マルミ光機マグネットホルダー レビュー|マグネットフレームで簡単装着!

坂井田富三

マグネットホルダー使用作例

■使用機材;SONY α7RⅢ + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1.3秒 絞りF22 ISO50
■使用フィルター:サーキュラーPL+ND1000フィルター+Hard GND16フィルター使用

はじめに

 2019年6月にマルミ光機からマグネットを使って簡単に装着できるフィルターシリーズが発売されました。
 このシリーズは、フィルターホルダーとフィルターのフレーム部分がマグネットになっていて、簡単にフィルターが装着できる構造になっています。
 今までなかったこの発想、非常に気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 という訳で、さっそく使ってみました。

マグネットフィルターシリーズの構成

マルミマグネットホルダー画像
 マグネットホルダーとマグネットフィルターのセットで使用します。
 これが無いと始まらない、フィルターを装着するための「マグネットホルダーM100」100X100mmと100X150mmの角型フィルターが使用する事ができるフィルターホルダーで、これをレンズに装着する。

 ホルダーが薄型になっているので、16㎜のレンズを使用してもケラレが発生することもなく撮影が可能。この専用マグネットホルダーが、フィルターの交換を劇的に早くしてくれます。

風景写真を劇的に変化させる専用フィルター

ソフトグラデーションND

ソフトグラデーションNDフィルター一覧

100×100 ND

100×100マグネットフィルターND一覧

サーキュラーPL for M100

サーキュラーPL for M100

マグネットフィルターのメリット

フィルター装着画像
 風景写真には欠かせないPLフィルターも、マグネットホルダーM100付属の二重枠構造となっているホルダーリングへ装着すれば、ホルダーを使用しなくてもサーキュラーPL for M100単独で撮影する事が可能なアイテム。
フィルターを外した画像.jpg
 PLフィルターと100×150 GNDや100×100 NDを重ねて使用ことができ、各種組み合わせることによって自分だけのオリジナルな風景写真を創り上げる事できます。

 この重ねて使用できるメリットがとても大きいと思います。 PLフィルターを回転させ、位置が決まったらNDフィルターやハーフNDフィルターをホルダーの前面からピタッとマグネットで貼り付けるだけですぐに撮影することができます。
 風景の光の加減は刻々と変化するもの、素早く自分のイメージに合うようにフィルターを調整できるのは大変魅力的ですね。

角型ハーフNDフィルターの効果を実感する

角型のハーフNDフィルター画像
 今回特におススメなのが、角型のハーフNDフィルターです。明暗差の大きな風景を撮影する時に、ハーフNDフィルターの位置調整がとっても簡単にできるのがとても気に入りました。
 ハーフNDフィルターを使用すると劇的に風景写真の仕上がりが変わってきます。

実際の作例で比較

ブラックマジックフィルター画面
 左がフィルター無しのファインダー、右がハードグラデーションND16を付けたファインダーの見え方になります。

 フィルター無しでは空が明るくなりすぎてしまうので、雲の表情がでる程度までマイナス補正をしていますが、明暗差が大きすぎるので結果、岩肌が黒くつぶれ、水面のきらめきが抑えられてしまいます。

 そこでハードグラデーションND16のグラデーション部分を水平線のあたりにセットして撮影すると、空の明るさを抑えて岩肌もしっかりと表現でき、水面のきらめきも表現できました。

ハーフND有り無し.jpg
 別のカットになりますが、実際にハーフNDを付けた画像と付けなかった画像を半分半分にして並べてみました。左側がフィルター無しで、右側がハーフNDフィルターを使用しています。岩肌の表情や太陽周辺の表情は、まったく違って写る事が分かると思います。

角型ハーフNDフィルターとNDフィルターを重ねてイメージを変える

角型ハーフNDフィルターとNDフィルターを重ねて撮影した画像.jpg
 さらにここからもう一歩踏み込んでのフィルターワーク。水面を入れて撮影する場合にはNDフィルターを重ねてスローシャッターで水面の表情を変えていきます。

 右側はフィルター無しでの撮影。左側はNDフィルター4000(絞り12段分+ハーフND16を使用。明るい時間帯でも長時間露光が可能になり、水面の表情をガラっと変える事ができます。明るい時間帯での長時間露光にチャレンジしたい方は、通常使うレベルNDフィルターでなく、思い切ったNDフィルター(1000以上)の使用をおススメします。

良い点、不満な点

 マルミ光機マグネットのフィルターを使用してみて、フィルターとしての精度はとても高いレベルを持っているのもと感じました。
実際に、帯電防止・撥水・防汚コーティングが施されていて、フレア・ゴーストなどの画質低下を防ぐ低反射コーティング仕様になっています。そして何よりもハードコーティングによりコーティングが剥がれにくく、傷がつきにくいのも安心感があります。

 ただ、使用してちょっと不安な要素も少しありました。それはマグネットで装着する故の問題ですが、特に100x150mmのフィルターをセット状態で例えば身体が少しフィルターに当たった場合などにホルダーから外れてしまう経験を一度しました。
(ホルダーの左右に落下防止のネジを締めて固定するものがあるのですが・・・)
このマグネットタイプのフィルターは、カメラに装着したままでの移動等は避けた方が良いと思います。マグネットで簡単に付けはずしができるので付け外しも苦にはならないと思いますし、それ以上のメリットは十分にあるのではないでしょうか。

 風景写真のステップアップには欠かせないフィルター(PL・ND・ハーフND)を使いこなして、さらなるレベルアップを目指しませんか?
岩場でフィルターを使って撮影した画像

■使用機材:SONY α7RⅢ + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:シャッター速度1/50秒 絞りF11 ISO100
■使用フィルター:サーキュラーPL+ND500フィルター+Hard GND16フィルター使用

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