映える水族館がぞくぞく誕生!全国絵になる水族館めぐり撮影旅~兵庫・四国編~
はじめに
皆さんこんにちは!写真家の虫上です。未だコロナ過ですがどんどん新しい施設が誕生していますね。水族館も同様に新しい施設が誕生していて、今回訪れた水族館はすばらしい工夫がされていてとても感動しました。特に廃校をリノベーションした水族館はこれからのサステナビリティな時代には大注目です。
さて、今回は四国と兵庫県の水族館6館を取材してきましたので皆さんも興味がある水族館に訪れてみてください。
【兵庫】水族館と美術館のコラボレーション「átoa(アトア)」
水族館átoa(アトア)の外観。名前も看板も無い、まるで美術館のような外観でとても水族館とは思えません。私には立体駐車場に見えていました(笑)。
入り口からこんな感じで、水槽よりも建物内部の魚の形をしたライトアップが主役になっていますね(笑)。魚眼レンズを使用して周りの空間を多く取り入れ、青の照明と補色となっている入口に人物を配置して作画してみると女性が引き立ち、とても絵になりました。しかしながらこのショットは魚の写真ではありませんが…。
もちろん魚の写真も。最近の新しい水族館は展示の仕方がとても自然な感じで表現しているので、撮影してもご覧の通り、とても幻想的に撮影できます。
この水族館はとても照明に凝っていて、泳いでいる鯉や樹木などもこのような色彩で表現できます。ただ、実際の色ではないため、あくまでデザイン的に撮影するのがポイントです。上の写真はわざと落下防止の網も取り入れて作画しました。
この水族館の目玉である球体大水槽。水族館が出来た直後に撮影した球体水槽です。この時はまだサンゴが小さくてあまり絵になりませんでした。とても幻想的で、しかも周りに椅子があるのでゆっくりと見学もできる配慮がなされていました。右端の見学者を少し入れて奥行きを出しています。
約半年後に撮影した球体水槽。サンゴも発達していい感じになっていました。このような被写体に対峙すると、どうしても周りの環境に気を取られがちですが、球体の内部の変化も作画には影響していることが判りますね。ちなみにこの作例はOM-1のアートフィルター・ネオノスタルジーを使用しました。
こちらは所有している水晶玉を使用して、球体+球体&玉ボケの不思議で楽しい感じをイメージして作画してみました。
この写真は人物のシルエットを入れて。不思議そうに球体を見ている女性。物語性を表現してみました。
撮影が終了してごはんタイム。地下のフードコートの上部にもこのようなお洒落な水槽があります!
■átoa(アトア)
入館料金は、大人(中学校以上)2400円、子ども(小学生)1400円、幼児(3歳以上)800円。営業時間は10時00分~21時00分(入場は20時まで)。
展示規模 ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
撮影向き ★★★★☆
お勧め度 ★★★★☆
【兵庫】廃校を奇麗にリノベーション「みなとやま水族館」
上でご紹介しましたátoaからほど近い場所にある、今年7月1日にオープンしたばかりのみなとやま水族館へ訪問してみました。廃校をリノベーションした、非常に工夫が施された水族館です。
ゆっくりと水槽を見学できるように水槽の前にビーズクッションが置いてあり、写真撮影もとてもじっくりできます。また、靴を脱いで水槽を見られるスペースもありました。とにかく落ち着いて撮影できます。
廃校をリノベーションしただけでなく、椅子の高さや本棚の配置など、非常に計算されて設計している水族館にただただ感心しました。この水族館の設計図が展示室に置いてあるのは、そういったアイデアの素晴らしさをアピールしたかったためでしょうか。
小さなお子さんが居る家族などにもとても良い環境だと思いました。
映り込みに視点を置いて右端の空間を大きく取り入れて作画してみました。
実は写真撮影という視点でこの水族館の一番感心したことは、小さな魚しか展示してないことでした。幼魚は小さいのでじっくり見ないと観察できず、また、非常に肌(体)が奇麗なので、撮影すると魚の姿が美しくかわいらしく表現できます。
上の作例のように、必然的に近くに来た小さい魚にピントを合わせますので、自然と背景のボケ具合もいい感じにボケて絵になります。
■みなとやま水族館
入館料金は、大人1200円、小・中学生600円、幼児(3歳以上)300円。営業時間は10時00分~18時00分(入館は17時まで)。有料駐車場あり。
展示規模 ★★☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
撮影向き ★★★★☆
お勧め度 ★★★★☆
【兵庫】日本海に面した老舗巨大水族館「城崎マリンワールド」
そのおどろき、水族館以上!?という謳い文句の城崎マリンワールド。こちらは逆に小さい魚では無く、大きな魚でインパクト勝負という感じでしょうか。期待感が高まります。
ダイナミックなイルカショーや大きなセイウチなど、確かに目を引く被写体が多いです。上手く調教されていてシャッターチャンスも多いです。
新しいエンターテインメント性がある、円形水槽。この周りをぐるぐると巨大なブリが泳いでいて、餌を撒くと凄いスピードで魚が周りはじめて歓声があがります。
タカアシガニはあえてモノクロで表現してみました。
巨大水槽を上や下、水面ギリギリと自由に見られる部分があり、撮影位置によって様々な表現が出来ます。動画でも撮影しましたので、どの撮影位置でこのような写真が撮影できるのかが判ると思います。
■城崎マリンワールド
入館料金は、大人2600円、小人(小・中学生)1300円、幼児(3歳以上)650円。営業時間は9時30分~16時30分(最終入場は閉館の30分前まで)。有料駐車場あり。
HP:https://marineworld.hiyoriyama.co.jp/
展示規模 ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
撮影向き ★★☆☆☆
お勧め度 ★★☆☆☆
【香川】写真好きにはたまらない撮影ポイントが満載!「四国水族館」
四国では比較的新しい大規模な水族館をご紹介しましょう。私の自宅からでも案外近いので結構な回数で訪れている場所でもあります。3Dマッピングの部屋もあるなど、この水族館はとても写真映えするスポットが多く、自然とシャッターを切る回数が多くなる傾向にあります。
目の前にはシンボルマークのゴールドタワーがあり、場所も判りやすい立地に存在しています。
まずはイルカの水槽がお出迎えしてくれます。定番となっていますがシルエットの人物を入れて。
こちらはハンマーヘッドシャークの円形水槽。魚眼レンズで周りの空間を取り入れました。とても絵になりますね。
ペンギンの水槽。半水面撮影も出来ますので背後の人物を取り入れて作画しました。
水面の反射模様を取り入れてみると、とてもデザイン的で涼し気な雰囲気の表現が出来ました。
アシカの水槽。ちょうど掃除をしている飼育員の方がいたので添景に。これだけ頻繁に掃除をしているからこそ奇麗な絵になるんですね。ほんと、ご苦労様です。
夕暮れ時もシャッターチャンスが待っています。多重露光機能を使用したかのように見えますが、水槽の反射をわざと利用して逆光で表現してみました。動画でシルエット人物の位置がシャッターチャンスなのかが確認できます。
さて、夏季限定のプログラムである、サンセットイルカショーが始まります!今回はこれを目当てにしていました!
トレーナーさんが高くあげたボールを目掛けてジャンプするイルカ。使用したミラーレスカメラOM-1の電子シャッター連写機能を使い、秒間20コマ撮影でこのようなショットも簡単に撮影できました。
予想通りの夕景の景色でまるで絵画のような雰囲気で撮影できました。下の風景の部分をトリミングすると部屋のインテリアにもなりそうですね。
実際はどんな様子なのか動画でも撮影しましたので行かれる方は参考にしてください。
■四国水族館
入館料金は、大人(高校生・16歳以上)2200円、小中学生1200円、幼児(3歳以上)600円。営業時間は9時00分~18時00分(最終入館時刻は17時30分)。有料駐車場あり。
HP:https://shikoku-aquarium.jp/
展示規模 ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
撮影向き ★★★★☆
お勧め度 ★★★★☆
【高知】奇麗な水槽でタコクラゲの乱舞を撮影できる!「足摺海洋館 SATOUMI」
次に訪れたのは四国の最西端の足摺岬。ここにも新しい水族館が誕生していました。
入り口で出迎えてくれたのはダイバーなら思わず笑みがこぼれる、ウミウシポスト。私は入口の看板より真っ先に撮影しました(笑)。
下の3枚の写真は水槽を斜めから撮影して、アクリル板の虹色を出してカメを入れたり、カメラをわざと斜めに構えてみたりしながら常識にとらわれない撮影を試みてみました。
非常に美しい水槽の中を沢山のタコクラゲが泳いでいました!質感も奇麗に表現できて満足です。
■足摺海洋館 SATOUMI
入館料金は 大人1200円、小人(小学生~高校生)600円。営業時間は9時00分~17時00分。無料駐車場あり。
HP:https://kaiyoukan.jp/index.html
展示規模 ★★☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★★
撮影向き ★★☆☆☆
お勧め度 ★★★☆☆
【高知】廃校をリノベーションする先駆けとなった水族館「むろと廃校水族館」
最後に訪れたのは廃校水族館の先駆け的な存在の高知県・室戸岬のむろと廃校水族館です。ここは神戸に出来たみなとやま水族館とはまったく異なり、本当に廃校をそのまま活用した水族館でした。
水族館というか、学校の文化祭のようなノリでこれはこれで楽しくなりますね。
跳び箱の中に金魚の水槽が!随所にアイデアが溢れていました。
中型の水槽では2種の色違いのエイが居ましたので重なった瞬間を。
「シルエットとシュモクザメ」
この水族館の目玉でもある、スイミングプールに泳ぐシュモクザメです。しかし現在このプールはカメが居るそうです。夕方のフェンスや街灯の影が入る時間帯がお勧めです。
少し痛々しい表現ですが亀の甲羅についたフジツボを主役にしてみました。生き抜くという生命の強さを感じさせるように作画しています。
■むろと廃校水族館
入館料金は、大人(高校生以上)600円、子供(小・中学生)300円。営業時間は4月~9月が9時00分~18時00分、10月~3月 9時00分~17時00分。無料駐車場あり。
HP:https://www.city.muroto.kochi.jp/pages/page0343.php
展示規模 ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★★★★
撮影向き ★★☆☆☆
お勧め度 ★★★☆☆
まとめ
今回は四国と兵庫県の水族館を巡ってきましたが他にも沢山の水族館を訪れました。掲載できなかった水族館も素晴らしいスタッフや人気者の動物が居たりして、とても魅力的な水族館ばかりでした。すべての水族館を掲載できなかった理由はこの記事の趣旨である、写真的に絵になる水族館をメインとした記事なので、そこのところはご理解いただけると幸いです。
最後に今回、新しく水族館用にカメラリュックを購入しましたので紹介して終わりたいと思います。次回はいよいよ関西編となります。お楽しみに!
バンガード VEO SELECT 45M
▼商品ページ
https://shop.kitamura.jp/ec/pd/4948271762042
今まで使用してきたリュックのように、カメラを上部から取り出せるので、三脚のエンドフックにバッグを引っかけてもカメラを取り出すことが出来ます。
このリュックは背面からカメラやレンズなどの機材を出し入れできることが大きなメリットでした。このように開口部が大きく開くので、一目で小道具も確認でき取り出しやすいです。
リュックを背負ったらこんな感じです。前に使用していたリュックより厚みもやや少ないので、水族館のような人混みでもあまり邪魔にならないかと思いました。
■写真家:虫上智
1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事。地元のカメラ店で撮影業務などを学び2000年に独立。現在はスタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査、講演等を受け持つ。ライフワークでは心象風景、自然写真、水中写真を撮影。
日本写真家協会(JPS)会員、日本写真講師協会 認定フォトインストラクター、OM SYSTEMゼミ講師、フォトカルチャークラブ講師、フォトマスターEX(総合)一級