パナソニック LUMIX GH5II|キットレンズの描写力と、さらに1本追加するならこのレンズ
はじめに
プロ仕様の静止画&動画ハイブリットミラーレス一眼として2017年に登場したLUMIX GH5から4年を経て、2021年6月にGH5IIとしてリニューアルされた。今回はこのDC-GH5M2M 標準ズームキットの写りと、もう1本レンズをプラスするならこのレンズといった内容でお届けしたいと思う。
標準ズームレンズの特徴
GH5IIとセットになっている「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」は、35mm換算で24-120mmまでの5倍の画角をカバーする標準ズームレンズだ。この12mmからの5倍ズームは日常を幅広く撮影できるオールマイティなレンズで、ワイド側で20cm、テレ側で25cmまでの近接撮影が可能とあって、ほとんどハーフマクロレンズとしても使用可能だ。
スナップ撮影に重宝する5倍ズーム
この12-60mmズームレンズは広角側が35mm換算24mmスタートなので、街をブラブラしながら撮影するスナップ撮影に適した画角といえる。特に新しくなったGH5IIの絵作りと上手くマッチして、暗い部分から明るいハイライトまでのグラデーション表現が素晴らしく、ただの写真でも作品のような仕上がりを見せる。
逆光時でもフレアやゴーストもなくシャープな画質
広角側12mm画角でいつもテスト撮影を行う、JR大阪駅の待ち合わせ場所「時空の広場」にて。太陽を画面内に入れて撮影しているが、フレアやゴーストによる画質低下も見られず良好な画質だ。レンズのコーティングとGH5IIのセンサーに施されたARコーティングの効果が現れた1枚だ。
とっさの時に助かる近接撮影能力の高さが◎
自由が丘近辺をブラブラとスナップ撮影していたところ、道ばたから強い視線を感じて足下をじっくり見渡したら、ハナスベリヒユ(ポーチュラカ)の花が一輪咲いていた。通常群生して咲く花なので一輪だけは珍しく「私を撮って!」と自己主張されたのでパチリと撮影した。このレンズの近接撮影能力は高く、ハーフマクロレンズ的に使用できるのが大変助かる。
小旅行や風景撮影でも扱いやすい標準ズームレンズ
GH5IIと12-60mmズームレンズの組み合わせは、三脚を使用しての本格的な風景撮影でも素晴らしい写真が撮影できる組み合わせだ。毎月定点撮影をしている東京ゲートブリッジ近辺での撮影だが、晴れた日の日没後マジックアワーと呼ばれる時間帯には富士山のシルエットが美しい写真が撮影できる。これからの寒い季節は特に空気が澄んでいるので美しく撮影できる。キットレンズとして非常に優秀な写りといえる。
先ずは望遠ズームレンズを1本増やし撮影範囲を広げるのが良い
標準ズームキットに1本買い足すなら、先ずは望遠ズームレンズであろう。LUMIXには小型・軽量で超強力な手ブレ補正機能Dual I.S.2に対応し防塵防滴にも対応した「LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.」がある。35mm換算200-600mm相当の画角を持つ優れたズームレンズなのでぜひお勧めしたい。GH5IIと組み合わせでスポーツ競技や野鳥撮影などに威力を発揮してくれる。
小型・軽量ズームレンズは女性でも扱いやすい
最近多くなった飛行機撮影を得意とする女性達にもお勧めしたいのがこの100-300mmズームレンズ。35mm換算で200~600mmまでをカバーするズームレンズでありながらとにかく軽い、軽い、軽い。広角側で撮影したのがこの写真で、手ブレ補正も良く利くので女性や高齢者の方でも振り回しやすい。こんなに小型な超望遠ズームは見たことがない。画質も優秀なのでオールマイティに使用できる。
望遠300mm側での撮影でも優秀な画質だ
雨上がりの一瞬に顔を出した太陽と着陸態勢に入った飛行機をシルエットに入れて撮影した。GH5IIに採用されたARコートを施したセンサーは、PL・NDフィルターを使用せずとも輪郭のハッキリした夕日が撮影できるのでありがたい。
野鳥撮影でも威力を発揮する超望遠ズーム
雨交じりの曇り空で野鳥撮影には少し厳しいお天気であった。しかし、GH5IIと100-300mm超望遠ズームの組み合わせなら手ブレ補正が優秀なので手持ち撮影でも狙った通りの撮影ができた。背景の緑を鮮やかに写したかったのでフォトスタイルを風景に設定して撮影した。
写真好きなら単焦点レンズ1本は持っておきたい
LUMIXといえば「LEICA」レンズであろう。中でもこの「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II ASPH.」は、35mm換算50mm相当かつF1.4の明るい単焦点レンズなので、カメラバッグに1本入れて持っておくと本当に重宝するレンズなのだ。超お勧めレンズである。
絞りF1.4解放から使える最高のレンズだ
僕の周りに飛行機好きが多く、よく一緒に撮影に行くことがある。この写真も伊丹空港に離着陸する飛行機の撮影ポイントとして有名な、通称「千里川の土手」で撮影した1枚だ。飛んでいる飛行機なので出来るだけ速いシャッターを切りたい。だから絞りが開放になってしまう。つまりレンズの素性がバレバレになる夜間動き物撮影である。どうだろうか?素晴らしい1枚が撮れたと思うのだが。
GH5IIの強力な手ブレ補正機能で動画撮影も楽だ
GH5 IIの動画撮影時には電子手ブレ補正と手ブレ補正ブーストを上手く使いこなすことが重要だ。カメラを動かしながら撮影する場合は電子手ブレ補正機能ONで、カメラが動かない場合は手ブレ補正ブーストもONにすれば、専用の三脚がない場合でも撮影できる凄さがありがたい。100-300mm超望遠ズームでハイスピード動画を手持ち撮影してみた。
明るい単焦点レンズがあれば夜の動画撮影もOKだ
夜間の空港での撮影は、通常のズームレンズではF値が暗すぎて超高感度撮影になってしまい、大きなテレビなどで鑑賞するには少し無理がある。タイトルで使用した写真とは別の日の動画撮影となったが、解放F値がF1.4のLEICA DG SUMMILUX 25mmなら撮影も楽にこなせた。
まとめ
4年の歳月を経て進化したGH5IIを使って思ったことは、静止画の魅力的な写真表現力を身につけた画質と、さらに磨きがかかった動画撮影能力。高級なLEICAレンズでなくとも、手持ちのLUMIX Gレンズ達だけでもその素晴らしさは十分伝わってくる仕上がりで、お世辞抜きに良いカメラになってるぞGH5 II。座布団3枚差し上げよう!!
■執筆者:森脇章彦
1956年岡山県生まれ。コマーシャルフォトを中心に男性誌・女性誌などで高価な宝飾品からポートレートまでこなし幅広く活躍。またカメラ専門誌などでの執筆活動精力的にこなし独特の辛口批評が読者から好評を得ている。特にデジタルカメラは創世記から積極的に活用し。カメラ画質やレンズの良し悪しについて「影のご意見番」と呼ばれている。
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