日々を美しく切り取る、ニコン NIKKOR Z DX 24mm f/1.7の魅力

鎌田風花
日々を美しく切り取る、ニコン NIKKOR Z DX 24mm f/1.7の魅力

はじめに

みなさんこんにちは、フォトグラファーの鎌田風花です。

2023年6月、ニコンから軽量で明るい単焦点レンズ「NIKKOR Z DX 24mm f/1.7」が登場しました。
APS-CサイズのZマウント単焦点レンズは今までラインナップに無かったので、待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。Z fcを愛用している私もその一人です。そして今回、光栄なことにそんな期待大のレンズ作例の撮影を担当することができました。

24mm(35mm判換算で36mm)ということもあり、日常で使い勝手の良い画角です。レンズ作例では日常の風景やスナップなど、思い立った時にカメラを構えるシーンを想定して撮影しました。

片手にすっぽりと収まってしまうくらい小さくて軽い(約135g)レンズですが、まずこの小さいレンズのf/1.7でどこまでボケ感を表現できるのかという点が気になりました。ここでは、レンズの実際の使用感などをお伝えしたいと思います。

写真が楽しくなるボケ感

■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/4000秒 ISO100

十数年前、写真やカメラの知識があまり無かった私は、写真が好きな友人に助言をもらいつつ単焦点レンズを初めて使いました。明るい単焦点レンズで撮影した時、綺麗にボケた写真が撮れてなんだかとても写真が上手になったような、写真って楽しい!という感覚になったのですが、このレンズもまさにそれを体感できると思っています。

■撮影機材:Nikon Z 50 + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/160秒 ISO100

家で撮影をする時、背景に生活感が出てしまうことがありますが、背景を大きくぼかすことによってすっきりとした印象を与え、被写体が際立ちます。

■撮影機材:Nikon Z 50 + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/250秒 ISO100

ピントの合っている狭い範囲の葉っぱの質感はしっかり残りつつ、背景の光が綺麗な玉ボケになっています。ボケ感の滑らかさが美しいと感じました。

NIKKOR Zならではの表現力

■撮影機材:Nikon Z 50 + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/3.2 1/4000秒 ISO100

NIKKOR Zレンズの特徴として描写力の高さや高解像度であることはもちろん、癖のないクリアな透明感を表現できる点も気に入っているのですが、このレンズもその特徴が備わっていると感じました。西陽が強い時間帯、雲のディテールも残しつつ滑らかな階調で撮影することができました。

■撮影機材:Nikon Z 50 + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/400秒 ISO125

Zレンズは色乗りも良く、撮りたいと思った瞬間の雰囲気や色をより忠実に表現してくれます。この写真は撮って出しのものです。花びらの色味や光に透けた質感がお気に入りの1枚です。

■撮影機材:Nikon Z fc + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/2.8 1/4000秒 ISO100

もちろんボケ感だけでなく、シャープな写りも実感できます。引きも寄りも表現力は高く、様々なシーンで生かすことのできるレンズである上にコンパクトで軽量なため、私の場合は旅行に持って行くレンズの1本として重宝しています。この単焦点レンズと広角から望遠までカバーできるズームレンズがあれば、旅の撮影も安心です。

室内や光の少ないシーンでも活躍する

■撮影機材:Nikon Z 50 + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/640秒 ISO250

室内で撮影する場合、どうしても明るさが十分ではないことが多いですが、明るいレンズであれば暗いシーンで動く被写体をしっかりと捉えることも可能です。ISO感度を高く設定しなくても良いので高画質な状態で撮影することができ、レンズの描写力を実感できます。

■撮影機材:Nikon Z 50 + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/125秒 ISO250

この写真も光が少ない夕暮れの時間帯で撮影しました。暗めですが特にAFが迷うことなく猫の目にピントが合い、毛の柔らかな質感も表現できているように感じます。愛犬や愛猫の可愛い仕草を失敗せず撮りたい方も多いと思います。暗くてブレてしまう可能性が高いシーンでもしっかりと捉えることができるので、撮りたい瞬間を逃すことが減ります。動物撮影時はAFエリアモードでオートエリアAF(動物)に設定することをおすすめします。

このレンズをおすすめしたい人

Nikon ZシリーズのAPS-Cカメラ(Z fc / Z 30 / Z 50)をお持ちで、今までキットレンズで撮影されていた方にはぜひ、2つ目のレンズとして使ってみていただきたいです。もちろんキットレンズ(Z 28mm f/2.8 SE、Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR)も申し分ない性能です。ただ、Z DX 24mm f/1.7はさらに写真の表現の幅を広げてくれるレンズです。屋外屋内問わず使いやすい画角であり、暗い場所でも手持ち撮影が可能な明るいレンズで、大きなボケ感が写真を撮ることをより楽しくしてくれます。

■撮影機材:Nikon Z 50 + NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
■撮影環境:f/1.7 1/125秒 ISO100

さいごに

ここまで読んで頂きありがとうございます。このレンズは、日々の何気ない情景を瞬間的に切り取ることができるような、気軽に使えるものだと思っています。何かひとつでも、お役に立てることをお伝えできていると幸いです。私のInstagramTwitterのアカウントでも今回のレンズの作例を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

 

 

■フォトグラファー:鎌田風花
兵庫県在住。一般企業への就職を経て2017年よりフォトグラファーとして活動。ナチュラルで透明感のあるポートレートや風景写真を得意とし、家族写真の出張撮影や広告撮影、写真セミナーの講師などを務める。
近畿日本鉄道「わたしは奈良派」広告掲示(2023年春/夏)その他カメラ、レンズのパンフレット撮影など。Nikon CP+ステージ登壇(2022年/2023年/2024年)

 

 

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