【レビュー】DJI Osmo Pocketは何故売れているのか?|三井公一
はじめに~「Osmo Pocket」とは?~
ドローンで有名な「DJI」からユニークなカメラが登場して人気を呼んでいる。その名は「Osmo Pocket」。一昔前の電動歯ブラシサイズ風ボディに3軸スタビライザーとデジタルカメラを搭載したユニークな製品だ。いわゆる「ジンバル」というブレを抑える機構を備えた製品は多いが、デジタルカメラやスマートフォンを装着して使う製品が主だった。
この「Osmo Pocket」はカメラ機能を有し単体で完結できる点と、購入しやすい価格で昨冬から売れ行き好調となっている。「Osmo Pocket」を手にすればブレ知らずの動画と、ジンバル機能を活用した面白い写真を撮ることが可能なのだ。
*「Osmo Pocket」スペックは下記のとおり。
・サイズ 121.9×36.9×28.6 mm
・重量 116 g
・センサー 有効画素数12メガピクセル 1/2.3インチ CMOS
・画角 フルサイズ換算26mm相当
・ISO感度 100〜3200
・シャッタースピード 8秒~1/8000秒
・最大静止画サイズ 4000×3000 ピクセル
・動画サイズ 4K Ultra HD:3840×2160 24/25/30/48/50/60p、FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/120p
・対応メディア microSD(最大容量:256 GB)
・バッテリー稼働時間 140分(1080p/30fps動画撮影時)
特徴1|「軽さ」について
「Osmo Pocket」を手にするとその小ささと軽さに驚くはずだ。「え?これだけでブレのないキレイな動画と写真が撮れるの?」と。その上使い方もカンタン。ただ普通に動画を撮るなら、小型タッチパネル液晶下グリップ部にある右側のスイッチを長押して電源を入れ、その左にあるシャッターボタンを押すだけだ。あとはレンズを撮りたいものに向ければいい。3軸スタビライザーがブレを抑えてスムーズな映像を撮ってくれるはずだ。もちろん動きながらの撮影でもOK。まるで、ハリウッド映画のような滑らかなカメラワークの動画を撮れるだろう。
試しにアーケード商店街を歩いてみたが、ただ電源を入れてシャッターを押しただけでこれだけ滑らかな動画が撮れるのだ。もう少しソフトに歩けば上下動も気にならなくなるはずである。これはスゴい。子どもと遊ぶ際やペットとの散歩の時など面白い動画が撮れそうな予感だ。
特徴2|多彩な撮影モード
「Osmo Pocket」は動画や写真はもちろん多彩な撮影モードも備えている。どれもグリップ部にある小型タッチパネルを指先で操作すれば設定を変更できる。
*通常撮影モード、セルフィーモード
目線にあわせてジンバルがスムーズに動く「FPVモード」や、被写体をフォローする「アクティブトラックモード」などを備える。揺れる電車内から外の風景を撮ったが、振動をよく抑えた映像となった。セルフィーモードはいわゆる自撮りモードだが、こちらも顔を自動的に追尾してくれるので、動きながら背景と一緒に臨場感ある映像を残すことが可能だ。電源ボタンをトリプルタップすればこのモードに入れるのが便利。ただやや画角が狭いので複数人をフレームに入れるのは難しい。
*スローモーション
動きの速いものを迫力あるスローで撮影・再生できる。このような波のシーンなどはまるで映画のような印象に仕上がる。飛沫のようすがよくわかるだろう。スポーツ撮影にも役立ちそうだ。
*タイムラプス
通常のタイムラプスに加えて、指定したエリアからエリアまでスムーズにカメラを動かしながらのモーションタイムラプス撮影が可能。夜の湘南の風景を撮ったが、「DJI Osmo Pocket」を橋脚に立てるだけでこのような映像が撮れる。
また自分が「DJI Osmo Pocket」持ちながら移動してのハイパータイムラプスも撮影できる。コマ撮りアニメっぽさが強調されてこちらも面白い。
特徴3|写真撮影について
*パノラマ(3×3パノラマ)
また通常の静止画に加えて、180度の水平パノラマ、ジンバルを自動的に動かして9カットの写真を合成するパノラマ「3×3パノラマ」が可能だ。引きがない場所では大いに役立つ撮影モードだろう。静止画もイージーに撮れるのが「Osmo Pocket」だ。
特徴4|スマートフォン接続
*Storyモード
アプリ「DJI Mimo」をインストールしたスマートフォンと接続して(接続コネクターは Lightning と USB Type-C の2種類同梱)、音楽付きの動画を作ることができる。いろいろテンプレートが用意されているので、好みに合わせてチョイスして映画風のものを作ってみるのもいいだろう。
最後に
このようにコンパクトな「Osmo Pocket」があれば面白いようにさまざまな動画撮影を楽しめる。価格も手頃なのでデジタルカメラの相棒としてカメラバッグに忍ばせておくのもいいだろう。家族の記録、イベントや旅行などの思い出に、スムーズで動きのある映像を写してみてはいかがだろうか。