風景写真を撮る人必見!マルミ角型マグネットフィルターの魅力
はじめに
CP+2020にマルミ光機さんのブースで、角型フィルターの魅力についてお話させて頂く予定だったのですが中止になりましたので、その日の為に撮影した写真を使い今回こちらで紹介させて頂きます。マルミの角型フィルターに関して発売直後にレビュー記事を書かせて頂きましたが、それから更に半年ほど使い込みましたので、便利だな~と思った事を交えて、製品の特徴や魅力、使い方について紹介させて頂きます。
マルミ角型マグネットフィルター 5つの魅力
マルミの角型フィルターの魅力は、なんと言ってもマグネットシステムに尽きると思います。他社でも角型フィルターは発売されていますが、マグネットを使ったシステムはマルミだけで、これが使ってみると非常に便利なんです。
魅力その1
最初にホルダーリングにサーキュラーPL for M100を装着。そして専用のマグネットフィルターホルダーM100をセット。この状態でもPLフィルターを回転しやすいように、ホルダーにはフィルターを回転させるギアが下部についています。角型フィルターを重ねて使用した際にも、PLフィルターの微調整が可能な点はとても便利です。
魅力その2
皆さん高濃度NDフィルターを装着した際に、ピント合わせどうしてますか?
当然オートフォーカスは効かなくなるので、マニュアルフォーカスでピントを合わせてから高濃度NDフィルターを装着するのですが、この装着の際に、ねじ込んでいくとピントがズレる場合があって困った経験した人も多いと思います。このM100マグネットシリーズでは、そんな問題も簡単に解決します。M100マグネットの高濃度フィルターであれば、ピント合わせした後もマグネットでワンタッチでスピーディーに装着出来るため、ピントずれの心配やシャッターチャンスを逃す事もありません。
魅力その3
フィルターを重ね使用が簡単。PLフィルター+GNDフィルター+NDフィルターといった3枚のフィルターを重ねて使用する事ができ、フルサイズの16mmでもケラれません。重ねて使用する事でクリエイティブな作品作りが可能になります。
魅力その4
豊富なラインアップ。100×100の角型NDフィルターは、ND4~ND32000まで9種類、100×150の角型GNDフィルターはSoft/Hard/Reverseの3種類でそれぞれGND4/GND8/GND9があり、合計9種類。そして専用のサーキュラーPLと光害カットのStarScapeの2種類のフィルターがあり、合計20種類のフィルターが揃っています。
・各製品はこちらからご覧いただけます。
魅力その5
M100シリーズのフィルターは、すべて帯電防止、撥水コーティング、防汚コーティング、防キズコーティング、デジタルコーティングがされており、様々なフィールドで安心して使用できるフィルターです。特にマグネットフレームを採用している角型フィルターは、他社のフィルター枠のないものに比べて、枠の部分を持って交換作業等も出来るため、フィルターに指紋や汚れが付着するのを軽減できます。
マグネットM100シリーズの使い方
実際の筆者がフィルターをセッティングしている状況を動画で録ってみました。使用しているのは、サーキュラーPLフィルター、100×150 Hard GND8、ND500の3枚を装着して撮影しています。
実際に撮影の際には、角型GNDフィルターの種類や濃度を変更したり、角型NDフィルターの濃度を変更したりして自分のイメージに合うように撮影を繰り返して追い込んでいきます。その為フィルターを素早く交換出来る事は非常にメリットとなります。特に日の出や日の入りのシーンでは、刻々と明るさや空の色合いが変化していきます。そんな変化が激しいシーンでは、このマグネットシステムがとても重宝しますよ。
ND・GNDフィルターの効果
サーキュラーPLフィルター、角型GND(グラデーションNDフィルター)、NDフィルターの効果が分かる写真を見てください。水面のリフレクションを強くする為に、サーキュラーPLフィルターを使用して撮影しています。サーキュラーPLフィルターは、反射を取り除く用途として使用する場合が多いと思いますが、この様なシーンでは、リフレクション効果をあげる方向で使用します。
次に空の明るさと水面の明るさを調整したかったので、サーキュラーPLフィルター+角型GNDフィルターのソフトGND8を使用し撮影しました。
これで、空と水の反射部分が整い撮影したかったイメージに近づきました。しかし水面に少しゴミのようなものが浮いていたり、風があったので少し水面が滑らかではありません。ここで一度GNDフィルターを外して、今度はサーキュラーPLフィルター+角型ND500フィルターで撮影し、露光時間を長くして水面を滑らかになるように撮影しました。
長秒露光の効果がハッキリとでました。水面がとても滑らかに表現することができました。
いよいよ最終イメージに仕上げる為に、サーキュラーPLフィルター+角型ソフトGND8フィルター+角型ND500フィルターの3枚を装着して撮影です。
GNDフィルターは明暗差の激しいシーンなどの調整に、高濃度NDフィルターは明るいシーンでのスローシャッターに効果を発揮します。その為、日の出や日没の明暗差が強い場合や、水辺のシチュエーションなどで使用する場合に欠かせないアイテムです。
例えば水辺の日没のシーンですが、フィルター無しで普通に夕日を撮ると手前の水面等が暗くなります。
GNDフィルターを使用する事によって、明るい太陽の部分を抑えてシャドー部の水面の明るさを引き上げることができます。こういったシーンにはGNDフィルターはとても有効なアイテムです。
さらに水面を滑らかに表現したい場合には、高濃度NDフィルターを追加して撮影する事によって光の道が表現しやすくなります。
日の出直前のグラデーションがとても奇麗な一瞬をリバースタイプのGNDフィルターで整えたのが下の写真です。水平線に太陽が登ってくる直前のオレンジ色に輝く空とブルーの空を飛ばさない様に、GND16フィルターを使用しました。GND16を使用する事によってシャッター速度を遅くすることになり、荒々しい白波の様子を少し穏やかにやさしく表現する事ができました。
こちらは日の出直後のシーン。フィルター無しで撮影してしまうと手前の波がほぼ黒くなってしまうような撮影条件です。水平線でハッキリと明暗差が分かれるようなシーンでは、グラデーションはハードタイプを選択するのがベスト。波の激しさを演出する為に、ND64フィルターを使用して少しだけシャッター速度を落としました。
海の青のグラデーションと、夕方の薄いオレンジ色を引き出すためにReverse GND8を使用して撮影。
最後に夜景や星景写真も撮られる方に使って欲しい光害カットフィルターのStarScape。どのくらいの効果が得られるか、比較撮影をしてみました。
最初の写真はフィルター無し。厚い白い雲がやや黄色く色かぶりを起こしています。
次にStarScapeを装着して撮影してみると、空の雲の色かぶりが無くなっています。
マルミの光害カットフィルターは、有害光を吸収する成分をガラスに練り込むことで、夜空がオレンジ色や黄色に色かぶりする現象をしっかりと抑制する効果があります。
まとめ
マルミマグネットフィルターは、種類も豊富でシチュエーションにあった選択が可能になり、風景写真を撮るうえで必須のアイテムとなりました。最初からいろいろなバリエーションを揃えるのは、金額的に少しハードルが高いのは否めませんが、風景写真をレベルアップしたい方、作品作りをする人には是非使って欲しいフィルターです。
最初は、サーキュラーPLフィルター for M100とマグネットフォルダーM100、そしてGNDフィルターはSoft8、NDフィルターは64と500か1000を揃えるのがおすすめの組み合わせです。