【ファミリーフォト】ニコンD5500・D5600を使った撮影テクニック!Vol.1|水咲奈々
はじめに
この連載では、自身も6歳のやんちゃ盛りの息子を持つ写真家・水咲奈々が、ニコンD5500・D5600を使ってファミリーフォトを撮る方法をレクチャーします。これからお子さんや家族の写真を撮ろうと思っている初心者の方、動き回る子どもを相手にいつも記念的な写真しか撮れない方、笑顔でピースの子ども写真にマンネリを感じている方、家族の想い出を彩る素敵な写真が撮れるようにお手伝いします!
元気いっぱいに飛んだり走ったり、止まることを知らないかのように動き回る子どもの姿には感動さえ覚えますが、いざ写真を撮るとなると「お願いだからじっとしてて!」と思ってしまうこともありますよね。記念すべきVol1は、レンズ交換式カメラのメリットでもある大きなボケを使って、記念写真を脱した雰囲気のあるキッズ・ポートレートの撮り方をレクチャーします。
「ボケ」を作りましょう!
まず、記念写真を脱するためには大きなボケを作りましょう。背景がはっきり写っている写真はどこに行ったかがわかっていいのですが、人物が浮き立つような背景がボケた写真は、お子さんの表情が一層引き立ちます。
・F1.4
・F5.6
■D5500 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G ISO100 WBオート
開放値のF1.4で撮影した写真(上)は、後ろのぬいぐるみがボケているので、手前の赤ちゃんが主役として引き立っています。F5.6で撮影した写真(下)は、後ろのぬいぐるみと壁紙の主張が大きいので、赤ちゃんの表情よりもどんな所で撮影したかが気になる写真に仕上がっています。
このような大きなボケを作るためには、開放F値の小さい、いわゆる大口径の明るいレンズを使いましょう。F値の小さいズームレンズもありますが大きくて重いものが多いので、荷物の多いファミリー層には軽くてコンパクトな単焦点レンズがお勧めです。
D5500、D5600に最適!単焦点レンズの選び方
ニコンD5500とD5600と相性のいい、ポートレート撮影に向いている単焦点レンズですが、キットレンズしか持っていなくて、初めて単焦点レンズを購入される方は「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」がお勧めです。
実際に持ってみるとわかりますが、とても小さくて軽いので気軽に持ち歩けます。D5500とD5600に装着すると75mm相当になり、ポートレートに大切な大きなボケが得られやすい画角になります。そして何よりコスパがいい!
いきなり高価なレンズを買うのも持ち歩くのも不安な方は、ぜひこのレンズでキットレンズでは見ることのできなかった、大きくて綺麗なボケを楽しんで頂きたいです。
というのは、ボケの大きさはレンズのF値と比例しますので、たとえば開放値がF3.5のレンズとF1.8のレンズでは、F1.8のほうが大きなボケを得られます。今までどんなに苦労してもできなかった大きなボケを簡単に作り出せるのが、大口径の単焦点レンズなのです。
単焦点レンズは何本か持っているけど、どれもしっくりこない単焦点レンズジプシーの方には「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」がお勧めです。D5500とD5600に装着すると87mm相当の画角になります。前述の「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」より大きさ重さ金額ともにアップしますが、このレンズを使えば写真の腕が2~3段上がった気分になれます。ボケの大きさはもちろん、人肌のグラデーションを繊細に美しく描き出してくれるので、お子さんの成長を美しく記録するのに最適なレンズです。人物を撮るのにはこれ一本持っていれば他のレンズはいらないほどです。これからもポートレートを撮り続けたい方は一生使える筆者一押しのレンズですので、ぜひご一考ください。
シャボン玉で、一味違う写真が撮れる!
■D5500 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G F1.4 1/1000秒 +0.3EV ISO100 WBオート
大きなボケを作れる単焦点レンズをカメラに付けていざ撮影となっても、肝心のお子さんがカメラの前にいてくれないと写真は撮れませんよね。お子さんの笑顔を引き出しながら、一ヶ所にじっとしてもらうお勧めの方法は「シャボン玉」です。
■D5500 AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G F1.8 1/1600秒 +0.7EV ISO400 WBオート
シャボン玉はどんなものでも構いませんが、ストローや小さな穴から息を吹きかけて膨らませるタイプにしましょう。そうすると、走り回るとシャボン玉が作れない、上や下を向いてしまうとシャボン液が垂れてしまうので、必然的に立ち止まって顔が正面を向きます。
■D5500 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G F2.2 1/1000秒 +0.3EV ISO100 WBオート
また、楽しいことをしているときは何も言わずとも笑顔が出ます。「笑って!」と命令するのではなく、思わず笑顔になってしまうようなシチュエーションを作って、お子さんが楽しんでいる瞬間を撮影しましょう。絞りは開放からF2.8くらいで背景とお子さんの距離を離すことで後ろに大きなボケを作り出すことができます。
最後に
■D5500 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G F2.2 1/1000秒 +0.3EV ISO100 WBオート
背景の大きなボケがあるからこそ、喜怒哀楽豊かなお子さんの表情が更に活き活きとして引き立ちます。笑顔でピースだけではない、その時にしか見られないかわいい表情のすべてを写真に残す気持ちで、たくさんシャッターを切ってください。30~40枚撮って1枚いい写真があれば上出来!という気持ちで、気負い過ぎずに楽しく撮影するのがファミリーフォトの基本です。これから暖かくなってきますので、お子さんとの楽しい一枚を残すために、カメラとシャボン玉を持って遊びに行きましょう!