穴場な無料水族館や古民家をリノベーションした水族館まで!全国絵になる水族館めぐり撮影旅~北陸編~
はじめに
全国の水族館ファンの皆さんこんにちは、写真家の虫上です。前回は東京での写真展と水族館本の出版が重なっていましたので、急遽関東編を先に投稿しました。
ということで北陸にお住いの方々、大変お待たせしました。北陸方面の水族館を巡った合計7館の大ボリュームな記事ができましたので紹介していきたいと思います。やはり実際に行ってみるとその土地ごとに特色がある魅力的な水族館ばかりでした。
【石川】ジンベエザメやプロジェクションマッピングの回廊で有名な「のとじま水族館」
のとじま水族館は能登半島の能登島にあり、七尾北湾に面した高台の場所にありました。日本海側で唯一、ジンベエザメも飼育されているということで建物の外観でもジンベエザメを推していました。
まずはジンベエザメのいる大型水槽へ案内してもらいました。この水槽は他の水族館では見られない、水面からもジンベエザメが見られるとのことでした。また、強い太陽光に似せた作りの照明はとても幻想的な空間を演出していますので、まるで光芒の中にジンベエザメが泳いでいるかのような写真が撮影できました。
円形窓は他の水族館ではメジャーな演出方法ですが、ジンベエザメを窓の中に入れることが出来るのが良いですね。なんでも目の前の海で網にかかっていたジンベエザメを展示しているということでした。筆者が伺った時には2頭のジンベエザメが展示されていました。
イルカの円形窓(左)もあります!
訪れた日は快晴でしたので、降り注ぐ太陽光で水中トンネルとイルカを撮影できました。
面白いアザラシのトンネルやペンギン散歩などのイベントも充実しています。
私のイチオシ撮影ポイントである能登回遊回廊です。
のとじま水族館のイチオシ展示&日本海側の水族館としては初めてとなるプロジェクションマッピングを使用した、その名も「能登回遊回廊」はとてもフォトジェニックな空間演出で思わず撮影したくなります。他にもルーペ水槽やアクリル観察ドームなどアイデアが盛りだくさんの水族館です。
■のとじま水族館
入館料金は一般(高校生以上)1890円、中学生以下(3歳以上)510円、3歳未満無料。営業時間は9時00分~17時00分。季節によって異なりますのでHPを確認してみてください。無料大型駐車場あり。
展示規模 ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★★☆☆
撮影向き ★★★★★
お勧め度 ★★★★☆
【新潟】展示方法がとてもハイセンスでお洒落な「上越市立水族博物館 うみがたり」
次に紹介するのは2018年にオープンしたばかりの新しい水族館です。写真からも見て取れるように近代的な水族館で、正式名称は「上越市立水族博物館 うみがたり」です。
入館するとまずは上層階に案内されました。天井には大きな丸い円形の明かり取りの窓があり、そこから水槽へ光芒が差し込む幻想的な空間になるように設計されていました。メインイベントのマイワシ2万匹が乱舞する「舞鰯(まいわし)シャイニリュージョン」では上のような写真が撮影できます。
水槽も水質も奇麗に管理されているのでクリアーな作品撮りが期待できます。
内部はとても幻想的な空間もあり、魚だけでなくこのようなアート的な写真も撮影できます。
三角形のような水中洞窟から見た水中景観などは他の水族館ではなかなか見られない展示です。
ペンギンの円形出窓水槽もユニークな表現が出来ました。
私が訪れた日は快晴でしたので、上部から美しい太陽光線が大型水槽に降り注ぎこんでいました。
とにかく自然光を上手くとりいれている工夫が随所にみられる水族館です。
イルカショーでは日本海を背景にダイナミックなショーが見られます。
日本海ならではの松葉ガニや人気のマンボウもいました。
■上越市立水族博物館 うみがたり
入館料金は大人(18歳以上)1800円、高校生1100円、小・中学生900円、幼児(4才以上)500円、シニア(65歳以上)1500円。営業時間は10時00分~17時00分。最終入館は閉園の30分前。無料駐車場あり。
https://www.umigatari.jp/joetsu/
展示規模 ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★★☆☆
撮影向き ★★★★☆
お勧め度 ★★★★☆
【福井】なんと入館料が無料!「福井県海浜自然センター」
福井県海浜自然センターは若狭湾に面した三方五湖の近くにあります。アクセスは少し難しいのですが、ここはなんといっても入館料が無料の水族館なのです。入り口ではこんなユニークなモニュメントが出迎えてくれます。
入館料無料だからといって展示が少ないということは無く、無料なのにこんなに楽しめて良いのか?という感じです。魚の餌やりコーナー(餌は有料です)はキジハタの食欲の旺盛さにびっくりしますよ。
■福井県海浜自然センター
入館料金は無料で、専用駐車場も無料です。自然体験講座は別途体験料がかかります(一部無料)。営業時間は9時00分~17時00分。最終入館は16時30分。
https://fcnc.pref.fukui.lg.jp/
展示規模 ★★☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★★
撮影向き ★★☆☆☆
お勧め度 ★★★★☆
【福井】蟹のすべてが解る!「越前がにミュージアム」
越前がにミュージアムは道の駅「越前」から道を挟んだところにあります。この一帯は観光地となっていて、訪れた日も多くの人々で賑わっていました。入り口では大きな越前ガニが出迎えてくれます。
蟹専門の水族館なので蟹の解説や標本が詳しく展示されていました。
蟹だけではなく、ウミウシのコーナーもありました。ウミウシは小さいので接写が出来るレンズで撮影すると、とてもフォトジェニックになります。
越前の夜の漁港をイメージしたジオラマはとても繊細で絵になります。多重露光機能を利用して幻想的に表現しました。
足元にも蟹のライトアップがあり、とても演出に凝っている水族館です。
シアターでは大パノラマで越前ガニの動画が見られます。
水中洞窟を表現したトンネル水槽の海遊歩道は油絵のような表現になり、とても印象的な写真が撮影できました。
■越前がにミュージアム
入館料金は大人500円、小人300円(3歳以上~小学生)。営業時間は9時00分~17時00分。休館日は毎週火曜日。
https://www.echizenkk.jp/kanimuseum
展示規模 ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
撮影向き ★★★★☆
お勧め度 ★★★★☆
【福井】公民館が水族館に!「くにみクラゲ公民館」
くにみクラゲ公民館は知り合いからの情報で知りまして、早速行ってみました。廃校をリノベーションした水族館はよく知っていますし過去の水族館めぐり記事でも紹介しましたが、まさかの公民館をリノベーションした水族館とは驚きです。
クラゲ公民館というネーミングですのでもちろんクラゲに力を入れていて、1Fはほとんどクラゲの展示でした。
館内は狭いため、じっくりと撮影する場合は他のお客さんの迷惑にならないよう注意が必要です。撮影目的なら平日に訪れることをお勧めします。
この水族館には他にもネコザメやマツカサウオなど数種類の魚が展示されていました。
■くにみクラゲ公民館
入館料金は大人500円(中学生以上)、小学生300円、未就学児無料。営業時間は10時00分~17時00分。定休日は毎週火曜日。専用駐車場あり。
https://lit.link/kunimikurage0402
展示規模 ★☆☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
撮影向き ★★☆☆☆
お勧め度 ★★★☆☆
【福井】古民家を改造した「古代生物ミュージアム【幻想クラゲ館Atolla 恐竜専門店HAKUA】」
くにみクラゲ公民館のすぐそばにひっそりと開店していた洒落た喫茶店のような水族館です。くにみクラゲ公民館に行く途中に偶然見つけた、まだほとんど紹介されていない、古民家を改造したクラゲと恐竜の水族館です。
「なぜクラゲと恐竜ですか」とオーナーの小島さんに尋ねると、どちらも古代生物だからという返答を頂きました。また、小島さんは若く古代生物に大変詳しく気さくな方でしたので、くにみクラゲ公民館に行かれる方はセットで立ち寄ると良いかと思います!
珍しい蟹の標本やクラゲなど沢山展示されています。
この瓶の中にはリュウグウノツカイの幼体が入っていました!
この地域は泳ぐイソギンチャクが多いのでしょうか、くにみクラゲ公民館にも居ました。
この水族館は背景に様々な色のスポットライトを多用しているので、いろいろなボケ具合を楽しめます。
絵になりやすいタコクラゲの水槽も背景を暗く表現しやすく、いい感じに撮影できます。ただ、こちらの水族館も古民家をリノベーションしているのでかなり狭く、撮影には注意が必要です。
■古代生物ミュージアム【幻想クラゲ館Atolla 恐竜専門店HAKUA】
入館料金は3歳以上350円。ミュージアムの営業時間は12時00分~17時00分(土曜、日曜、祝日)。
https://twitter.com/atolla_fukui
展示規模 ★☆☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★★
撮影向き ★★★★☆
お勧め度 ★★★★☆
【福井】東尋坊に近い老舗の「越前松島水族館」
最後に紹介するのは断崖絶壁で有名な観光名所、東尋坊の近くにある越前松島水族館です。建物は美しいブルーを基調としており、気分を盛り上げてくれます。
入り口すぐにはマンボウがお出迎えしてくれますがこの空間は狭く、反射が多いのでそれを逆に利用して絵にしました。
二つの異様なトンネル状の空間が同居するコーナー。左右対称に表現にしたらなかなか面白い写真になりました。
怒っているかのような表情のオコゼや、狭い水槽の中で生き抜くコバンザメたち。
珍しい花笠クラゲを、温度差で曇っているガラスを利用して幻想的に表現しました。
イルカショーは定番ですが楽しめます。
ペンギンを下から見学できる水槽があり、上部からのLEDライトの映り込みがとてもフォトジェニックでした。
動画でも被写体にどのようにアプローチしてゆくか撮影してみましたのでご参考に。
水蛸の赤ちゃんが生まれたそうなので撮影しました。接写対応のレンズだと極小の水蛸にもこのように寄れるし、背景もかなりボケるので絵になります。こちらも動画を撮影したのでご参考に。
ここの水族館の最大のウリである、海面浮遊体験が出来るコーナーです。この写真で見るよりは実際に体験してみることをお勧めします。
天空のペンギン水槽は青空をバックにすると美しく表現できます。
■越前松島水族館
入館料金は大人2200円、小中学生1200円、幼児(3歳以上)600円、幼児(3歳未満)無料。営業時間は9時00分~17時30分。最終入館時間は閉館の30分前。大型無料駐車場あり。
https://www.echizen-aquarium.com/
展示規模 ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★★☆☆
撮影向き ★★★★☆
お勧め度 ★★★★☆
まとめ
今回は日本海側を中心とした北陸方面の水族館を取材してきましたが、いかがでしたでしょうか。全体的にはリノベーションや増築をしてアイデアを全面的に押し出したような水族館が目につきました。また、最新の水族館は逆にどこにもない洒落た展示方法で集客しているようでしたね。
次回はいよいよ全国水族館めぐりの最終目的地、東北方面の水族館編です!最後までご覧いただきありがとうございました。
おまけ:これから水族館を巡る方々に流行りそうな魚朱印
近年、神社やお寺を参拝した際にもらえる御朱印を集めることがブームとなっていますが、御城印(ごじょういん)・魚朱印(ぎょしゅいん)はご存知でしょうか? 御城印はお城版、魚朱印は水族館版の御朱印で、施設を利用すると記念として購入できます。残念ながら今回取材した水族館は全館まだ導入されてないらしくコレクションできませんでしたが、今後扱っていく話もありましたので水族館好きの方は是非集められてはいかがでしょうか。私も四国水族館で購入しました!!
■写真家:虫上智
1968年岡山県生まれ。高校を卒業後、写真家 緑川洋一氏に師事。地元のカメラ店で撮影業務などを学び2000年に独立。現在はスタジオ撮影、フォト講座、執筆、フォトコン審査、講演等を受け持つ。ライフワークでは心象風景、自然写真、水中写真を撮影。
日本写真家協会(JPS)会員、日本写真講師協会 認定フォトインストラクター、OM SYSTEMゼミ講師、フォトカルチャークラブ講師、フォトマスターEX(総合)一級