鮮やかでダイナミックな景色を切り取る、富士フイルム GF20-35mmF4 R WRで残す夏旅
はじめに
抜けるような青空に、瑞々しく輝く緑など、写真に収めたくなるシーンにたくさん出会える夏。
目の前に広がる美しい景色を余すことなく切り取るために、今回私が手に取ったのは富士フイルム「GF20-35mmF4 R WR」。
GFXシリーズ屈指の広角ズームレンズであり、描写力の高さと多彩なシーンに対応できる万能さが魅力的なレンズです。
今回の記事では、そんなGF20-35mmF4 R WRとGFX50S IIの組み合わせで旅した夏の写真をご紹介。GF20-35mmF4 R WRの持つ魅力とともにご紹介します。
GF20-35mmF4 R WRとは
GF20-35mmF4 R WRは、フルサイズ換算で16mmという超広角域から28mmの広角域までの焦点距離をカバーするズームレンズ。特に広角側はGFレンズの中ではもっとも広い焦点距離であり、広がりのある風景や建築物を撮影する際に非常に有効です。
F4通しの明るさを持ちながら、重さは725gとGFレンズの中では比較的軽量なので、旅先に持っていきやすいことも嬉しいポイント。防塵・防滴・耐低温構造(-10℃)に対応しているため、雨天や厳しい環境でも安心して使用可能。旅先での予期せぬ天候変化に対応できる点も頼もしいです。
広角レンズで夏の青空を余すことなく取り込む
夏旅の象徴的な景色といえば、青空ではないでしょうか。鮮やかなブルーにもくもくの雲が浮かぶ景色は、開放感あふれる夏の情景を印象づけてくれます。
GF20-35mmF4 R WRのレンズを使うと、そんな夏の空を余すことなく切り取ることが可能。20mmの最広角を使うことで、空をたっぷりと入れた開放感のある1枚を残すことができました。
広角レンズは映り込みを活かして撮影する「リフレクション写真」を撮る時にも、非常に便利。
こちらの写真は水田に映り込む青空を撮影した写真。広角レンズで様々な形を描く雲と、その景色を反射する水田を広く取り入れることでダイナミックかつ幻想的な1枚になりました。
水田の近くにあった紫陽花の道でも撮影。
目の前の景色をまるっと取り入れることができるレンズだからこそ、紫陽花だけでなく、傍に生える木や広がる青空も全部1枚にまとめて残すことができます。
広角レンズで効果が出やすい「消失点構図」を使うことで奥行きが強調され、要素の多い景色でもバランス感のある写真が撮れます。
緑豊かな場所で引き出す、ダイナミックな1枚
森やお花畑など、緑が美しいシーンも、GF20-35mmF4 R WRの魅力が発揮されるポイント。こちらの写真は、北海道の白樺並木で太陽の光が木々の間から差し込む瞬間を捉えたものです。
GF20-35mmF4 R WRは高い逆光耐性を持っており、逆光のシチュエーションで発生しやすいフレアやゴーストが比較的抑えられます。逆光撮影で発生しやすいフリンジも確認した範囲では出ておらず、後処理にあまり気を遣うことなく撮影できるのは大きなアドバンテージ。
瑞々しい夏の緑を20mmの最広角で切り取ることで、鮮やかで壮大な景色を残すことができました。
また、このレンズは最短撮影距離が全域で35cmと短いところも魅力的。被写体に寄って撮影することで、ボケを活かした写真を撮ることも可能です。
広角寄りの焦点距離で接写するからこそ、ダイナミックでおもしろいカットを残すことができました。
ラージフォーマットで美しく表現する、夏の夕景と夜空
夕方のマジックアワーや夜空の星を撮影する際にも、GF20-35mmF4 R WRは頼りになります。
夕焼けから夜にかけての美しい色の変化を捉えることができるのは、このレンズの大きな魅力。四隅まできれいに写し出す描写力と、ラージフォーマットの豊かな階調表現で、日が沈む時まで美しい空を楽しめます。
日が落ちるにつれて変わる空の色彩や光の強弱を余すことなく捉え、その場の雰囲気をそのまま写真に閉じ込めることができました。
GF20-35mmF4 R WRを使い、星空撮影にもチャレンジ。周囲に光源があり、星空撮影に適した環境ではなかったのですが、それでも満天の星空をカメラに収めることができました。
開放F値は4ですが、ラージフォーマットと高感度耐性の強さが大きなアドバンテージ。広角レンズならではの広い画角で、天の川をはじめ、夜空に広がる無数の星々を美しく捉えることができます。
GF20-35mmF4 R WRで残したい、広大な北海道の景色
目の前の景色を見たままに広く切り取れる広角ズームレンズGF20-35mmF4 R WRは、夏旅の頼れる相棒。
特に開けた景色が多い北海道との相性は抜群。最後にそんなGF20-35mmF4 R WRで残した初夏の北海道旅の写真を紹介します。
一面に広がる、美しいコバルトブルーの景色。鮮やかな支笏湖と青空を余すことなく切り取ることができるのは、広角レンズの大きな強み。
広角レンズ特有のパースを活かした撮影ができることも、このレンズの楽しいポイント。
きれいなブルーが目を引くルピナスを20mmで撮影。下から煽るように撮影することで、ダイナミックで生き生きとした1枚を残すことができました。
朝の静かな洞爺湖。私が旅した7月上旬の洞爺湖の日の出はなんと朝4時。すっかり寝坊して5時前に撮影した写真ですが、穏やかな湖と日の出直後の優しい色の空が温かく迎えてくれました。
ほんのり残る朝焼けの名残が写せたのも、20mmという超広角のおかげ。
また、GFXはラージフォーマットだからこそ、トリミング耐性に強いところも魅力の1つ。
偶然見かけた白鳥を撮影。このままでは遠すぎる位置にいるものの、トリミングをすることで湖の景色とともに白鳥を捉えた写真を残すことができました。
これもラージフォーマットのカメラを使う大きなメリットですね。
おわりに
超広角~広角までの画角をズームでカバーし、圧倒的な描写を叶える「GF20-35mmF4 R WR」は夏の撮影にぴったりなレンズ。ラージフォーマットということでハードルの高さはありますが、大事な思い出や作品を残すために、ぜひ使ってみていただきたい1本です。
意外と軽く、持ち運びしやすい点も、旅の撮影機材としてぴったり。夏の空や広大な景色をもっと魅力的に写すために、手に取っていただけたら嬉しいです。
■モデル:shirai(@si0so)
■フォトグラファー:Yuri
大阪府在住。「ふんわりかわいい写真」をテーマに、旅先の魅力やカメラの楽しみ方を発信。観光プロモーションに関する撮影をはじめ、家族写真/ウエディング等の出張撮影や、書籍・広告の撮影、写真セミナー講師、記事執筆など、幅広く活動中。