春をもっと特別に。桜を美しく撮る8つのコツ。

小春ハルカ
春をもっと特別に。桜を美しく撮る8つのコツ。

はじめに

■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影設定:F3.2 1/400 ISO125

春といえば桜。淡いピンク色の花が咲き誇る風景は、日本の春を象徴する光景です。
桜の美しさは儚く、短い期間しか楽しめません。
今回は、その一瞬をカメラで残すために、種類別、桜のおすすめの撮影方法をご紹介します!これから始まる春の季節を、魅力的に切り取ってみましょう◎

1.河津桜(カワヅザクラ)

特徴:ソメイヨシノよりも濃いピンク色が特徴。開花時期が早く、2月〜3月上旬に見頃を迎える。花が大きく、長く楽しめるのも魅力。

撮影のポイント

■青空を背景に、鮮やかなコントラストを活かす

■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影設定:F3.2 1/1250 ISO320

河津桜は、ピンクが濃いため、青空を背景に入れると鮮やかに映えます。
花が密集している部分を狙い、フレームいっぱいに桜を入れると、迫力のある一枚に。

■桜を副題にして、空の要素を取り入れる

■使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影設定:F7.1 1/125 ISO250
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
■撮影設定:F4 1/2000 ISO160

桜を撮っていると、飛行機雲や月を見かけることがあります。
そんなときはシャッターチャンス!
桜をフレームの端に配置し、飛行機雲や月にピントを合わせると、ミニマルで可愛らしい写真に仕上がります。

■雨や曇りの日は、しっとりとした雰囲気で

■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影設定:F4.5 1/640 ISO320
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影設定:F5 1/320 ISO320

桜は青空の方が映えそう!というイメージもあるかと思うのですが、実は雨や曇りの日の撮影もおすすめです。
雨に濡れると、花の色がより濃く引き立ち、しっとりとした落ち着いた雰囲気の写真が撮れます。

この時、空はあまり広く入れすぎないのがポイント。
植物の緑や桜のピンクを背景にすると情緒的な一枚に。

■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影設定:F4.5 1/1000 ISO320

さらに、マクロレンズを使って、雨粒がついた花びらをクローズアップするのもおすすめです!
ちなみにマクロレンズで被写体にグッと近づくとピント合わせがシビアになってくるので F値は少し絞って撮影するのがおすすめです。

2.ソメイヨシノ

特徴:日本で最も一般的な桜。淡いピンク〜白に近い色合い。開花時期は3月下旬〜4月上旬。

撮影のポイント

■逆光を活かして、ふんわりとした春の雰囲気に

■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影設定:F2.8 1/2000 ISO200
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
■撮影設定:F2.8 1/1000 ISO100

桜は逆光で撮ると、花びらが透けて柔らかい雰囲気になります。
特に早朝や夕方の斜光は、桜の淡い色と相性抜群!
明るめに撮ると、春らしいふんわりとした印象になります。

■マジックアワーの時間帯を狙う

■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
■撮影設定:F3.2 1/320 ISO100

ソメイヨシノは淡いピンク色が特徴的なので、マジックアワーの時間帯での撮影もおすすめです。
ピンク色の空のグラデーションと淡い桜の融合が相まって、幻想的な一枚を切り取ることができます。

■散った花びらまで楽しむ

■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影設定:F1.8 1/4000 ISO100
■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
■撮影設定:F3.2 1/500 ISO100

桜はとても華やかで美しいので、つい桜の木ばかりを狙いがち。
もちろんそれでもOKですが、ぜひ足元にも注目してみてください!地面に舞い落ちた花びらにも春の風情が詰まっています。
桜の花を手に取ってクローズアップしたり、影や舞い落ちた花びらを画角に入れて足元を入れたり。
春の季節にしか撮れない一枚を切り取ることができます!

3.枝垂れ桜(シダレザクラ)

特徴:枝が垂れ下がる独特のフォルムが魅力。ピンクの濃い品種から淡い品種までさまざま。

撮影のポイント

■降り注ぐ桜をダイナミックに切り取る

■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
■撮影設定:F2.5 1/1600 ISO200

枝垂れ桜の魅力は、まるで桜のシャワーのように降り注ぐ姿。
ローアングルで見上げるように撮ると、ダイナミックな構図になります。

■前ボケを活かして、春の暖かさを表現

■使用機材:Nikon Z 6II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影設定:F3.2 1/1600 ISO200

枝垂れ桜は目線の高さに花があることが多いため、前ボケを作りやすいのが特徴。
人物や手を入れて、優しい春の雰囲気を演出すると、ストーリーのある一枚に仕上がります。
開放F値(f/1.8〜f/2.8程度)で、思いっきりぼかすのがおすすめ!

さいごに

■使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
■撮影設定:F2.8 1/640 ISO250

桜が咲く春の季節は、一年の中でも特別な時間。
私も大好きな季節です。
淡いピンクが景色を彩る光景に、ふわっと優しい気持ちになりますよね。カメラを構えていると、桜の儚さや美しさをより深く感じられる気がします。
同じ桜でも、時間帯や天気、視点によってまったく違う表情を見せてくれるからこそ、何度でも撮りたくなるのかもしれません。

今年もいよいよ桜の季節がやってきますね!
今回ご紹介した撮影のポイントをぜひ参考にしていただき、心に残る素敵な春の写真が切り取れますように。

 

 

■フォトグラファー:小春ハルカ
1995年生まれ、群馬県在住。2015年に初めての一眼レフカメラを購入し、写真を撮る楽しさに目覚める。2023年にフリーランスとして活動を開始。淡く華やかな世界をコンセプトに、自然風景や季節の花、何気ない日常のシーンなど「心が動く瞬間」を撮影。企業タイアップや観光PR撮影、写真系メディアの記事執筆、写真講師など幅広く活動している。

 

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