ニコン Z 9 + Z 24-200mm f4-6.3 VRの組み合わせで、夏の旅!
はじめに
カメラ1台レンズ1本で出掛けるなんて、撮影の仕事ではなかなかできないスタンス。でもプライベートの気軽な旅なら、カメラ1台レンズ1本だけの縛りで行くのも楽しい。これから夏本番、東北地方のお祭りの開催ニュースもちらほら耳にする中、青森県の4大祭り「五所川原立佞武多」「弘前ねぷたまつり」「八戸三社大祭」「青森ねぶた祭」のショーが楽しめる、星野リゾート 青森屋で夏を先撮り!してきました。
Z 9は構図に集中
カメラグランプリ2022大賞に選ばれたニコンZ 9は、露出から手ブレ補正、オートフォーカスまで、何から何まで至れり尽くせりのカメラ。撮影者がやることはたった1つ!構図を考え、それに集中すること。今回は星野リゾート 青森屋で毎晩開催されるショー「みちのく祭りや」を撮影してきました。
舞台の照明が明るくなったり暗くなったりする中、感度自動制御とオートフォーカスを使えば全くストレスなく、構図だけに集中することができます。しかしながら「全てをカメラに任せるのもどうなのよ」ってことで、わざと舞台の奥にあるねぶたの山車に露出とピントを合わせて、手前で踊る人をシャドウにして遊んでみました。カメラの性能がいいと、違う構図を考える時間や露出遊びをする余裕もできますね。
AFエリアモードの「オート」+「人物」に底力を見た
フォーカスのAFエリアモードを「オートエリア」にし、さらに「人物」に設定すると、人物の瞳に自動でピントを合わせてくれる機能で、カメラが画面上に瞳がないと検知すると、頭部にすばやく切り替わり、そこにピントを合わせてくれます。なんと賢いカメラ!そして、なんといってもAFが速いのです。
また「オートエリア」で「動物」に設定しておくと、舞台の途中で、突然虎が出現しても、虎にきちんとフォーカスしてくれるからいうことなし。舞台やお祭りの撮影にはとても便利です。ねぶた祭りは、跳人の足が特徴的。ピントはカメラの瞳認識に任せて、撮影者はぜひ足の動きがいい感じのところでシャッターを押してみてください。
旅向きズームレンズ、Z 24-200mm f4-6.3 VR
旅に出ると風景から街角スナップ、テーブルフォトまで何でも撮れるズームレンズが便利です。NIKKOR Z 24-200mm f4-6.3 VRの焦点距離は24mmから200mmまであるから、とてもお得!しかし、旅の楽しみの一つでもあるテーブルフォトで、どこまで近づけるかが気になるところ。調べてみると24mmを使用時は50cm、200mmを使用時は70cmまで近づけるとあるじゃないですか!それなら旅先で出会った郷土料理やお土産も撮ることができます。
望遠側の200mmを使えば遠くに橋を渡る馬車もバッチリですし、広角側の24㎜を使えば自分が泊まったお部屋も撮れます。部屋を撮るときは、水平垂直をきちんとまっすぐにすると重厚感が出ます。また食べ物はぐーっと近寄って、どの部分をポイントにしたいか決めることが大事です。そして、シズル感を出すには、逆光気味で撮ると良いでしょう。
まとめ
写真を撮る旅は、撮ることに集中しすぎて、なかなかカメラを手放してゆっくりすることが難しいものです。でもこのカメラとレンズの組み合わせならサクサク撮れるので、時間に余裕がでることが判明。カメラを置いて、自然の美味しい空気で深く深呼吸、ゆっくり鳥の声に耳を傾け、次は何を食べに行こうかなど考えられます。写真以外のことも考えたり、やってみたりすると、それらはいつか写真芸の肥やしにもなること間違いなし。さあ、カメラを持って夏祭りへ!
●協力:星野リゾート 青森屋
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/aomoriya/
■写真家:山口規子
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会理事