わせても約520gと非常に軽量で、近いもので言えば500mlのペットボトル飲料ぐらいだと思えば非常に軽いですよね。
付属のストラップを使用すれば、使う時にバッグから取り出す回数も減らせられます。
もちろん撮ったあとバッグに戻すのも悪くないのですが、バッグに戻す回数と手間を減らせられますし、「良いな」と思った時にすぐ撮れれば、撮り慣れてくるので、きっと上達までのスピードも上がることでしょう。
EF-M 22mm F2 STMはさらに小さく、ぼかしやすい
EOS Kiss Mは先ほどご紹介したレンズキットに加えて、EF-M 22mm F2 STMもついているダブルレンズキットがあります。
このレンズは、ズームができない代わりに、ふんわりと大きくぼかした写真がさらに撮りやすいです。さらに、レンズ自体が“小さくて薄い“ことも最大の魅力です。
■撮影環境:1/80秒 F2 ISO100
さらに嬉しいのは、近くに寄っても撮影できるので、料理やスイーツ、小物なども簡単・キレイに撮影できます。
「もっと近くに寄りたい!」EF-M 28mm F3.5 マクロ IS STMならできるかも
■撮影環境:1/80秒 F5 ISO800
EF-M 22mm F2 STMも近寄った撮影ができるのですが、花や小さい虫などそれ以上に近寄って撮影したい方もいらっしゃるかと思います。
EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMなら、スーパーマクロモードを搭載しているので被写体に近づいた撮影がとてもしやすくなります。
レンズ先端のライトを使用すれば、近くに寄って暗くなっても撮影がしやすく、電池も不要なのでかなり便利!手ブレ補正もついています。
どんなシーンでもバッチリ撮れる高性能
■撮影環境:1/100秒 F6.3 ISO3200
スマートフォンでは大きく引き伸ばしたプリントや、トリミングをしたとき、遠くの被写体を撮影した時の鮮明さを出すのは難しいですよね。
EOS Kiss Mは小さいボディながら、多くの一眼レフカメラにも搭載されているAPS-Cセンサーを搭載しているため、スマートフォンで撮影するには難しいシーンでも綺麗に撮ることができます。
花や風景はもちろん、人物撮影では目に自動でピントを合わせる機能があるので簡単に撮影ができるので便利だと感じました。
ファインダーがついているので撮影しやすい!
EOS Kiss Mはコンパクトながら、ファインダーが搭載されています。モニターのみだと屋外での撮影時に反射してしまい見えないというシーンでも、ファインダーを覗くことでより確認しやすくなります。
タッチモニターで操作も簡単
■撮影環境:1/80秒 F6.3 ISO1250
モニターはタッチパネルになっており、スマートフォンのように直感的に操作することができ、特にタッチAF機能が非常に便利だと感じました。
例えば、奥にある被写体にピントを合わせたいのに、手前にあるものにピントがあってしまうことや、本当は端にある被写体にピントを合わせたいのに、中心にピントが合ってしまったことありませんか?
タッチAF機能を使えば、モニターのピントを合わせたい部分をタッチするだけなので非常に簡単!
モニターを自由な角度に向けることができるバリアングルモニターを採用しているので、小さいお子さんを撮るときや、頭の上から撮りたいとき、自分撮りなど様々なシーンでも楽な姿勢で撮影ができます。
動く被写体だって安心!
■撮影環境:1/100秒 F10 ISO100(トイカメラ風フィルター使用)
止まっている被写体が綺麗に撮れるのはもちろんですが、EOS Kiss Mが凄いと思ったのは動く被写体でも綺麗に撮れる性能が備わっていることです。
例えば連写は1秒に10コマ(10枚)撮影できます。簡単に言いましたが、非常に凄い性能で、一眼レフカメラの上位モデルと同等クラスの性能です。
1秒間に10コマの写真が撮れれば、運動会や部活動で動いているお子さんや、動きの予測が難しい動物、動きが速い乗り物など、比較的撮影が難しい動く被写体でも、綺麗に撮れる確率がグンと上がることでしょう。
サイレント撮影でシャッターチャンスはさらに広がる
■撮影環境:1/100秒 F6.3 ISO800
EOS Kiss Mはピントが合った時の音はもちろん、シャッター音をかなり小さくして撮影することもできます。
例えば学芸会や発表会、ゴルフなど音を立ててはいけないため、撮影できないシーンもありますが、せっかくの晴れ舞台もできれば撮りたいですよね。
撮影禁止の場合はもちろん撮影してはいけませんが、もし撮影可能であればシャッターチャンスが広がります。
「こんな風に撮りたい」でOK!
高性能なEOS Kiss Mですが、「こんな風に撮りたいけど、操作が難しそうで使いこなせるか不安・・」とお考えの方も中にはいらっしゃいませんか?
EOS Kiss Mにはカメラを初めて使う方でも簡単にキレイに撮れる機能が搭載されているんです!
シーンモードで被写体にあった撮影設定をカメラにおまかせ!
■撮影環境:1/80秒 F5 ISO800(スペシャルシーン:風景
多くのカメラにはシーンに合わせて最適な設定をカメラが決める機能がついています。例えば人物を撮影するなら顔の明るさに合わせて明るさを決め、風景モードでは写真全体にピントを合わせて、くっきりと写すように設定する機能です。
もちろんEOS Kiss Mにも搭載されていますが、人物や風景のほかにも料理や手持ち夜景、中には流し撮りモードも搭載されています。
流し撮りモード?
■撮影環境:1/30秒 F10 ISO100
流し撮りとは遅いシャッタースピードで被写体以外がブレるように撮るテクニックです。
流し撮りをすることで、躍動感のあるダイナミックな写真になりますが、設定や撮影が上手くいかなくて苦手な方もいらっしゃいます。(プロカメラマンによる説明記事もございます。こちらもぜひご覧ください)
作例は「流し撮りモード」を使用して撮影したものですが、カメラが自動で設定してくれて、あとは被写体の動きに合わせてレンズを動かしシャッターを押すだけ!
初めてでも比較的簡単に撮影できると思いました。
クリエイティブアシスト機能で思い通りの写真が撮れる!
初めてカメラを使う方におすすめなのが、クリエイティブアシスト機能です。
この機能を使えば「もっと明るくしたい」や「もっと色を鮮やかにしたい」など、撮る方が思う「こんな風に撮りたい」に当てはまる項目を変えるだけで、カメラが全て設定してくれるものです。
さらに大きなセンサーを搭載しているモデルEOS RPでも搭載されており、実際に使用したレビューもあるのでぜひご覧ください。
専門用語を覚えなくても「こんな風にしたい」が分かればOKなので、買ったその日からでも、簡単に使いこなせます。
7種のフィルター効果で加工も簡単!
■撮影環境:1/80秒 F2.8 ISO200
EOS Kiss Mには、撮影した時の表現を変える7種類のフィルター効果も搭載されています。
作例は魚眼効果フィルターを使用して撮影しました。SNSでも人気なぐるぐるボケのような表現も可能に。いつもと違う表現も面白いですよ!
ちなみに筆者はフィルムのような写りになる“トイカメラ風”がお気に入りです
■撮影環境:1/125秒 F4.5 ISO100
暗所でもキレイ
■撮影環境:1/25秒 F4 ISO6400
暗い場所を撮影すると写真の鮮明さがなくなり、どこかザラザラしているように感じることがありませんか?原因はカメラが暗い場所でも明るく撮れるように、より多く光を取り込もうとするため起こってしまいます。
より光を多く取り込むには、以下の3種類が代表的です。
① シャッタースピードを遅くする
② レンズの絞り(F値)の数字を小さくする
③ ISO感度を上げる
まずできるのは②の絞り(F値)の数値を下げるのが良いのですが、下げられる限界は決まっているため、そのあとはシャッタースピードを遅くするとして、下げすぎると手ブレが起こってしまいます。
最後に“ISO感度“という感度を上げるのですが、ISO感度を上げるとザラザラ(ノイズ)が起こってしまいます。
また、ISO感度は機種ごとに異なります。例えばカメラAが100-6400までに対して、カメラBは100-12800までであれば、Bの方がより暗い場所でも明るく撮影できるというものです。
EOS Kiss MはISO感度が100-25600までで、暗いシーンでも十分明るく撮影できる性能を持っています。
暗いシーンの撮影なので、夜のテーマパークでの撮影や、イルミネーションの撮影などでかなり助かります。
撮影後記
Kissシリーズの始まりは1993年のこと、一眼レフカメラはプロや愛好家が持つ高級品とされていた時代に誕生しました。
それまでに発売されていたカメラはプロや愛好家向けのハイエンド機種が多かった中で、Kissは「お求めやすい価格帯で皆さんに手に取ってもらい、家族や大切な人との何気ない瞬間もキレイに写してほしい」というコンセプトから誕生したシリーズともいえるでしょう。
もちろんEOS Kiss Mも一眼レフではなく、ミラーレスカメラでありながら軽量・コンパクトであることや比較的お求めやすい価格であることから、コンセプトをしっかり受け継いでいるように感じました。
一眼レフモデルのEFレンズに比べるとレンズの種類が少ないものの、マウントアダプター(EF-EOS M)を使用すれば、多くのEFレンズを使用することができるので、ぜひ撮影シーンにぴったりなレンズを探してみてください!