ニコン NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sで撮る、幻想的な紫陽花写真の残し方
はじめに
じめじめとした毎日が続く梅雨シーズン。写真を撮る気力がなかなかわかない…という方も多いのではないでしょうか?
そんな時でも楽しめる被写体が、紫陽花。雨の中しっとりと咲く姿も、晴れた日にきらきらとした木漏れ日が落ちる姿も美しく、梅雨の時期の撮影を楽しませてくれます。
今回はそんな紫陽花をNikonのマイクロレンズ「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」を使って撮影した写真をご紹介。紫陽花撮影と相性が抜群な「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」の魅力、天気や場所を活かした撮影アイデア等をお伝えします。
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sとは
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは、2021年6月25日に発売されたNikon Zシリーズのマイクロレンズ(マクロレンズ)。
最短撮影距離はわずか0.29mということで、ダイナミックに被写体に寄った表現を楽しむことができます。
105mmという中望遠の焦点距離を持つため、圧縮効果で大きなボケを表現したり、被写体の形を美しく捉えたりすることが可能。開放絞り値は2.8であり、マクロレンズとしてはもちろん、通常の単焦点レンズとしても活躍し、お花やポートレート、フードや小物など、様々な撮影シーンで活用できます。
NIKKOR Z レンズの中でも、さらに高い基準を満たしたレンズの証である「S-Line」の称号を持ちつつ、重さは約630gと比較的軽め。
持ち運びがしやすく、1本ではもちろん、他のズームレンズと併せて持って行くことで、多彩なシーンに対応できます。
マクロの距離だからこそ引き出せる、紫陽花の魅力
紫陽花の花といえば、丸くこんもりとしたフォルムを思い浮かべる方が多いと思います。
その姿も紫陽花の魅力の1つですが、マクロレンズを持っているならば、ぐっと寄った1枚にチャレンジしてみることもおすすめ。
105mmの焦点距離を使い、クローズアップしつつ、しっかりと寄って撮影をすることで、写真のフレームいっぱいに紫陽花を入れて撮ることができます。
マクロで撮ることによって、小さな飾り花一つひとつが主役となり、遠くから見ているだけではわからない、華やかな世界を表現することができました。
通常のレンズではここまで寄って撮ることができないものが多く、大きな紫陽花を狙わない限り、葉っぱなど他のものがフレーム内に入ってしまうことが多いです。
105mmという中望遠の焦点距離と、最短撮影距離0.29mの性能を持つこのレンズだからこそ撮れる世界に、夢中になります。
雨や夕暮れを味方につける、手ブレ補正&防塵防滴機能
晴れた日の写真も素敵ですが、しっとりとした空気感が似合う紫陽花だからこそ、雨や曇りの日に撮影したいという方も多いのではないでしょうか。
雨や曇りの日は、どうしても暗さ故の手ブレが気になるところですが、このレンズは補正効果4.5段の手ブレ補正(VR)機構が搭載されているため、ブレを心配せずに撮影に臨むことができます。
日が沈みかけている時間帯でも、手ブレ補正が効果を発揮します。
こちらの写真は、月をメインに、副題に紫陽花を置いて撮影。
暗い時間帯かつ、下から見上げる少し無理のあるアングルからの撮影で、手元は安定していなかったのですが、手ブレ補正のおかげでストレスなく撮り終えることができました。
また、防塵防滴機能が搭載されているため、雨の日の撮影も安心。
こちらは、小雨が降りしきる中で撮影した1枚。花びらに落ちる雨粒が、紫陽花をより幻想的に見せてくれます。
雨の中での撮影は機材の心配もあるので、防塵防滴機能がないと、どうしても消極的になってしまうもの。
もちろん程度にはよりますが、防塵防滴機能&手ブレ補正機能が搭載されているこのレンズだからこそ、小雨の撮影を決行し、お気に入りの1枚を残すことができました。
105mmの焦点距離を活かす、紫陽花ポートレート
このレンズはマクロ撮影で使えることはもちろん、通常の中望遠単焦点レンズとして活用できることも嬉しいポイント。
特におすすめなのは、105mmの焦点距離が活かせるポートレート撮影。
広角レンズと比較して写りの歪みが少なく、モデルさんとの程よい距離感を取りながら、ボケ感を活かした背景処理がしやすいため、非常に使い勝手が良いです。
圧縮効果でお花をぎゅっと引き寄せて写すことで、紫陽花が密集して咲いている様子を表現。
広すぎず狭すぎない画角だからこそ、周りにいる人やものを写さず、モデルさんと紫陽花だけの世界を切り取りやすいです。
105mmのマクロレンズであることから、大胆に寄ったカットが撮りやすいことも魅力的。
手元×紫陽花などパーツを入れて撮る際にも、自分の中での「理想の距離感」を細かく調整しながら撮影することができます。
大きなボケを活かして表現する、幻想世界
105mmという中望遠の焦点距離かつ開放絞り値がF2.8であることから、大きなボケを表現できることもこのレンズの魅力の1つ。
こちらは晴れた日にF2.8で一輪の紫陽花を撮影したカット。後ろに生える緑が玉ボケとなり、きらきらと美しい世界に。
被写体と背景の距離が離れている、抜けの良い背景を狙うことで、柔らかなボケを取り入れることができます。
また、被写体にぐっと寄れるマクロレンズならではの強みを活かし、前ボケ・後ろボケを大きく入れることも可能。
紫陽花のガクや真花、花に落ちた雫など、小さな主役に思い切って寄ることで、他のレンズではなかなか表現できないふんわりとしたボケの世界を残すことができました。
おわりに
雨のシーズンを美しく彩る紫陽花は、梅雨時に出会える楽しみの1つ。レンズを変えるだけで、表現できる世界を大きく広げることができます。
ぜひマクロも含めて撮影にチャレンジしていただけると嬉しいです。
■モデル:水木彩也子(@sayako.07)
■フォトグラファー:Yuri
大阪府在住。「ふんわりかわいい写真」をテーマに、旅先の魅力やカメラの楽しみ方を発信。観光プロモーションに関する撮影をはじめ、家族写真/ウエディング等の出張撮影や、書籍・広告の撮影、写真セミナー講師、記事執筆など、幅広く活動中。