富士フイルム X-T30 レビュー|小型軽量ボディに写真が楽しくなる機能が満載!

ShaSha編集部

富士フイルム X-T30で撮影した観覧者の画像

はじめに

生い茂る木々を撮影した画像
 2019年3月20日に富士フイルムからAPS-CミラーレスカメラX-T30が発売されました。本機種はX-T3やX-Pro2などの本格派機種が並ぶXシリーズの中でも、基本機能はそのままで、お買い求め易い価格や軽量化を施したX-T10・X-T20の後継機にあたる最新機種※です。

※2019年10月現在

 小型軽量ボディに最新の2610万画素「X-TransTM CMOS 4」(*1)センサーと高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載し、究極の高画質を実現します。
 さらに、撮影範囲全域を高精度に捉えるAF性能と、30コマ/秒(*2)の高速・静音連写性能により、幅広いシーンで決定的瞬間を逃しません。
 「FUJIFILM X-T20」で好評の外観デザインを踏襲しつつ、ホールド性を高めた新形状のグリップ、レスポンス性能を向上させたタッチパネルディスプレイ、素早いフォーカス操作が可能な「フォーカスレバー」を採用し、優れた操作性を発揮。

*1 X-TransTMは、富士フイルム(株)の商標または登録商標です。非周期性の高い独自のカラーフィルター配列により、光学ローパスフィルターなしでモアレや偽色の発生を抑えます。
*2 電子シャッター設定時のみ使用可能。1660万画素相当にクロップ(切り出し)したフレーム内で30コマ/秒の高速・静音連写ができます。

 公式HPの引用にもあるように、今回レビューするX-T30は、シリーズ前機種のX-T20から大きなフォルム変更は行わず、フォーカスレバーの採用や新世代センサーの搭載など、細かな機能のアップデートが行われました。気になる機種別の比較も交えてレビュー致しますのでご覧ください。

とにかく軽くて小さい!

X-T30軽量参考画像
 X-T30の売りは、何と言っても小型軽量です。外観寸法は[幅]118.4mm×[高さ]82.8mm×[奥行き]46.8mm(最薄部31.9mm)、重量は約383g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)。ボディだけで見ると500mmのペットボトルよりも軽く、標準レンズであるXF18-55mm F2.8-4 R LM OISが約310gということで、1kgは悠々下回ります。

 大きさも男性の手のひらには正直小さいくらいで、女性の手のひらでは「丁度よい大きさ!」という方も多いと思います。カメラを日常使いで持ち運ぶ際、小型軽量ということは何にも代え難い大きなメリットなのではないでしょうか。

外観の比較と変化

▼正面外観
X-T30の製品画像
 富士フイルムの特徴でもあるレンジファインダーカメラのような外観は、前作のX-T20他踏襲されている印象です。

▼背面外観
背面画像
 背面に関しても、後述するフォーカスレバーを除いて前機種踏襲の印象です。
唯一、各種メニューの変更を行うQボタンが親指グリップ位置に。実際に操作した印象として、ファインダーを覗いたまま直感的にメニュー操作ができるように設計されているように感じました。カスタムメニューとしてフィルムシミュレーションを割り当てておけば、便利ですよね。
 一方で、ボタンがコンパクトである故に、筆者の太い指で押すとQボタンがまれに反応せず、動作スピードがやや遅いことがありました。

▼新たに搭載されたフォーカスレバー
フォーカスレバーの画像
 今回新たに搭載されたフォーカスレバーは、上位機種であるX-T3から受け継いでいる機能です。十字キーがなくなったことで全ての操作を一括に請け負うレバーとなっており、個人的にはAFポイントの変更などがより直感的に操作できるようになった印象です。
 また、フォーカスレバーを長押しするとロックをかけることができ、より一層撮影に集中できる環境を容易に整えることが可能です。

▼富士フイルムならではのダイヤル操作はそのまま
ダイヤル外観の画像
 上部のダイヤル操作は富士フイルムならでは。他社メーカーのカメラを使用していた方だと、シャッタースピードや露出の操作ダイヤルがここにあることに慣れるまで、どうしても苦労します。
 個人的には、Autoに頼らずマニュアルモードで写真を撮る練習をしたい方には、モードの見える化ができるので富士フイルムをオススメしています。

X-T30の色描写について

富士フイルム X-T30で撮影した観覧者の画像

■使用機材:X-T30/ XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
■撮影環境:絞りF10 シャッタースピード1/125 ISO200

松ぼっくりの画像

■使用機材:X-T30/ XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
■撮影環境:絞りF5.6 シャッタースピード1/100 ISO400

アーチ状に生い茂る木々

■使用機材:X-T30/ XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
■撮影環境:絞りF4 シャッタースピード1/200 ISO320

 お客様や知人に聞く富士フイルムの良さの1つとして、「富士フイルムの色表現が好き」を挙げられる方が非常に多いです。実際、私もこの色表現の虜になっているひとりです。
 純粋な色の表現を楽しむJPEG撮って出しを好まれる方はぜひ一度使用してほしいと思います。

 特に筆者が個人的に好んでいる表現は、作例にも多く使用しております通り「緑の表現」です。フィルムや印画紙を長年取り扱い続けている富士フイルムだからこそ、表現ができる柔らかい緑は他のカメラメーカーに真似できないものだと考えております。
 もちろん、これは「筆者の好み」ですのでご覧になられている皆様が「自分の好きな色」というものを探すきっかけになればと考えています。

フィルムシミュレーション

フィルムシミュレーションを紹介している画像

■使用機材:X-T30/ XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
■撮影環境:絞りF5 シャッタースピード1/125 ISO250 露出補正+0.3
■フィルムシミュレーションを使用

 富士フイルムの機種を選ぶ一つの理由といっても過言ではない、「フィルムシミュレーション」はX-T30で全16種選択することができます。80年以上に及ぶフィルム製造で培った富士フイルムだからこそ成しえる、色作りの理念とノウハウが注がれた独自の機能です。
 代表例としてスタンダードな色合いの「PROVIA」や鮮やかな色合いの「Velvia」をはじめ、シネマフィルム調の「ETERNA」、ドキュメンタリーに向く「CLASSIC CHROME」、「ACROS」を含む2種のモノクロ+フィルターなど、多彩なモードを使用することで様々な絵作りをすることができます。

各種機能について

 ここまで述べてきた各種機能だけでなく、もっと他の情報も知りたい!という方は、カメラのキタムラYouTubeチャンネルで詳しく紹介していますので是非ご覧ください。

X-T20との違い

▼前面は、X-T20とほぼ変化がありません
X-T30T20比較_1

■標準レンズXF18-55mm F2.8-4 R LM OISを装着した際の比較

▼背面はフォーカスレバーやQボタンの配置変更あり
X-T30T20比較_2
 前述致しまし通り、十字キーの撤廃・フォーカスレバーの採用・Qボタンの配置変更がされました。チルト液晶も同様で、104万ドットタッチパネル式TFTカラー液晶を採用しています。

▼画素数の向上・新世代画像処理エンジン
 フラッグシップ機であるX-T3と同じ、新開発のイメージセンサー「X-Trans CMOS 4」を搭載し、X-T20の2430万画素を上回る2610万画素を実現しています。富士フイルムの処理エンジンX-Trans CMOSの特徴である独自のカラーフィルター配列により、モアレや偽色を抑制します。
 また、裏面照射型のCMOSセンサーにより低ノイズを維持したまま解像度を向上させ、常用感度もISO160の低感度を可能になっています。

▼詳細の機能比較はキタムラネットショップで可能です!
 その他にも最速30コマ/秒(*1)のブラックアウトフリー高速連写や、全画面約100%をカバーする高速・高精度な位相差AF搭載など、X-T3に搭載されている機能が同様に使用でき、防塵・防滴・耐低温構造の有無で選択を迷われるなんて方も多いと思います。
 もっと詳しい製品比較がしたい!という方は、カメラのキタムラネットショップの比較ツールを使用して確認ができます。

⇒X-T30・X-T20・X-T3の比較サイトはこちら

*1 電子シャッター設定時のみ使用可能。1660万画素相当にクロップ(切り出し)したフレーム内で30コマ/秒の高速・静音連写ができます。

さいごに

作例1作例2作例3

 富士フイルムのAPS-Cミラーレスカメラは「色が良いよね」「ダイヤル操作が難しい…」といった、人によって好みが分かれるイメージがあります。店頭でカメラを販売していた際も、お客様からよくこのような声をお聞きしておりましたので、もしかすると本記事をご覧になられている皆さんも、同様にそう思われている方が多いのではないでしょうか。
 X-T1とX-T20を所持していた事のある筆者としては、好評のある外観踏襲はしつつ、中身には最新技術を搭載するといった、富士フイルムの「ブレない製品ラインナップの姿勢」が垣間見えた気がします。
 小さなボディの中に「写真がもっと楽しくなる」沢山の機能が詰まったX-T30を、ぜひ検討してみてください。

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